ちょっと寒かったけど人手は多かった。
先週平日の日銀前
昨日、としまえん付近の石神井川
このあたりは今が満開という感じでした。
週末、花見がてら東京ミッドタウンで開催されたG-tokyoに行きました。
先週末は六本木アートナイトとして、東京ミッドタウン、六本木ヒルズ、
新国立美術館、そして交差点周辺の商店街がまとまったイベントもやってました。
G-Tokyoは複数のギャラリーが出展するアートフェアで、本来はコレクターが対象なのですが、私を含め購入を検討している風な人よりは見物の人が多かったという印象でした。
その中で目立って購入客が多かったのが、ヒダリジンガロという陶芸のギャラリー。ギャラリーというよりは皿やカップなどの小物中心で、一点数千円なのでけっこう買っている人がいました。
ただ、アートフェアの中ではの陶器雑貨店という感じで、他の現代アートのギャラリーに並んで出展しているのは異色だったのですが、ここは村上隆率いるカイカイキキがプロデュースするアート雑貨店でした。
村上隆といえば、以前NYのギャラリーで作品が数億円の値段がついて有名になりましたが、ルイ・ヴィトンとのコラボや六本木ヒルズのキャラクターデザインなど自分の作品や他のアーティストのプロデュースなどを積極的に手がけ、現代アートをビジネスとして成立させようとしています。
そのことについて日本では「商業主義」という批判も多いようですが、反面、現代アートの市場は欧米のギャラリーが主導していて、日本の存在感が薄いという事情があるようです。
もともと米国の美術館は個人のコレクションが元になったものが多く、定期的に資金集めをしたり作品の寄贈を募って収集品を増やしてきた反面、
日本は明治以来公設の美術館がお上の予算で収蔵品を購入するという形だったので(さらに税制の違いも大きいようです)「マーケット」「富裕層のお金を取り込む」という感覚が薄いという伝統も影響しているようです。(このへんについては以前ちょっと書きました)
「ブリヂストン美術館」「山種美術館」「ポーラ美術館」などはありますが、創業者の蒐集品+企業のバックアップからは出ていない感じがあります(誤解だったら失礼)
一方で、現代アートについてはArt BaselとFrieze Art Fairが世界の二大アートフェアと言われているようですが、
Art BaselはスイスのUBS銀行、Frieze Art Fairはドイツ銀行のそれぞれプライベートバンク部門がスポンサーになっていて、富裕層の資金を取り込む仕組みができているようです。
(同時期に東京国債フォーラムで開催されたアートフェア東京はFrieze Art Fairの系列だそうです。)
さらに最近は、1月に開かれたArt Stage Singaporeなど、香港・シンガポールがアジアの富裕層の資金を取り込もうと現代アートの中心として名乗りを上げているようです。
「クール・ジャパン」と言いながら「ものづくり」はするものの流通市場を押さえられて利益に結び付けられない、という風にはならないように願いたいものです。
その意味では、上のヒダリジンガロも、アートフェアの中で作品をマネタイズできるのは画廊でなく雑貨屋のほうだ、という日本の現代アートの現状に対する批評性をもっているという意味で、ひとつの出品作といえるのかもしれません。
シンガポールからインドネシアに入ると入国時に25US$の入国税をとられて、いきなり経済力の差を感じます。
ちなみに出国時にも15万ルピアの出国税がかかります。
そして入国カードの裏側には、麻薬の運び屋は死刑です、と注意書きが書かれています。
もっともシンガポールでも半年で1000人以上が逮捕されているそうなので、これはインドネシアに限ったことではなさそうです
ジャカルタで有名なのは交通渋滞。
地下鉄などの公共交通機関が都市化の進展についていっておらず、多くの人が自動車やバイクで通勤しています。 しかも、高速道路優先で整備したので、ジャカルタ市内まできたはいいもののそこからの一般道の渋滞を加速しているようです。
朝の渋滞
夕方のバス
渋滞では少しでも前へとクラクションを鳴らしながら鼻先をつっこむのがコツのようです。
車の運転は相当荒く、高速道路の路肩走行などは普通で、皆車線を意識しない自由な走りをします。
特にバイクが車の間を左右に縫って走るので(しかも2人乗りとか荷物を抱えている人も多い)、自動車の運転には相当気を使いそうです。
車は日本車が多く、バイク(スクーター)はほとんど日本製。
中古でも故障が少ないのが人気なのでしょうか。
帰りにホテルから空港までタクシーを頼んだ時に荷物が多いと言ったらホテルのコンシエルジュが「それならベンツ(*)より大きい車を手配しよう」と言われて、やって来たのがカムリだったのには笑いましたが(確かにカムリの方が積めるらしい)。
(*) ジャカルタのタクシー会社で安心できるのは「Silver Bird」と「Blue Bird」の二社らしく、ホテルにはいつも「Silver Bird」が止まっていました。「Silver Bird」の車両はベンツのEクラスが多かった。
渋滞の喧騒だけを見るとまだまだ発展途上国という印象を受けますが、インドネシアの一人当たりGDPは3500ドルであるものの、ジャカルタの都市圏に限って言えば、一人当たりGDPは7000ドルを超えている立派な大都市です。
ショッピングモールも立派なものがいくつもあります。
ショッピングモールは今やアジアの大都市どこにでも見られる感じです。
そして不思議なのは、どこにもブランドショップが入っていて、隣あったモールに同じブランドが入っていることもあります。
地下鉄や地下通路などが整備されておらず街中でも暑いので、東京や大阪と違って施設間の徒歩での移動というのがないせいもあるのでしょうか。
人気だったのが日本食レストラン。
どこの施設にも複数の日本食レストランがあります。
大きく焼肉系と寿司系に分かれるようですが、ラーメン店もけっこうあります。
インドネシアは世界最大のイスラム教徒を抱える国ですが、日本食は魚と野菜が中心で、豚肉でないと成り立たないという料理は少ないので、ハラールな料理が多いのも人気の理由かも知れません。
(昔、味の素が豚由来の原料を使っていてインドネシアで問題になったことがありましたね。)
中華が続いたので口直しにと頼んだカレーうどん
牛肉がガッツリはいっていたのは想定外。
汁は日本のカレーうどんと同じだし肉もおいしいのですが、軽くしたいときに出たのできつかったです。
イスラム教では、今年は8月19日でラマダンが終わり、そのあとはレバランという長期休暇に入ります。
日本で言えば正月みたいなもののようで、皆いっせいに帰省するのでこれまた帰省ラッシュで大渋滞になるそうです。
行ったときはラマダン中だったので、ムスリムの人は昼は飲食はしません。なので日中は飲食店も空いています。
ただ、日没後は飲食可なので、夜は飲食店は混んでいます。
特に最近は日没後に友人たちと一緒に食事をするのが流行っているらしいです。
日中飲食せずに、さらに長時間渋滞の中を帰るよりは、街中で食べたほうがいいということでしょうか。
実際、女子会や職場の飲み会(アルコールは禁止なので「食事会」ですね)のようなグループを沢山見かけました。
インドネシア全体のことはわかりませんが、ジャカルタについていえば、都市化・人口集中のスピードにインフラ整備が追いついてくれば、発展が期待できる印象です。
あと、政治の安定も重要です。
イスラム過激派のテロを警戒してか、オフィスだけでなく、ホテルやショッピングモールの入り口でも手荷物のX線検査と金属探知機によるチェックをおこなっていたのが印象的でした。
(中国と違って真面目にやっていましたが)
初の民主投票で選出されたユドヨノ政権も2014年で2期目が終わり任期満了になるので、その後の政治の安定も期待されます。
余談ですが、インドネシアはコーヒーとカカオ豆の世界有数の産地でもあります。
コーヒーでは、ジャコウネコの腸内で発酵した貴重品とされるコピ・ルアク の産地でもあります。
そこで土産物店で探したところこんなものが。
かえってマイナス効果になる翻訳のいい例ですね。
特に日本人は漢字が読めるので日本人にも売れなそうです。
この前、中国でのNHK放送がタイムラグがあるのは検閲があるからではないか、という話を書いたのですが、シンガポールでもやはり番組は時差+30分遅れくらいでした。
オリンピック放送については、IOCとの放映権の契約の関係で外国に放送できないという事情もあるようで、ほかにも海外ドラマの放映などもそういう問題があるのでしょうから、NHKも海外向け放送用に再編集して送信しているのかもしれません。
でも、薄煕来事件のときは、ニュースの画面が突然砂嵐になったらしいので、中国当局もなにがしかのコントロールは行われているのでしょうけど、取り急ぎ濡れ衣は晴らしておきます。
今回、大連→天津→北京と回ったのですが道中の印象をあれこれ。
・ 服装が小ぎれい
4年前に上海に行ったときより、全般的に服装が小ぎれいになっている感じがします。
天津のバス停
北京の地下鉄
大連の裏通りの屋台にいくとこんな感じですが。
一方で、小じゃれた店が並ぶ北京の三里屯地区だと、こんな感じ。
・ 無印良品、ユニクロ
北京の都心のショッピングセンターに「日本ブランドフロア」のようなところがありました。
だいたい1人民元=10円換算の値段で売っています(為替レートは12.5円くらい)。
無印良品はけっこう人が入ってました。
ユニクロは三里屯にも巨大な店がありましたが、どちらかというと派手目の服装が好まれるなかで「中の上」あたりを狙っているような店舗と価格戦略は当たるのでしょうか。
・ セキュリティ・チェック
とにかくいろんなところでセキュリティ・チェックがあります。
高速鉄道乗り場、地下鉄、鳥の巣の入り口、天安門広場、都市計画館など公共のところはほとんど手荷物検査があります。
ただ、荷物を通すもののほとんど真面目に見ておらず、金属探知機もピーっと鳴ってもそのまま通されたりします。
お役所仕事そのものという感じ。
また、高速鉄道に乗るときはきっぷのほかにIDカードもチェックされます。
いざというとき移動の制限をかけることができるようにということでしょうか。
それやこれやで駅はとても混んでいます。
天津駅
・自動車
大連・天津・北京とも高級車が目立ちます。 ベンツよりアウディ・BMWのほうが人気があるようです。
特にアウディ、それもA6、Q7という大きい車が目立ちます。
VWグループが早くから中国に進出した影響でしょうか。
子供にも人気?
さらにマセラッティ(住宅地のスーパーマーケットの前で展示会をやってたりするらしい)、ジャガー、フェラーリからランボルギーニ(さすがに注目を集めていた)まで見かけました。
レンジローバー・イヴォークなどは都内ではまだ見たことがないのですが数台見かけました。
普通の人や商用車は現代・フォルクスワーゲン・起亜が多い感じです。
日本車の存在感は残念ながらあまりない感じです。
このへん、現地生産に出遅れた影響でしょうか。
天安門広場近くで見かけたパトカー
手前がVW、真ん中二台が現代、奥にプリウス(プリウスを見たのはこれだけでした)。
これは外交的配慮なのでしょうか?
といいながら、天安門広場にある大ビジョンでは、中国の観光名所として西沙諸島も紹介されてましたが。
・ NHK放送にも検閲?
天安門といえば検閲ネタ。
ホテルのテレビではNHKやBBCなど外国の放送も映るのですが、NHKはリアルタイムの放送ではなく、30分くらいずれて放送されています。
時差が1時間あるので本来北京の6時にNHKの7時のニュースが見られるはずなのですが、6時半頃の放送が流れます。
そして、プログラムも総合テレビそのものでなく、編集されています。なぜか四国のローカル放送がはさまったり、朝一から無難な風景番組が流れたりします。
たぶん中国中央電視台で再編集しているのではないかと思います。
そんなことをやっているからあんなに大きなビルがひつようなのかもしれません。
・ セミの鳴き声が違う
北京でもセミが鳴いていたのですが「ジュワジュワジュワ」という日本では聞いたことのない低く濁った鳴き方をします。
中国ではセミを鳴き声から「知了(zhi liao)」というらしいですが「ミンミンゼミ」「ツクツクボーシ」ではそうは言わないでしょうから、種類が違うのかもしれません。
(参照:書迷博客「セミの鳴き声」、在日中国人女性の随筆「蝉(知了zhi liao)」)
昨日の『構造デザイン講義』でもいくつか取り上げられていたこともあり、北京では万博、オリンピックを契機にここ10年世界中から建築家を集めてデザインを「食い散らかし」ている中国の普請道楽ぶりを見ようと、渋滞の中急ぎ足で回ってきました。
オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」
設計はスイスの建築家ユニットヘルツォーク&ド・ムーロン。
プラダ・ブティック青山店の設計者でもあります。
(ちなみにプラダ・ブティック青山店の外壁のガラスは1枚1000万円したとか)
『構造デザイン講義』によると
中国というのは変わった国で、設計がそこそこ見えてくると、中国設計院という国の設計事務所のような機関が出てきて、色々と調整をし、場合によっては、後は自分たちでやるから結構です、ということになるらしい。ちなみにヘルツォークは、その段階で鉄骨量を20%以上減らすように命じられたという話を聞きました。・・・まあ、建築というのは、巨大になればなるほど色々な思惑や事情が混ざりこむものですから、こんなことは日常茶飯事です。問題は、非常に高度な構造であった場合、それをものづくりのレベルまでフォローアップしなくて大丈夫なのか、ということです。全体の系やロジックが分かっていないと思わぬことが細部で起きてくる、ということもあるからです。
ここは依然として観光名所になっています。
修学旅行のような団体旅行が多かったですが、中国はとにかく敷地が広いので夏場はたどり着くだけで疲れてしまいます。
中国人も暑がっていたので、日本人がひ弱なわけではないとちょっと安心。
「鳥の巣」の構造材を下から見るとこんな感じ。
この銀色の柱は、鉄骨(多分)の上に金属のパネルを張ったもので、近くで見るとちょっとペナペナ感があります。
あと、この写真は階段を降りるところで撮ったのですが、階段面の水勾配がうまく取れていないようで、水溜りがいくつかあったのが気になりました。(だから日本人は細かいと言われるのかもしれないが・・・)
この近くにあるのが国家水泳センター、通称「水立方」。
オーストラリアのPTWアーキテクツの設計。
これも『構造デザイン講義』によると
最近流行っている手法です。ボックスのようなものをつくり、それを泡のようなスポンジ状の構造で構成するというビジョンを立てる。そこに働く応力に対して解析を掛ける。応力が集中しているところは泡のユニットを小さくし、あまり応力が働いていないところは泡を大きくつくり、応力に従ってこの泡を増やしたり減らしたりしてこういう構造体を構築するのです。
建物内部には競技プールのほかに一般市民向けのウォータースライダーもあって、見学客以外にもプール利用の人もけっこういました。
「泡」ですが、近くで見るとこんな感じ
内側と外側に鉄の部材で泡の骨格をつくり、それを透明のフィルムで囲んでいます。
遠くから見るぶんにはいいのですが、近くで見るとフィルムの汚れが気になります。
だから日本人は細かい、とまた言われるかもしれませんが、メンテナンスも考えた素材にできなかったものでしょうか。
鳥の巣と水立方は建物としては「隣」なのですが、ものすごく広い通りを挟むので、行き来だけで一汗かきます。
この通りは、故宮・天安門広場を貫く南北軸の延長上にあるとのことです。
こういうシンメトリー、大通り、というのは北京の特徴でもあります。
その代わりに建物は何でもありなのでしょうか。
「何でもあり」度合いが特に強いのが中国中央電視台(国営テレビ局)のビル。
独特の形状が威容というより異様です。
イサムノグチの彫刻「エナジーボイド」を建築にしてしまったかのような感じ。
『構造デザイン講義』の時は計画段階だったようです
二本の巨大な超高層が上空で結び合っています。巨大なキャンティレバーです。でき上がると、人目を驚かす威圧的な建物になるのではないかと思います。外壁に入っている斜めの線は、力学的な解析で密度が決まっています。
ただ、内藤先生は
国家の企みと建築家の野望が手を取り合った共犯関係であることがあまりに明白で、見ていてこちらが恥ずかしくなります。
と手厳しいです。
実際近くではものすごい威圧感ですし、ビルの合間から見えるだけでも独特の存在感があります。
「共犯関係」はかなりの成功を収めているといえます。
ただ、天安門広場の近くにある都市計画博物館(というような意味の名前でした)に行くと、まだまだ派手な建物が出来るようです。
右端の∩型の建物はまだ出来ていないのですが、さすがにやりすぎ感があります。
また市街地中心部の建物を忠実に再現した巨大なジオラマもあります。
これは見学者の市民向けだけでなく「ウチのビルはもっと派手にしろ」と施主の競争意識を煽る効果もあるのかもしれません。
上のほうにある茶色いところが故宮です。
この都市計画博物館というのは主要都市には必ずあるようで、意気込みが伝わって見所ではあります。
北京国際空港ターミナル
これはノーマン・フォスター。
大屋根は鉄骨を複雑に構成させています。 平面図はターミナルは曲線で構成されているのですが、中央の軸線は故宮をイメージしたかのような列柱とシンメトリーが特徴です。
ターミナル間のシャトル乗り場からの景色
シンメトリーに配された柱を赤く塗るあたり、コンペ向けに媚びた感じもしますが、外国人旅行者にとっては北京らしさが出ているようにも思えます。
最後は、今回泊まったホテルThe Opposite House。
(写真拝借)
設計は日本の隈研吾。
"the opposite party"もない国で"opposite house"とは刺戟的と思ったのですが、中国古来の家作り形式「四合院」で居住部分の反対側にゲスト用の部屋を作ったことにちなんだネーミングだそうです。
ちなみに中国語表記は「瑜舎」。「瑜」とは美しい珠という意味のようです。
エントランスロビー
レセプションカウンターがなくレジと情報端末があるだけ。
ソファーに坐ってチェックイン/アウトをします。
ホール
オブジェの奥がレストラン。
他に地下にイタリアン・レストラン、バーも1Fと2Fにあります。
地下のトイレ
奥が小用。用を足しているとそのまま宇宙船に連れて行かれそう。
はたまた軽井沢星のやのメディテーション・バスか。
室内も凝っています。
浴槽がカーテンの仕切りだけでオープンスペースにおいてあります。
お湯がはねないか、あふれないかと気になるのは小市民の証拠w
また、シャワーブースも別にあるのですが、床面の高さが変わらないので水が染み出してきます。
思わずタオルで拭いてしまったところも小市民w
全体的に木を多用していることもあり、メンテナンス費用がかさみそうです。
当日もロビーの裏手の入り口のフローリングを張り替えていました。
また、競合が出てくる中でいつまで話題性を保っていられるかがポイントになりそうです。
以前聞いた「金持ちがホテルを持つことはあるが、ホテルを持って金持ちになった奴はいない」(オペレーターは儲かるかもしれないが)という言葉を思い出してしまいました。
日本もバブル期には外国人建築家の実験場みたいになったわけであまり他人のことは言えませんが、さすが中国、その部分まで日本を凌駕しています。
「阿呆と煙は高いところにのぼりたがる」と言いますが、「高いものを建てたい」という病も伝染するのかもしれません。
今、日本の私鉄のNo.1とNo.2が東西で高い建物を建てていますが、それを続けて見る機会がありました。
東はいわずと知れた東京スカイツリー。
事業主は私鉄としては東日本最大、全国でも2番目の営業距離の東武鉄道です。
スカイツリー本体だけでなく、足元に東京スカイツリータウンという複合開発になっていて、「東京ソラマチ」という商業施設や、
(大きくて一部しか写っていません)
「東京スカイツリーイーストタワー」というオフィスビルが建築中です。
トリビアですが、この全体が建築基準法上は1棟の建物になっていて、階数としては事務所ビルの「31階建て」ということになるそうです。
スカイツリー部分は地上29階(=第二展望台)棟屋3階(=アンテナ)という扱いだとか(うろおぼえですが)。
スカイツリーの団体申し込みは連日満員だそうで、「阿呆と煙は・・・」ではないですが新名所であるスカイツリーや商業施設は相当の集客を見込めるでしょう。
ただ、スカイツリーの隣にあるから目立たないものの、オフィスビルもかなりの大きさです。
(こちら)によると、貸室面積で7700坪もあるそうですが、従来オフィス立地でなかったところですし、誰が借りるのでしょうか。
東武鉄道自身は既に近くに別棟の本社屋を作って移転済のようなので、自社以外のテナントで埋めきれる自信があるのでしょうか。
株式会社日本格付研究所(JCR)の2011年11月29日のレポート(参照)では
東京スカイツリータウンは、商業施設のテナントリーシングが終了し、現在オフィステナントのリーシングが進んでいる。都内オフィス市況の改善が進まない状況下で当社施設についても計画当初の賃料収入を下回る可能性があるが、スカイツリーや商業施設と合わせた収支ではJCRの従来の想定の範囲内に留まる可能性が高いと考えている。
と微妙な書きぶりになっています。
完成したらすいているオフィス棟の方を見に行こうと思います。
ちなみにイーストタワーの30階と31階にもレストランができるそうで、そちらのほうが落ち着いて夜景とスカイツリーを眺めることができるとか。ただ、スカイツリーを眺めるには近すぎるかもしれません。
もうひとつトリビアですが、スカイツリーの展望台まで水を上げるには約100m毎にポンプを繋いでいるそうですが、一方で下水は中継タンクなどは経由せずにそのまま下に落とすそうです。
なので、展望台にあがる機会があれば、ぜひトイレで大きいほうの用を足されることをオススメします。
第二展望台からだとあなたの分身が450m一気に落下する醍醐味を味わえます。(実際はカーブをつけて減速するようにしているそうなので、ウォータースライダー気分でしょうか)
次に西。
先日大阪に寄ったついでに見たのが、私鉄最大の営業距離を誇る近鉄が大阪阿部野橋駅の再開発で建てている「あべのハルカス」。
何とこのビル、完成すると地上60階建て高さ300mの日本一高いビルになります。
北東に天王寺公園を挟んで建つ通天閣(高さ100m)を遥かに見下ろす感じです。
(そういえば通天閣には「HITACHI」の電飾がありますが、スカイツリーのライトアップはパナソニックだそうです。スカイツリーには社名は表示しないようですが。)
まだ180mまでしかできていませんが、既に存在感十分です。
この計画は2006年に航空法による高さ制限が緩和されたのを契機としているそうです。
そして東京スカイツリーの建設地が最終決定したのも奇しくも2006年3月です。(あべのハルカス「計画の経緯」、東京スカイツリー「取り組みの経緯」 参照)
私鉄最大手、そして関西を代表する企業である近鉄としては「東武に負けるな」そして「関東(それまで日本一だった横浜ランドマークタワー)に負けるな」という意識がはたらいたのかもしれません。
建物は近鉄百貨店とマリオット都ホテル、それにオフィスから成り立っています。ホテルは376室と大きめのうえ、オフィス部分は18,000坪もあるそうです(参照)。
都ホテル、近鉄百貨店を含め「オール近鉄」プロジェクトという感じが前面に出ていますね。
テナントとしてはシャープの営業・開発部門が移転してくるらしいですが(参照)、大阪は梅田北ヤードなどにも大きなビルが続々と建っている中で全部を埋めるのは大変なんじゃないでしょうか。
こちらも株式会社日本格付研究所(JCR)の2011年10月6日のレポートでは(参照)
阿部野橋ターミナルビル開業後に財務の改善が進むかどうかは、売場増床後の百貨店の収支および新規に供給されるオフィスやホテルの稼動状況に大きく依存している。このため、今後の阿倍野エリア全体の集客状況にも注意を払っていく。
とされています。
東西の背比べ、どうなるでしょうか?
万が一思ったほど業績が上がらなかったとしても、立山と白山の背比べのように、わらじや石を積んでごまかしたりはしないように願いたいものです。
お後がよろしいようで。
出張の帰りに岡山からボーイング787に乗りました。
機体の「787」の文字が誇らしげです。
機内に入ると、照明が虹色になっていました。
夕方の便ならではの演出なのでしょうか。
しばらくすると、ギャレーと同じ白色になってしまいます。
照明がLEDのため、白色光はとても明るいです。
特に読書灯は初めて十分に役に立つ明るさになったといえます。
座席は、横幅は従来と変わりませんが、椅子の厚みが減ったのと、リクライニングがシェル式(背もたれ全体が動かずにクッションだけが動く)ので、前後方向は多少広がった感じです。
ただリクライニングすると座面が前方にせり出すので、その分は狭くなります(このへんは自己責任で調節しようということでしょう)。
飛行中の騒音も少なくなったと聞いたのですが、前回飛行機に乗ったのが昨年の9月だったので比較するほど記憶に残っていませんでした。言われてみればそうかな、という感じ。
今回1時間程度のフライトだったのですが、長時間だと疲労度が違うかもしれませんね。
トイレに窓がついたというので期待していたのですが、僕が入ったところは窓がありませんでした。これは残念。
ただ、洗浄便座はついています。
写真はありませんが、手洗いも自動で水(お湯も)が出ます。
トイレで一番気に入ったのがこれ
水を流すときに蓋も(ということは便座も同時に)自動で閉まります。
この機能自体は家庭用でもあるのですが、蓋の閉まり方が独特です。
まずはごらんあれ
家庭用だとヒンジのところにモーターがついているタイプが多いと思うのですが、それだと支点と力点が近いので使用頻度が高い、または慣れない人が無理やり手で動かすと故障するおそれがあるのでこういうタイプにしたのでしょうか。
このカラクリ風の動きは「日本のおもてなし」風で気に入りました。