本日5月1日は会社法の施行日です。
ということで何かそれっぽいエントリを書こうと思ったのですが、相変わらず与太話で失礼します(^^;
今回の会社法で新たに「合同会社」という会社の類型ができました。
有限責任社員(出資者)だけで構成され(ここが合資会社・合名会社と違う)、社員が業務執行するという、簡単に言えば民法上の組合に最低限の内部規律を決めて法人格を与えたようなものです。
この合同会社の社員は会社を代表して業務を執行することができ、社員は自然人だけでなく法人(株式会社や他の合同会社)でもなれることになってます。
(法人が業務を執行する社員である場合の特則)
第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。
そして、合同会社の社員は商業登記の登記事項になってます。
(合同会社の設立の登記)
第九百十四条 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。
六 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称
七 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所
八 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所
そうすると、たとえば合同会社甲山商事の社員が株式会社乙川興産だとした場合、社員としての職務を行うもの(=自然人)を登記しないといけません。
仮にこの人を丙野太郎とすると、合同会社の契約書の署名欄は
合同会社甲山商事
社員 株式会社乙川興産
職務執行者 丙野太郎
みたいな書き方になるんじゃないかと思います。
ここで、合同会社の社員に合同会社がなった場合、そしてその合同会社の社員も合同会社ひとりしかいなかった(自然人のいない会社)だとすると、話はさらにややこしくなります。
たとえば
合同会社甲山商事
社員 合同会社乙川興産
社員 合同会社丙野物産
社員 合同会社丁坂興業
社員 合同会社戊山企画
社員 合同会社己川総業
社員 合同会社庚野商会
社員 合同会社辛坂本社
社員 合同会社壬山興発
社員 合同会社癸川産業
職務執行者 山田太郎
というようなこともありえるわけです。
まるでマトリョーシカ(ロシアの入れ子人形)みたいですね。
この場合、商業登記簿や印鑑証明書などもこのようにマトリョーシカ風に書くのでしょうか。
それとも「竹を割った結果かぐや姫が出てきたことが重要で、竹の皮が何枚はがれたかは重要でない(=最後に職務執行する自然人が特定できればいい)」として
合同会社甲山商事
職務執行者 山田太郎
と中間省略してしまうのでしょうか。
業務執行した社員の責任追及の問題とか途中の会社が組織変更をしたりした場合に継続性を追いかけられなくなってしまうと大変なので、法務局的にはマトリョーシカなのではないかと思うのですが・・・
ひょっとすると上の商法598条は、合同会社の職務執行をするためには住所および氏名のある職務執行者を選任できる法人(=社員に自然人がいるか従業員のいる合同会社)でないといけない、と読むのかもしれませんが・・・
どなたかご存知なら教えてください^^