一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『父親たちの星条旗』

2007-05-08 | キネマ
レンタルでは『硫黄島からの手紙』の方が先にリリースされていたのですが、映画公開順にこっちを先に観ることにしました。

予告編やアカデミー賞などで相当事前情報が入っていたので、ストーリーとしては残念ながら新味がなくなってしまっていましたが、映画としてはよく練られています。クリント・イーストウッドは名監督の域に達していますね(スタッフの集め方がうまいということも含めて)。

「硫黄島の英雄」3人は帰国後戦費調達のための戦時国債の販売促進キャンペーンに狩り出されます。
映画では7回目の国債で発行額140億ドルといっていました。そこまでの資金が民間にあったというのは驚きですね。
一方の大日本帝国は、日露戦争のときのようにイギリスで調達するというわけにも行かず、総額70億円でも国内での市中消化には相当苦労したようです(参照、軍艦や爆弾の絵柄も勇ましい戦時国債の画像もあります)。いかに物価水準が違うとはいえ、国内や占領地で調達できるものには限りがあったでしょうから、彼我の国力の差は歴然としていたわけです。


話はそれてしまいましたが、同じ「作られた戦争の英雄」として木口小平を思い出しました。

木口小平は、日清戦争で敵弾を受けながらも突撃ラッパを吹き続けて「シンデモ ラッパヲ ハナシマセンデシタ」と修身の教科書にも載ったひとです(そして、正露丸の前身である「忠勇征露丸」(明治35年発売、参照)のラッパのマークのモデルにもなりました)。

調べてみると、木口小平も同じく立派な銅像になっています(参照、どことなく力強いポーズも似ています)。
そして、当初この逸話の人物は白神源次郎という別の二等兵と伝えられ、白神源次郎は金鵄勲章をうけ上等兵に進級した一方で、死後1年経った戦争終結後に本物と明らかになった木口小平は二等卒のまま葬られてしまった、というあたりも、この映画に通じるものがあります。


まあ、戦争とかその他のドサクサって、そういうものなんでしょうね。








コメント (2)
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