一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ゆれる』

2008-05-05 | キネマ
前から気になっていた映画を連休中にまとめて観たのでしばらく映画のレビューが続きます。

最初は『ゆれる』

監督の西川美和が脚本も書いているため、練られた科白、効果的なカメラワークと演出が統一感がとれた作品になっています。
演出はちょっと過剰に象徴的なシーンを強調するような部分もありますが、全体的には微妙な納得のいかなさ・消化不良感が考えさせる効果を生むような脚本なのでその思わせぶりな演出も魅力になっています。

内容に言及するとネタバレになってしまうので、あらすじはゆれる - goo 映画などをご覧ください。

主役のオダギリジョー(弟)と香川照之(兄)の関係を中心に、兄弟の関係が通低するテーマになっています。
キャストでは兄役の香川照之の演技が出色です。
特にラストシーンで見せる表情は圧巻です。

消化不良感を一気にカタルシスに持っていくかのように、兄が何を考えていたかをこの一瞬で見せてしまいます。
でも、しばらく後に、その解釈は受け取る人によってやはり違うんだろうな、と思わせてしまうような、余韻というよりはいい意味での後味の悪さが残る作品です。


コメント
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