上場廃止になるとに適時開示に出てこないので忘れがちになりますが、民事再生したモリモトにようやくスポンサーがついたようです。
もともと僕自身は、マンションデベロッパーは借入金と棚卸資産を回転させている構造なので参入障壁が非常に低く(金融緩和時は銀行やノンバンクの別働隊のような会社が出てきたりします)、その「事業再生」も社会的意義としては疑問に思っています。
また、よほどのブランドや優良な管理子会社などの資産がない限り、商売としても大してうまみがないだろう、とも思います。
マンションデベはここのところ毎月2,3社ずつ倒産しているのでなかなかスポンサーは付かないだろうなと思っていたのですが、その中でもモリモトは東京地区では比較的ブランドイメージはよかった方だったということでしょうか。
一度倒産したというイメージを覆せるほどの商品企画力・技術力があるのかがポイントでしょう。
スポンサー決定及び再生計画案提出のお知らせ
(平成21年4月24日 株式会社モリモト)
1.スポンサー契約締結に至る経緯
・・・30 社を超える候補者のなかから、第一次入札、最終入札の過程を経て、ジェイウィル社との間で同社が運営・管理する合同会社を通じての減増資スキームによる弊社事業の支援・継続に関しスポンサー契約を締結いたしました。
2.スポンサー契約の主な内容
(1)弊社の減資及び増資
再生計画案が債権者集会において可決され、東京地方裁判所により認可決定がなされ同決定が確定することを条件として、認可決定確定後に、いわゆる100%減資(発行済み株式の全部取得及びその消却)を実施の上、ジェイウィル社が運営・管理する合同会社から出資を受ける予定であります。
(2)融資による支援
弊社が行う不動産分譲事業および賃貸不動産開発事業の早期再開に向けた資金支援(DIP ファイナンス)を受けることを予定しております。
3.ジェイウィル社の概要
株式会社ジェイ・ウィル・パートナーズは、株式会社日本政策投資銀行、年金基金を中心とした国内機関投資家等が出資するファンドを運営しております。地域金融機関とも強いネットワークをもち、地域再生ファンドの運営も多数手がけるなど、企業再生に多くの実績を有しております。
ジェイ・ウィル・パートナーズってどこかで聞いたことがあると思ったら、ゼクスに関するエントリに出てきた会社でした(参照)。
ここではゼクスから介護事業(ラディアともめた揚句に売り戻したバーリントンハウス(参照)ではない方)の事業譲渡をゼクスから受けています。
ジェイ・ウィル・パートナーズはHPが検索に引っ掛かってこないので実態はわからないのですが、代表者のインタビュー(参照)によれば、「国内の投資家の資金で地方企業の再生をする」というのがコンセプトのようです。
実際こんなことをやっています。
ただ最近は、上のゼクスの介護事業だったり、こんなことにも手を出しているので、けっこう不動産好きのファンドなのかもしれません。
ジェイ・ウィル・パートナーズとしてどのような出口戦略を考えているのか興味があるところではあります。
PS その一方で、上のリリースと同じ日に中央コーポレーションが民事再生を申し立てるなど、スポンサーにはまだまだ候補案件はいっぱい出てきそうです。