児童養護施設には、色んなある日がやってくる。
ある日の昼前、起きてきた中学生Aくんに「おはよー」と声をかけたら蚊の鳴くような声で反応あり。
ある日の昼食後、「片付けお願い」とつぶやいて、使った食器全て置きっぱなしでAくんは部屋に戻っていった。
ある日の夕食後、嫌いなおかずを「残すから」と一言言って残した。
ある日、遅刻していったAくんの部屋に、1ページだけ答え丸写ししてある宿題のワークブックが置き忘れていた。
ある日の光景である。
普通のハードルを設置していたら、普通の物差しで見たら、とても褒められない姿かもしれない。
でもボクはそんな彼の姿を前にした時、大声で叫びたい位に嬉しく感じた。
ワクワクが溢れ出た。
え?
なんで?
挨拶しても反応なく目も合わさない、食べ終えた食器は全てそのまま、何も言わず嫌いなおかずを残す、宿題なんて全くやらない。
沢山の褒められない行動に対して、感情的にならずぐっと堪え、長い目で見守ろうと自分に言い聞かせる。
でも伝えるべきコトは、その時のベターな方法で伝えてみる。
伝えられず、伝わらず反省する。
無視されて、おいおーい!と内心で思う。
暴言で返され、他のやり方があったのでは?と自問自答する。
沢山のそんな上手くいかないある日を重ねてきたからこそ、沸き上がる感情がある。
ある日、突然目の前にステキな光景が現れ、ワクワクが溢れてくる。
この仕事、おもしれぇー!って思う。
「当たり前」や「正論」が通じないコトが多い仕事だ。
沢山の我慢と許容が必要な仕事だ。
でも、なんでもないある日の光景に叫びたくなる程の喜びを感じられる仕事だ。
20年続けたからこそ見えてくる光景もある。そんな光景の素晴らしさをどう後輩達に伝えていくか。
難しい課題があるからこそ面白い。
そんな前向きさをどう後輩達と共有していくか。
児童養護施設職員になって21年目だからこその日々を楽しもうと思う。出会う光景に感動する気持ちを大切にしようと思う。ワクワクした時の気持ちをやりがいに変換していこうと思う。
21年目、目の前には課題が沢山だ。
楽しもうと思う。
私の今の現状とリンクして
さらに視点が違うことでこんなに気持ちが楽になるんだと思いました。
なんの事やらと思うかもしれませんが
話が長くなるのでここでは控えます。
若い支援員さんに伝えてあげたいですね。
苦しんでいる方はいっぱいいてると思います。