甲子園の砂がメルカリに出品されているらしい。
甲子園といえば高校球児の聖地。
今年は新型コロナウイルスの影響で、春も夏も甲子園での全国大会ができなかった。(春の選抜は交流試合という形で8月に行われた)
甲子園出場を夢見てグラウンドで汗を流してた球児たちはショックだろうね。でも、陸上競技でも室内競技でも、いや吹奏楽でも文化部でもそれは一緒だ。
とにかくこの一年はこのままだとなかったことになってしまう空白の一年だ。
そんな球児たちを励まそうと阪神タイガースと阪神甲子園球場が企画したのがこの「甲子園の土入りキーホルダー」。
阪神の矢野監督が「全国最後の夏に甲子園に挑戦する機会をなくした3年生へエールを込めて贈る」とコメントし、阪神の選手らと土を集めた。
送ったのは日本高校野球連盟加盟校や女子野球の3年生、約5万人。
これだけの土(砂)をとったらさぞかし阪神園芸さんも整備が大変だと思うが、もともとは鳴尾浜の砂(一部鳥取の砂とかも混じってるという噂)。
それはさておき、それをキーホルダーにして8月31日に各校へ発送を始めたそうだ。
で、早速メルカリに出品された。
価格は7000円〜10000円。高いんだか安いんだか。
「せっかくもらったのに売りに出すなんて」とか「矢野監督が悲しんでるぞ」とか喧々諤々。
でもさ、正直、別にいらない人にとってはただの砂だしね。いらないなら出品してもいいんじゃないの?
えっ?あげた人の気持ちを考えろって?
そんなん言ったら、結婚式の引き出物で二人の名前の入ったティーカップセットとか、明らかに趣味の合わない皿とかもらっても、あなたは大事に保管してるってことだな。
彼と別れたとたんに貰った指輪を貴金属買取ショップで売ろうが、誕生日にプレゼントされたバッグをヤフオクで売ろうが、断捨離で捨てようが、それは勝手だろ?
包み紙やリボン、紙袋まで大事に取っておく人もいれば、卒業アルバムさえ不要って捨てちゃう人も居る。
なんかマスコミとかは「目に見えないものを大切に」とか言ってたりするので笑う。
「矢野監督が全国の球児に届けたのは単なる砂ではなく『願い』や『祈り』だ」と。
いやいや、それこそ大きなお世話でしょう。押しつけでしょう。
そりゃ、球児からしてみたら聖地甲子園の砂だろうけど、実際そこでプレーしてなけりゃ感慨も何もない。
熱闘を繰り広げた球児が自分で拾って集めた砂と、勝手に送ってきてくれた砂。一緒の価値かね。
沖縄がまだ日本に返還される前に甲子園に出場した高校が砂を持ち帰ったが、船の上で破棄させられたらしい。検疫で引っかかるからということで。
負けても砂を集めない球児だっているかもしれない。出れなくても砂が欲しい球児もいるかもしれない。
でもさ、勝手に「欲しいでしょ」って送ってこられてもなぁ。
善意を踏みにじる行為とか、スポーツマンとして恥ずべき行為とかいうけど、そんな問題なのかねぇ。
俺の家にはベルリンの壁のかけらと、サハラ砂漠の砂がある。
どちらも頂き物だ。
ベルリンの壁は崩壊したときに現地(ベルリン)に行ってた友人が、自分でハンマーで壊したかけらを送ってくれたものだ。
これだって知らない人にはただのコンクリの破片だし、要らない人には「なんじゃこれ」みたいなものだ。
サハラ砂漠の砂は、ナイル川や南アフリカの地図と一緒に現地を旅した人からもらった。
これだって中は本当にサハラの砂かどうかたしかめたわけでもないし、見た目はそこらの砂となんら変わりのない砂だ。
でも両方とも、大事に未だに飾ってる。
でも勘違いしないでほしい。プレゼントされたものだから置いてるのではない。
気にいってるから飾ってあるのだ。
仕事柄プレゼント、贈り物、頂き物、祝儀、記念品などは色々いただくことが多い(かった)。
そのほとんどは、『特に要らないもの』なのだ。だって欲しいもんだったら自分で買うもの。
中には「俺の美的センスを根本から砕く品」ってのもあった。これを俺にどうしろとってセンスの品。
「これ好きでしょ」と押しつけられるものから「つまらないものですが」まで色々。
で、その要らないものの処分は。
一番いいのは「欲しい人にあげる」だ。
これならwin/winだ。
欲しい人が周りにいないとか、さすがに横流ししたら(くれた人に)バレるなって品はヤフオクや楽天に出品だ。
今ならメルカリが便利だろう。
善意の贈りものでも、要らんものはいらん。
それなら欲しい人是非。新品・未使用・非売品。限定品。
甲子園の砂がメルカリに出品されたと、そんなに大げさに騒ぐほどのことでもない。
横流しされたりするのがいやなら、Lot番号(通し番号)でもつけて、誰に何番を送ったのか分かるようにしとけばいいだけの話だ。
善意の押し売り。
これほど迷惑なものはないのだ。
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