GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

完全に乗り遅れた〜鬼滅の刃

2020-12-05 22:37:44 | BOOK/COMICS

完全に乗り遅れてしまった。

鬼滅の刃。

 

すごいなぁ。最終巻の発行部数が初版395万部だって?

これって、単純計算で国民30人に一人は読んでるってことよね。

その昔ピンクレディがシングルレコード100万枚売ってた。誰もがメロディ曲を口ずさめ、女の子は振り付け踊れてた。多分今でも踊れるだろう。

沢田研二や山口百恵、美空ひばりは100万枚売れた曲はないのだが、当時のヒット曲は誰もが知ってて歌えた。

鬼滅の刃はそれ以上に売れてるってことだ。395万部(もう400万部でええやん)ってもはやどれくらいすごいのか見当もつかん。週刊少年ジャンプは現在395万部なんて売れていないから、コミックスで読む派がそれだけいるってことだ。

 

しかしこの鬼滅の刃、俺は1ページも読んでいない。

アニメも観ていないし、当然現在公開中の映画「無限列車編」も観ていない。

したがって、全く話題についていけていない。

 

週刊少年ジャンプで連載してたのは知ってる。ドラゴンボールや北斗の拳が連載されてた頃は毎週買ってたのだが(マガジンもサンデーもね)、ここ数年はもう買っていない。

昨年秋頃に芸能人がポツポツ「鬼滅おもしれ〜」って呟き始めたので、「よっしゃ俺も読んでみるか」と本屋に行ってビックリ。

最新巻16巻は売り切れ。

それどころかそれ以前のコミックスも「一人各巻1冊まで」って購入制限までされてる。

あれ?そんなに人気あるの・・・。

今からならまだ間に合うと「大人買いダァ」なんてめっちゃ大甘だった。

書店を数軒廻ったがどこも最新巻はおろか、それ以前の単行本も店頭には3巻と8巻だけという感じだ。そしてどこも「一人各巻1冊まで」ってPOPがある。転売ヤーはここにも出没か。

頼りのamazonもダメ。入荷予定無し。以前のコミックスもセットも、マーケットプレイスでは「足音見やがって」って高額がついてるのしかない。

 

TVでアニメが終わり、そうこうしてるうちに単行本の累計発行部数が2000万部突破したとか2500万部突破とか、その後の新型コロナウイルスの感染患者数のような勢いでどんどん数字が伸びる。

クリスマス過ぎたら、まぁブームも去るかな、それからまとめ買いだなんて思ってたらそれも大甘。

17巻が発売された頃にマスコミが騒ぎ出し、18巻発売あたりではもう完全にお手上げ状態。

5月にはジャンプでの連載が終了したらしいのだが、今度は企業コラボ商品の怒涛のラッシュ。

ローソンとのタイアップから、ロッテ、森永、味覚糖、おやつカンパニーなどのお菓子メーカー、日清や丸美屋などの食品メーカー、ダイドードリンコまで。まるで以前のONE PIECEを模倣してるかのようだ。

イオン、くら寿司、JR、ユニクロ・・・。ちょっと思い出すだけでも結構出てくる。多分もっとあるだろう。

 

同じく連載終了時に「いきものがかり」とのコラボムービーが公開され、映画化やコラボグッズの発売などのPRが始まった『100日後に死ぬワニ』は、受け入れられず大炎上したのにね。

『鬼滅の刃』も『100日後に死ぬワニ』も同じようなメディアミックスを展開をしたのに、片方は大ブームになり、片方は大炎上して今や話題にもならない。

集英社と電通の違いかなぁ。ファン層の違いかなぁ。

 

そしてトドメが映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』だ。

新型コロナのせいで新作公開が延期になったり、番宣が思うようにいかない作品が多い中、公開された途端あれよあれよと言う間に記録を塗り替えていく。

『ハリーポッター』も『踊る大捜査線』もぶっちぎり、同じアニメの『もののけ姫』や『ハウルの動く城』も抜き、『君の名は』も『アナと雪の女王』も抜き去った。

262億円の『タイタニック』も抜いて2位に躍り出て、あとは歴代一位、308億円の『千と千尋の物語』だけだ。

 

実は俺、『ハリーポッター』や『踊る大捜査線』は観たのだが、『タイタニック』はDVD化されてから(つまり劇場公開からだいぶ経った頃に)観た。

だって長いんだもん。もっとまとめろよジェームス・キャメロン。あと、沈みゆく船の中で逃げ惑うローズ(ケイト・ウィンスレット)の髪の色が途中で変わってるのはなんでだ。逃げながら染めたのか?

 

宮崎駿が大嫌いだから、『もののけ姫』も『ハウルの動く城』も見ていない。

『千と千尋の物語』もTVでやってるのをなんとなく眺めてみたくらいなので、ストーリーが全然理解できていない。海の上を走る列車の意味がわからないどころか、誰が千で誰が千尋かも知らない。

「宮崎駿が嫌いだ(正確には宮崎駿のアニメ作品が嫌いだ)」と言うと「なんでぇ〜〜??」って疑問符だらけの逆質問をされるが、説明面倒くさいので「タイトルに“の”をつけるから」と答えるようにしている。

『風の谷の』『崖の上の』『魔女の』『紅の』『ハウルの』・・・“の”だらけ。『もののけ姫』なんか“のW”だ。

 

だから『鬼滅の刃』が宮崎駿の作品の興行記録を抜こうが一向に構わない。それどころかありがたい。

「えっ観てないの〜」「なんで〜?」って、まるで「タピオカ飲んだことがないってどこの原始人?」みたいなことを言われなくて済む。

 

いえいえ、勘違いしないで欲しいのだが、俺は

「流行だのトレンドだの、いちいち振り回されてもしょうがない」

なんて、自分らしさとか、ありのまま、自然体を追及するような男ではない。むしろ逆だ。

接客業,ファッション業界の端席にいるものとしては「流行がなんだ」「はやりを追いかけても仕方がない」なんて言ってられない。それどころか先にトレンドをふまえて提案する立場だからな。

夏に長袖を平気で着てる。冬も夏も黒ずくめ&革ファッションを好むのは季節感を誤魔化せるからでもある。

流行りの場所や店にも行く。イベントも見に行く。ファッションショーや新作コレクションとか発表会も呼ばれりゃホイホイ行く。

いろんなところにアンテナ張って情報収集、自分なりに分析し流行や傾向を読み取る。それくらいはする。できる。

だから、流行するもの・コケるものは大体読める自信はある。

 

だけど、鬼滅の刃は乗り遅れた。

気付くのが遅かった。まさかこんなに化物みたいなヒット作になるとは・・・読めなかった。

 

ライブハウスで頑張ってるバンドを見つけ「これ、かなりいいよ」って周りに宣伝する。そして彼女彼らがメジャーになったり売れたら嬉しい。「売れる前から知ってるんだぜ」ってのは自己満足の範疇でいい。「売れたら奴らは変わった」なんて置いてけぼりくらったようなことを言う古参ファンはちょっとみっともない。

同じようなことは新人バンド、アイドル歌手、俳優、タレント、コメディアンなどにも存在する。ジャニヲタにしろヅカファンにしろ一緒だろう。先物買いじゃないけど、売れる前の原石を見つけ応援し成長を見守る。相撲で言うタニマチね。

決して超メジャーになっても「私が育ててあげたんだ」など口に出してはいけない。

ましてやニワカを「今頃?」とか上から目線してはいけない。Welcome!「歓迎するよ、この世界へようこそ」と迎えてあげてくれ。

「まずここら辺あたりから読んで(聞いて)ご覧」とか「これを抑えとかないとファンではない」などと薀蓄や情報をつい新参者に語りたくなるが、してはいけない。すでにスタート地点が違うのだからね。

マイナーな頃から知ってるファンと、売れ始めた頃に目をつけたファン、売れてからはまったファン。沼にはまるヲタになるか、上っ面を通り過ぎるだけのニワカになるかは、人それぞれだからな。

アニメにしろ、漫画にしろ、アイドルにしろ、マニアックなネタや、コアな話題を共に語りたいならファンミーティングやオフ会でやってくれ。その方が存分に楽しめるだろう。

 

鬼滅の刃。

完全に出遅れた俺も、もう少し落ち着いたら俺も読めるだろう。

アニメも見るかもしれないし、劇場版も見るかもしれない。

その時は、どうかお手柔らかに。



post a comment