カリスマロッカー・矢沢永吉。
彼のファンは誰もが「俺はYAZAWAのファン」であることを公言し、他の誰よりもYAZAWAを愛してる。
大事なことはすべて矢沢が教えてくれたと崇拝し、矢沢の曲を聴く。そしてライブに行く。
「トラベリンバスの際にジャンパーをほうり投げるのは俺たちが始めた」と言い張る人を俺は5人以上知ってる。
そんな YAZAWAを熱愛する古参ファンの一部。
暴走する「私設応援団なる迷惑ファンの出入り禁止及びファンクラブの強制脱会の措置」を矢沢側が下した。
これは事件だ。
ライブは戦場である。
床を踏み鳴らし、拳を突き上げ、飛び跳ねる。
タバコの煙。ビールのラッパ飲み。壁の落書き。トイレは出来上がったカップルかジャンキーの溜まり場。
ライブハウスは戦場だ。参戦っていうくらいだからね。
しかしバンドが売れるにつれ箱は大きくなり、ホールや野外、フェス、そして武道館やドームへとなっていく。
そうなるとライブハウスのようにはいかない。
コンサートチケットは当日券などあるはずもなく、ファンクラブ先行予約や、大手イベント会社による販売。下手すりゃネットで高額で転売される。
手の届く距離ですぐ近くで見れるわけはなく、スクリーンに映し出される映像。馬鹿でかいPA。計算された演出。予定調和の進行。区切られたスペースでそれを楽しむだけ。
それがホールコンサート。
ライブハウスのギグとは違って当たり前。
集客数もステージ設営も値段も会場もグッズ販売も、規模が違うんだからね。
しかしその変化についていけないファンもいる。
いや、いくらメジャーになろうとも変わらないでいてくれと頑なでさえある。頭ではわかっているのだろうけど、「俺たち(私たち)が支えてきたんだぜ」とか「昔はな〜」とか思ってしまうのだろう。何のプライドか知らないが。
人気が出てからファンになった奴らと俺は(私は)違うんだと。売れない頃から俺は(私は)知ってるんだ!と。どこか上から目線でいたいのかもしれない。変なプライド。
だからコンサート/ライブでも奴らは仕切ろうとする。
この曲ではこう動き、この曲ではこうレスポンス。それはアイドルのコンサートでも一緒。こうペンライトを降り、この曲ではこの振り付けで、この曲の合間でこう声援をし、こう掛け声をかけるのだと。ファンクラブ会長とかいうオールドファンが仕切るのはもはや当たり前でもある。
今でもAKB48やももクロなどのコンサートではMIXまで仕切られてる。それを知らないなら来るなと言わんばかり。コンサートに来るならこれを覚えてから来いと。
そんなに一緒の動きがして欲しかったら、AYUみたいに曲の前に振り付け指導してくれればいいやん。
「嘆かわしい」と爺どもは言うかもしれないが、歌舞伎で「いよ!成田屋!」って掛け声も常連にならないと言えないそうだから「今の若者は」なんて言うなよ。一緒だぞ。
矢沢永吉のコンサートでもこれはある。
過去に数度行ったが、毎回熱狂的なファン(及びファンクラブ)によるライブ前のコール&レスポンスが激しい。
コンサート開演前は高揚感を押さえ、ライトが暗くなるまでじっくり静けさを楽しみたい俺にとって、このファンクラブの「YAZAWA」コールの強制は苦痛でしかないのだ。ひっきりなしにあちこちで起こる「YAZAWA」コール。正直うるさいだけだ。でも、彼らは「これこそが矢沢コンサートの開始前の儀式だ」と言わんばかりに他の客を煽り盛り上がってる。
素肌にジャケットを羽織った「YAZAWAのコスプレか?」って人や、「トラベリンバス」で「ルイジアナ〜」とともに空中に放り投げるためのブルゾン(スカジャンやボスジャン)を着た人、YAZAWAタオルを首に巻いた人などがいっぱいいるコンサート会場。それぞれ楽しみ方はいろいろだ。
でも、この仕切りだけはどうも好きになれない。
仕方なく最初は付き合ってコールしてみたりするが、いつまでやるねんってくらいしつこい。
こっちが終わったらまたあっちで始まる。うんざり・・・。
Jリーグが始まった時に神戸グリーンスタジアムでガンバVSヴェルディ戦を見に行ったのだが、ウェーブをひっきりなしにさせられるのでそれ以降行っていない。それと一緒で、これじゃぁじっくり聞きたいファンは離れてしまうよって思ってた。
今回、矢沢永吉がこれらコンサート観客を勝手にしきる、ファンクラブの会長を出入り禁止、ファンクラブを除名にしたのはかなりの決断だと思う。
矢沢のファンは昔からヤンキー・暴走族・チンピラ・半グレなどが多い。
「成り上がり」を読んで感動した不良どもが多いのも仕方がない。
純粋にメロディや音楽で好きになったのではなく、矢沢永吉という人、生き様に感動してファンになった世間でいうアウトロー的な人が多いのも事実だろう。
だからと言って自分のコンサートで喧嘩したり悪事をする奴を矢沢は嫌いだ。
曲を聴きに来てるのか騒ぎに来ているのかどっちだ。
実際、キャロル解散時の日比谷野音コンサートでも喧嘩し始めた客をステージ上から諌めてる。(映像もあり)
一部の暴走ファンのせいで、矢沢はライブお断りとか会場が使用できなくなった時期がある。このままでは日本のロックは育たないと、必死に説得を続けファンも賛同し安全で楽しめるコンサートになった。今では武道館も大阪城ホールも各地のドームも大歓迎だ。
コンサートの広告(及びチケット)には現在も、「特攻服での入場お断り」「他のお客様を威圧する服装・集団も入場お断り」という文言が入っている。ついでに言えば飲酒客も入場禁止だし、アルコール持ち込みも禁止だ。ドームでも大阪城ホールでも、売店でのビール販売はされていない。(サントリー・プレミアルモルツ協賛のコンサートでも実施されてたっ徹底ぶり)
これは「絶対昔ヤンチャしてたやろ」っていうファンも、「今はすっかりおとなしくなったよ」ってファンも、「昔から矢沢好きです」って往年のカップルファンも、はたまた「子供もついに矢沢デビューです」って家族連れファンも従ってる。全ては「一度は行ってみたいと思ってたのよ」というデビューファンや、誰もが楽しめるようにという矢沢の思いに賛同しているのだろう。
みんなが楽しんでもらうためには、いくら古参ファンだとはいえ、一部の厄介な仕切りファンは排除しなければね。
これって飲食店でも言えるよね。
カウンターに必ずいる常連客。
新規客に「この店はね」って一見親切のようだけどしゃしゃり出てくる常連客。
この常連客は自分のせいで新規客が引いてしまってることに気づいてない。マスターや店員もちょっとうんざりしてるけど、「開店当時から来てくれる常連客だからなぁ」って許してると、そのうち店が廃れていく。
そのうち「マスター、このメニュー取り入れたら?」とか「味付けはこうするべきだ」なんてまるで「オーナーかよ」ってごとく仕切ったりするからな。
だから矢沢永吉が今回、「私設応援団なる迷惑ファンの出入り禁止及びファンクラブの強制脱会の措置」を下した決断をしたのは、すごいことだと思う。
ロックの醍醐味はライブである。
スタジオで何度もトラッキングを重ねて録音されたレコード(CD)もいいのだが、ライブ用にアレンジされた曲を、パフォーマンスとともに見れて聴けるライブは最高だ。
だから矢沢もコンサートを続けてるし、ファンも毎年ライブに行くのだろう。
しかし、ちょっと前から思っているのだが、ノってもいないのに最初から総立ちっていうのはどうも好かん。
最近のコンサートは予定調和のように最初から観衆が立っている。それならオールスタンディングでいいやん。座席は何のためにあるんだ?
俺は意地でも立たないぞって強がっても無駄。立ち上がる奴らが壁で全くステージが見えないので、しぶしぶ立ち上がる羽目になる。
ロッドスチュワートのコンサートで、彼が「静かな曲(バラード)は座ってじっくり聞いて、ロックンロールは飛び跳ねてくれ」と1局目歌った後に言った。
「よく言ってくれた」と感動した。
じっくり聞かせるところは目を閉じてじっくり聴こうよ。レコードとは違った歌い方だったりアレンジされてるんだからさ。
そしてノリノリの曲やヒットナンバーでは、一緒に歌うもよし、叫ぶもよし、ポゴダンシンするもよしだ。山下久美子が「総立ち女王」と呼ばれて以降、どんなライブでも最初から立って待ち構えてる。どうもあれが苦手。矢沢のコンサートでも最初から総立ちだ。ノってからならいいが、せめてバラードは座って聴こうよ。ましてや、開演前のコール&レスポンスなんて全く不必要だろ?
その昔、グループサウンズってやつが全盛期の頃は、ライブで失神者が多発してたらしい。
60's-70'sの洋楽アーティストのライブをビデオで見ると、トップレスになるわ、失神するわ、グルーピーは群がるわ。もうメチャクチャ。
マリファナをキメながら乱痴気騒ぎ。まともにパフォーマンスなんて見ていない。ステージに乱入なんて当たり前。伝説のウッドストックでもヒッピームーブメントあってこその代物だ。
あのビートルズでさえ、初来日(1966年)の際の武道館コンサートでは1階は安全のために無観客で、2階席だけにお客は詰め込まれてたくらいだ。当時の客のマナーなんてもう無茶苦茶だったんだろう。ビートルズはライブで黄色い歓声(表現が古いな)ばかりで全然音楽を聞いちゃぁいない観客に辟易して、スタジオ録音ばかりするようになった。
このままいけば矢沢だけではなく、日本のロックミュージシャンはライブをせず、スタジオ盤ばかり作る羽目になるかもしれない。
ビートルズが公演した武道館は、今でもロッカー憧れの場所である。
ライブハウスから、野外、ホール、そしていつかは武道館。それがバンドマンの夢。球場やドームなど5万人入れる会場があっても、武道館は特別だ。
ディープパープル(1972年)、クイーン(1975年)そしてチープトリック(1978年)がライブをし、いつしか武道館伝説と呼ばれたこの会場。
RCサクセションの忌野清志郎は「こんな狭いライブハウスは初めてだぜ」と言い、BOOWYの氷室京介は「ライブハウス武道館へようこそ!」と言った。
この武道館をモチーフとした爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」は名作である。
ローリングストーンズは過去の大麻事件を持ち出されて入国拒否され、予定されてた武道館ライブは中止となった。(1973年)
傑作映画『太陽を盗んだ男』(1979年)で「原爆を作って政府を脅迫する」主演の沢田研二がした第二の要求が、この幻となった「ローリング・ストーンズ日本公演の開催」だった。(第1の要求は「プロ野球のナイターを試合の最後まで中継させろ」だった)
あの山口百恵がマイクをステージに置いた伝説のライブも武道館だ。(1980年)
矢沢永吉は1977年に日本人ソロ・ロックアーティストとして初めての武道館コンサートをしている。
日本人ソロアーティスト初は西城秀樹が1975年にしている。どちらもマイクパフォーマンスがかっこいい。
いろんな伝説や記録を打ち立て、還暦を過ぎても、まだまだ走り続けるロックンローラー。
それが矢沢永吉だ。
今回の決断でまた新たな一歩を踏み出すのだろう。
今年はコンサート/ライブに行こうかな。
ちなみに先日2020年末で活動休止宣言をした嵐が、初めて紅白出場した2009年にスペシャルゲスト(シークレット)として矢沢が初出演。
司会の中居が嵐メンバーに「初出場おめでとう」インタビューをし始めた矢先に矢沢がNHKホールの玄関に到着したので中断した。嵐ファンにとっては矢沢はそれ以来憎き相手かもしれないね。
ファンの中にはサポーターもいればタニマチもいるし、過激な親衛隊みたいな人もいる。
言えるのはファン(金を払ってる人=客)だから偉いとか、好き勝手していいとかは通用しないってこと。
店(アーティスト)側も選ぶ権利があるってことだ。
彼のファンは誰もが「俺はYAZAWAのファン」であることを公言し、他の誰よりもYAZAWAを愛してる。
大事なことはすべて矢沢が教えてくれたと崇拝し、矢沢の曲を聴く。そしてライブに行く。
「トラベリンバスの際にジャンパーをほうり投げるのは俺たちが始めた」と言い張る人を俺は5人以上知ってる。
そんな YAZAWAを熱愛する古参ファンの一部。
暴走する「私設応援団なる迷惑ファンの出入り禁止及びファンクラブの強制脱会の措置」を矢沢側が下した。
これは事件だ。
ライブは戦場である。
床を踏み鳴らし、拳を突き上げ、飛び跳ねる。
タバコの煙。ビールのラッパ飲み。壁の落書き。トイレは出来上がったカップルかジャンキーの溜まり場。
ライブハウスは戦場だ。参戦っていうくらいだからね。
しかしバンドが売れるにつれ箱は大きくなり、ホールや野外、フェス、そして武道館やドームへとなっていく。
そうなるとライブハウスのようにはいかない。
コンサートチケットは当日券などあるはずもなく、ファンクラブ先行予約や、大手イベント会社による販売。下手すりゃネットで高額で転売される。
手の届く距離ですぐ近くで見れるわけはなく、スクリーンに映し出される映像。馬鹿でかいPA。計算された演出。予定調和の進行。区切られたスペースでそれを楽しむだけ。
それがホールコンサート。
ライブハウスのギグとは違って当たり前。
集客数もステージ設営も値段も会場もグッズ販売も、規模が違うんだからね。
しかしその変化についていけないファンもいる。
いや、いくらメジャーになろうとも変わらないでいてくれと頑なでさえある。頭ではわかっているのだろうけど、「俺たち(私たち)が支えてきたんだぜ」とか「昔はな〜」とか思ってしまうのだろう。何のプライドか知らないが。
人気が出てからファンになった奴らと俺は(私は)違うんだと。売れない頃から俺は(私は)知ってるんだ!と。どこか上から目線でいたいのかもしれない。変なプライド。
だからコンサート/ライブでも奴らは仕切ろうとする。
この曲ではこう動き、この曲ではこうレスポンス。それはアイドルのコンサートでも一緒。こうペンライトを降り、この曲ではこの振り付けで、この曲の合間でこう声援をし、こう掛け声をかけるのだと。ファンクラブ会長とかいうオールドファンが仕切るのはもはや当たり前でもある。
今でもAKB48やももクロなどのコンサートではMIXまで仕切られてる。それを知らないなら来るなと言わんばかり。コンサートに来るならこれを覚えてから来いと。
そんなに一緒の動きがして欲しかったら、AYUみたいに曲の前に振り付け指導してくれればいいやん。
「嘆かわしい」と爺どもは言うかもしれないが、歌舞伎で「いよ!成田屋!」って掛け声も常連にならないと言えないそうだから「今の若者は」なんて言うなよ。一緒だぞ。
矢沢永吉のコンサートでもこれはある。
過去に数度行ったが、毎回熱狂的なファン(及びファンクラブ)によるライブ前のコール&レスポンスが激しい。
コンサート開演前は高揚感を押さえ、ライトが暗くなるまでじっくり静けさを楽しみたい俺にとって、このファンクラブの「YAZAWA」コールの強制は苦痛でしかないのだ。ひっきりなしにあちこちで起こる「YAZAWA」コール。正直うるさいだけだ。でも、彼らは「これこそが矢沢コンサートの開始前の儀式だ」と言わんばかりに他の客を煽り盛り上がってる。
素肌にジャケットを羽織った「YAZAWAのコスプレか?」って人や、「トラベリンバス」で「ルイジアナ〜」とともに空中に放り投げるためのブルゾン(スカジャンやボスジャン)を着た人、YAZAWAタオルを首に巻いた人などがいっぱいいるコンサート会場。それぞれ楽しみ方はいろいろだ。
でも、この仕切りだけはどうも好きになれない。
仕方なく最初は付き合ってコールしてみたりするが、いつまでやるねんってくらいしつこい。
こっちが終わったらまたあっちで始まる。うんざり・・・。
Jリーグが始まった時に神戸グリーンスタジアムでガンバVSヴェルディ戦を見に行ったのだが、ウェーブをひっきりなしにさせられるのでそれ以降行っていない。それと一緒で、これじゃぁじっくり聞きたいファンは離れてしまうよって思ってた。
今回、矢沢永吉がこれらコンサート観客を勝手にしきる、ファンクラブの会長を出入り禁止、ファンクラブを除名にしたのはかなりの決断だと思う。
矢沢のファンは昔からヤンキー・暴走族・チンピラ・半グレなどが多い。
「成り上がり」を読んで感動した不良どもが多いのも仕方がない。
純粋にメロディや音楽で好きになったのではなく、矢沢永吉という人、生き様に感動してファンになった世間でいうアウトロー的な人が多いのも事実だろう。
だからと言って自分のコンサートで喧嘩したり悪事をする奴を矢沢は嫌いだ。
曲を聴きに来てるのか騒ぎに来ているのかどっちだ。
実際、キャロル解散時の日比谷野音コンサートでも喧嘩し始めた客をステージ上から諌めてる。(映像もあり)
一部の暴走ファンのせいで、矢沢はライブお断りとか会場が使用できなくなった時期がある。このままでは日本のロックは育たないと、必死に説得を続けファンも賛同し安全で楽しめるコンサートになった。今では武道館も大阪城ホールも各地のドームも大歓迎だ。
コンサートの広告(及びチケット)には現在も、「特攻服での入場お断り」「他のお客様を威圧する服装・集団も入場お断り」という文言が入っている。ついでに言えば飲酒客も入場禁止だし、アルコール持ち込みも禁止だ。ドームでも大阪城ホールでも、売店でのビール販売はされていない。(サントリー・プレミアルモルツ協賛のコンサートでも実施されてたっ徹底ぶり)
これは「絶対昔ヤンチャしてたやろ」っていうファンも、「今はすっかりおとなしくなったよ」ってファンも、「昔から矢沢好きです」って往年のカップルファンも、はたまた「子供もついに矢沢デビューです」って家族連れファンも従ってる。全ては「一度は行ってみたいと思ってたのよ」というデビューファンや、誰もが楽しめるようにという矢沢の思いに賛同しているのだろう。
みんなが楽しんでもらうためには、いくら古参ファンだとはいえ、一部の厄介な仕切りファンは排除しなければね。
これって飲食店でも言えるよね。
カウンターに必ずいる常連客。
新規客に「この店はね」って一見親切のようだけどしゃしゃり出てくる常連客。
この常連客は自分のせいで新規客が引いてしまってることに気づいてない。マスターや店員もちょっとうんざりしてるけど、「開店当時から来てくれる常連客だからなぁ」って許してると、そのうち店が廃れていく。
そのうち「マスター、このメニュー取り入れたら?」とか「味付けはこうするべきだ」なんてまるで「オーナーかよ」ってごとく仕切ったりするからな。
だから矢沢永吉が今回、「私設応援団なる迷惑ファンの出入り禁止及びファンクラブの強制脱会の措置」を下した決断をしたのは、すごいことだと思う。
ロックの醍醐味はライブである。
スタジオで何度もトラッキングを重ねて録音されたレコード(CD)もいいのだが、ライブ用にアレンジされた曲を、パフォーマンスとともに見れて聴けるライブは最高だ。
だから矢沢もコンサートを続けてるし、ファンも毎年ライブに行くのだろう。
しかし、ちょっと前から思っているのだが、ノってもいないのに最初から総立ちっていうのはどうも好かん。
最近のコンサートは予定調和のように最初から観衆が立っている。それならオールスタンディングでいいやん。座席は何のためにあるんだ?
俺は意地でも立たないぞって強がっても無駄。立ち上がる奴らが壁で全くステージが見えないので、しぶしぶ立ち上がる羽目になる。
ロッドスチュワートのコンサートで、彼が「静かな曲(バラード)は座ってじっくり聞いて、ロックンロールは飛び跳ねてくれ」と1局目歌った後に言った。
「よく言ってくれた」と感動した。
じっくり聞かせるところは目を閉じてじっくり聴こうよ。レコードとは違った歌い方だったりアレンジされてるんだからさ。
そしてノリノリの曲やヒットナンバーでは、一緒に歌うもよし、叫ぶもよし、ポゴダンシンするもよしだ。山下久美子が「総立ち女王」と呼ばれて以降、どんなライブでも最初から立って待ち構えてる。どうもあれが苦手。矢沢のコンサートでも最初から総立ちだ。ノってからならいいが、せめてバラードは座って聴こうよ。ましてや、開演前のコール&レスポンスなんて全く不必要だろ?
その昔、グループサウンズってやつが全盛期の頃は、ライブで失神者が多発してたらしい。
60's-70'sの洋楽アーティストのライブをビデオで見ると、トップレスになるわ、失神するわ、グルーピーは群がるわ。もうメチャクチャ。
マリファナをキメながら乱痴気騒ぎ。まともにパフォーマンスなんて見ていない。ステージに乱入なんて当たり前。伝説のウッドストックでもヒッピームーブメントあってこその代物だ。
あのビートルズでさえ、初来日(1966年)の際の武道館コンサートでは1階は安全のために無観客で、2階席だけにお客は詰め込まれてたくらいだ。当時の客のマナーなんてもう無茶苦茶だったんだろう。ビートルズはライブで黄色い歓声(表現が古いな)ばかりで全然音楽を聞いちゃぁいない観客に辟易して、スタジオ録音ばかりするようになった。
このままいけば矢沢だけではなく、日本のロックミュージシャンはライブをせず、スタジオ盤ばかり作る羽目になるかもしれない。
ビートルズが公演した武道館は、今でもロッカー憧れの場所である。
ライブハウスから、野外、ホール、そしていつかは武道館。それがバンドマンの夢。球場やドームなど5万人入れる会場があっても、武道館は特別だ。
ディープパープル(1972年)、クイーン(1975年)そしてチープトリック(1978年)がライブをし、いつしか武道館伝説と呼ばれたこの会場。
RCサクセションの忌野清志郎は「こんな狭いライブハウスは初めてだぜ」と言い、BOOWYの氷室京介は「ライブハウス武道館へようこそ!」と言った。
この武道館をモチーフとした爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」は名作である。
ローリングストーンズは過去の大麻事件を持ち出されて入国拒否され、予定されてた武道館ライブは中止となった。(1973年)
傑作映画『太陽を盗んだ男』(1979年)で「原爆を作って政府を脅迫する」主演の沢田研二がした第二の要求が、この幻となった「ローリング・ストーンズ日本公演の開催」だった。(第1の要求は「プロ野球のナイターを試合の最後まで中継させろ」だった)
あの山口百恵がマイクをステージに置いた伝説のライブも武道館だ。(1980年)
矢沢永吉は1977年に日本人ソロ・ロックアーティストとして初めての武道館コンサートをしている。
日本人ソロアーティスト初は西城秀樹が1975年にしている。どちらもマイクパフォーマンスがかっこいい。
いろんな伝説や記録を打ち立て、還暦を過ぎても、まだまだ走り続けるロックンローラー。
それが矢沢永吉だ。
今回の決断でまた新たな一歩を踏み出すのだろう。
今年はコンサート/ライブに行こうかな。
ちなみに先日2020年末で活動休止宣言をした嵐が、初めて紅白出場した2009年にスペシャルゲスト(シークレット)として矢沢が初出演。
司会の中居が嵐メンバーに「初出場おめでとう」インタビューをし始めた矢先に矢沢がNHKホールの玄関に到着したので中断した。嵐ファンにとっては矢沢はそれ以来憎き相手かもしれないね。
ファンの中にはサポーターもいればタニマチもいるし、過激な親衛隊みたいな人もいる。
言えるのはファン(金を払ってる人=客)だから偉いとか、好き勝手していいとかは通用しないってこと。
店(アーティスト)側も選ぶ権利があるってことだ。
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