【アベノミクス第三の矢 僕ならこうするぞ!】
●里山資本主義異論
「ところで、木質バイマス(ガス化)発電装置のことはだいたいわかったが、へーリオスが参加する
ならしたらどんなことを考えているのかきかせくれないか?」と大きな声をで尋ねると、「木質バイ
オをガス化するときに発生するタールを完全除去してから、水素ガスと一酸化炭素を燃料電池で
発電し、廃熱は温水利用と熱電変換装置で電気としてとりだします。」と、へーリオスはすぐに、し
かも単刀直入にそのように答えた。そして、プロジェクターで要件を説明しはじめた。「まず、小規
模発電には、エネルギー変換効率が高い、燃料電池及びガスエンジン方式が有利ですが、両者とも木
質タールの凝着のメンテがやっかいなことが課題です。また、燃料電池の良いといっても発電効率は
60%が限界ですね。」
「例えば、上の図では、燃料3を熱分解してタール含有の揮発性ガス4とチャー5を生成する熱分解
炉1と熱分解炉1で生成したチャー5を導入してガス化を行うためのガス化炉6と、酸素9を製造す
る酸素製造装置8と、熱分解炉1で生成したタール含有の揮発性ガス4と酸素製造装置8からの酸素
9を導入して揮発性ガス4を酸素燃焼する燃焼炉7と、燃焼炉7で生成した燃焼ガス10をガス化炉
6に供給する燃焼ガス供給流路10aを備えることで、タールを含まないガス化ガスを製造する新規
考案がされています。従来は(1)ガス化装置とは別にタール改質塔が必要で、プラントの運転操作
が複雑になるだけでなく、タール改質塔に導入するガス化ガスを昇温しなければならないため、プラ
ント全体の効率が低下する問題があえいました。(2)また、タール除去のための反応容器が増える
ために、操作が煩雑になり触媒層の閉塞トラブルを抱えていました。(3)バイオマスをガス化には
ガス化剤を投入し流動化を促すしますが、このとき、大量の酸素を必要とし、また、空気ではガス改
質部からの生成ガスには大量の窒素が含まれてしまいます。」
「この新機構案では、(1)燃料を熱分解しタール含有の揮発性ガスとチャー(炭)を生成する熱分
解部と(2)熱分解部で生成したチャーを導入してガス化を行うためのガス化部と、(3)酸素を製
造する酸素製造装置と(4)熱分解部で生成したタール含有の揮発性ガスと酸素製造装置からの酸素
を導入し揮発性ガスを酸素燃焼する燃焼部と(5)この燃焼部で生成した燃焼ガスをガス化部に供給
する燃焼ガス供給流路とから構成されています。」「つぎに、従来のタールの除去方法は、タール改
質(水蒸気・触媒)、タール回収、タール燃焼、タール抑制の4つ。ところで、生成するタールは、
(1) 第一次生成物として、レボグルコサン、水酸化アセトアルデヒド、フルフラールを代表とする
セルロース誘導体、ヘミセルロースから誘導体された化合物、リグニンから誘導体されたメソキシフ
ェノールが、(2)第二次生成物として、フェノール、オレフィン類が、(3)アルキル第三次生成
物として、アセナフチレン、メチルナフタレン、トルエン、インデン、を代表とする芳香族メチルの
誘導体が、最後に(4) 縮合第三次生成物として、置換基を持たないPAHsのベンゼン、ナフタレン、
アセナフチレン、アントラセン/フェナントレン、ピレンなどが確認されていますが、これらの化合
物は、200から240ナノメートルにかけて光吸収ピークがあり、また、燃焼温度によって生成量
も変化しています。」
「そこでの"新しい技"ってないの?」とベゴニア(秋海棠)とたずねる。「水蒸気を含む空気中では
光触媒を接触させればベンゼン(80ppm)は、ほぼ百%分解可能です。光触媒が利用できる光の波長
範囲は400ナノメータ以下で、太陽光の場合、エネルギーとして約4%、蛍光灯では0.1%しか利用で
きず、400ナノメータより長波長側の光が使えれば、光触媒の効率は大幅に向上しますが、太陽光や
蛍光灯の可視光部分を利用できる触媒の合成開発がなされそれなりの成果もでてきています。従来か
ら酸化チタンの結晶に金属イオンを導入すると400ナノメータより長波長の光が使えるようになるこ
とが知られていました、金属ではなく窒素原子を導入することにより可視光での光触媒機能が発揮さ
れることが確認されていますが、一酸化炭素濃度の挙動がどうなるのかデータがないので、ここは、
一旦休止符です。」
ベゴニア(秋海棠)のアバター
「つい最近ですが、立命館大学らのグループがマイクロプラズマ励起大面積高出力深紫外発光素子
(MIPE)の開発に成功しています。光触媒としては酸化チタンなどでよいと思いますが、タールフリ
ー化プロセスとして、この大面積高出力深紫外線素子を照射し、タールを二酸化炭素あるいは一酸化
炭素、水素に変換できれば、ガスエンジンや燃料電池に導出できることになります。これをシステム
化できれば、10メガワット級から1キロワット級の発電設備と給湯設備が配置できることになりま
す。日本の人口を1億人、世帯数を5千万世帯にあまねくバイオマス発電の恩恵に与ることができる
でしょう。これは希望的観測ですが。」
「それが、オール・バイオマス・システムというわけか」とコキノダイナス(赤鬼)と感想を入れた。
「ガス原料としては一酸化炭素より水素の方がクリーンですから、究極的なシステムではありません。
できれば、水素転換できる水素藻類などを詰め込んだ"バイオマスデバイス"が開発されれば面白いの
ですが。」
「ところで、"オール・ソーラー・システム"との兼ね合いで考えるとどんなイメージを描けばよいの
?」と今度はベゴニア(秋海棠)が問いかけた。
「バイオマス発電と比べ、燃料原料の供給不安がないのですが、原則、太陽光発電は有利です。緩衝
システム、つまり、リチウム・レドックスフロー・ナトリウム硫黄といった電池、あるいは揚水ポン
プを使った水路ダム発電、ヒートポンプ利用などといった蓄電システムがいるので、比較検討はして
みる必要はあるでしょうね。もっとも、その心配のないアフリカや中東といったところではソーラー
システムの普及が早いでしょうか。変換効率25%時代に日本をトップとした技術革新の進展で、そ
れは案外はやく、しかも安全なシステム普及していくと思っています。」と、へーリオスは喋り終え
た。「原子力発電の既得権益サイドはそれを妨げるのではないかしら?」とベゴニアと心配そうに尋
ねた。へーリオスはすかさず、「スマート・グリッドの普及、30~40年廃炉作業、再生可能エネ
ルギーの拡大などを考えると、雇用不安は払拭できるのですが、それは、中央政府が保守反動しなけ
ればの話です。」と答えた。
また1つ防災グッズアイテムが増えそうだ。それは、液体の部分を加えたマスク。パッケージから引
き取ると、液体をマスクに入れることができ、その液体は煙霧と化学反応を起こし、できる限り肺に
入ることを防止し、火災などの緊急時に有毒ガスから守ってくれるという。ところでその実績は?
それにしても面白い。
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