福津市のリサイクル率の低下原因については、前回(No.62)にて集団回収量と中間処理後再生利用量(以下再生利用量と略します)が減少していることが分かりました。再生利用量は、溶融スラブがH25年度と比較してH30年度は40%も減少していることが影響していることが分かりましたが、再生利用量の低下要因は溶融スラブよりも木くず(草等も含まれています)の方が大きく、こちらの数値も主要因になっているのではないかと考えます。(参照:No.62-1グラフ2)。
福津市の木くずの再生利用量には合理性がありません。何故ならば木くずの搬入量を全て再生利用量として計算しているからです。搬入時の木くず・草等は水分が多く(含水率50~90%)堆肥化やチップ化すると約30%重量が減少するのです。福津市のリサイクル率は文字通り”水ぶくれ”の数値であると考えた方が良いと思います。ちなみに平成30年度のリサイクル率は、木くずの再生利用量を30%減らして計算すると24.4%から21.9%になります。
一般廃棄物(木くず)処分業者別集計から木くず収集団体別の推移表(次頁No.63-1)を見ると住民の直接搬入量は右肩上がりに激増しています。一方事業系とシルバー人材センターの量は激減しています。住民が自ら剪定作業等を行っていることが推定できます。しかしながら分別収集(主に自治会が分別収集会場で行っている作業)している木くずは48%の自治会が自治会未加入者の木くず等を受け入れてないため、また月1回しかない分別収集のために平成27年度をピークとして収集量は徐々に減少していることが分かります。現状のまま放置していると、分別収集の資源ごみ回収量は徐々に低下していくことは明らかです。住民が分別排出を容易にできるように、資源ごみ収集システムを変更することが要求されているのです。