福津市教育委員会が主催する新設小学校基本計画ワークショップの目的について異常さを感じました。(No.180-1を参照ください。)福津市教育委員会は、自分達の役割を本当に理解しているのかと疑問を持ちました。今回は、教育委員会の役割について考えてみたいと思います。
P.F.ドラッカー著「マネジメント(基本と原理)」(ダイヤモンド社)の公的機関成功の条件(六つの規律)をもとに、考えてみましょう。太文字は「マネジメント」からの抜粋です。
1.事業は何か、何であるべきかを定義する。目的に関わる定義を公にし、それらを徹底的に検討しなければならない。
私達は教育委員会の役割は、学童・生徒の全人的教育を実現するための環境を創ることと考えます。
2.その目的に関わる定義に従い、明確な目標を導き出す。
私達は教育委員会の目標は、教育施設及び通学路等を災害等に対して安全安心な環境を提供することと考えています。
3.活動の優先順位を決める。これは、目標を定め、成果の基準すなわち最低限必要な成果を規定し、期限を規定し、成果をあげるべく仕事をし、責任を明確にするためである。
私達は現在、教育委員会が行うべき最優先事項は、福津市内の小学校の学童・生徒の過密状態を解消することと考えています。その成果基準は35人学級を市内の全小学校が2年以内にクリアすることと考えています。そのためには、校区の柔軟な変更や、スクールバス導入も徹底的に検討すべきでしょう。
4.成果の尺度を定める。
私達は過密解消率を尺度としたい。
過密解消率(%)=(小学校の35人学級数 /小学校の 全クラス数)X100
5.それらの尺度を用いて、自らの成果についてフィードバックを行う。
6.目標に照らして成果を監査する。
福津市教育委員会は「地域のコミュニティの場」を造る必要はありません。それは教育委員会の役割ではありません。「地域のコミュニティの場」は、既に宮司コミュニティセンター、各自治会及び郷づくりの公民館等がたくさんあるではないですか。福津市教育委員会の根源的な事業の定義の異常さがワークショップ等の目的に露呈しています。これはとんでもないことです。
昨日(8月30日)福津市市議会9月定例会を傍聴いたしました。教育委員会の教育部長は、「福津市内の小学校の過密解消時期は何時か?」との質問に答えられませんでした。最優先すべき課題にたいして答えられないとは、おそまつです。
ドラッカーの公的機関成功の条件(六つの規律)は、福津市役所のすべての部・課にあてはまる規律です。福津市役所のすべての部・課は、是非とも今一度、上記の規律にあわせて見直して戴きたいと考えます。