第2回目の今回は「原崎市長と福津市教育委員会が地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下地方教育行政法と略します。)に違反している行為について」述べます。
1.監査請求人の請求内容
福津市教育委員会は、地方教育行政法第21条第1項1号の規定に基づき、小学校新設を決定し、同法第14条第9項の規定に沿って、会議終了後遅滞なく議事録を作成しなければならないが、それを実行していない。さらに原崎市長と福津市教育委員会は文書主義の原則に沿って、教育委員会から新設小学校建設の申出書を市長に提出し、市長は回答書を教育委員会宛てに、それぞれ作成しなければならない。しかし、これも実行していない。このような状態で支出される新設小学校の建設事業費は、違法な公金の支出であって認められない。(監査結果報告書 P3)
2.教育委員会の弁明とそれに対する反論
地方教育行政法第21条1号で規定されている教育機関の「設置」とは、教育機関としての役務を提供するための、物的要素と人的要素の形態的要素を整え、かつ教育行政の主体が教育機関を設けるという意思表示することであり、現段階において、教育委員会では各要素を整えておらず、教育機関を設けるという意思表示はできないことから、教育委員会の会議内容(議案)にも上程されることはなく、存在しない決定内容についても当然に、議事録を作成することは不可能である。(監査結果報告書 P8)
反論:上記の部分は何度読み返しても意味不明で理解できない。「物的要素」「人的要素」
「形態的要素」とは具体的に何を意味しているのか分からない。「各要素を整えておらず」とは福津市教育委員会は体をなしていないことなのか。また「教育機関を設ける意思表示ができない」と記載しているが、市長に対して教育長が口頭で「申入」したことから、意思表示があったと理解するのが自然ではないか。さらに「教育委員会の会議内容にも上程されることはなく」とあるが、令和3年10月と11月の教育委員会定例会議事録に「協議:新設校について」とあるではないか。何をもって「存在しない決定内容」と言うのか。もっとも「教育委員会が新設校について、何も決定しなかった為」と仮定するならば、市長の意思に沿ってない故に、議事録を作成しなかったことにしたのか?そうであれば、誰が、どういう理由で宮司地区を選定したのか?この仮定が事実ならば、申入書が不存在であることも判る。福津市の行政に対する疑惑は、深まるばかりである。
3.監査委員の判断とコメント
宮司地区の新設小学校は、未だ「設置」(地方教育行政法第21条第1号)されておらず、設置にかかる議事録の不存在は、設置に先立つ教育財産の取得なりの財務会計行為の違法・不当事由とは解されない。さらに、教育財産の取得にかかる申出(同法第28条第2項)
について、文書の作成を義務付ける規程は存在しないうえ、申出の方式が後行する教育財産の取得にかかる財務会計行為の違法・不当事由になるとは解されない。(監査結果報告書 P14)
コメント:
監査委員は、「議事録」や「申出書」の不作成を上記の理由をもって正当化している。しかし公金が不当に使用されている現実では、これは詭弁である。また、このことは、福津市情報公開条例第1条(この条例は、市の保有する情報を公開し、広く市政に関する知る権利を保障することにより、市政に対する市民の参加と監視を促進するとともに、市民生活の維持、向上を図り、もって開けれた市政を実現することを目的とする。)とした「市民の市政に関する知る権利」を侵害する行為であると考える。