2019年(令和元年)5月㈱長大に委託した福津市学校施設等整備計画策定業務の委託金額3,150万円の妥当性と委託先決定の公平性について、現在も検証しております。
今回は福津市教育委員会(以下教育委員会と略します。)より入手した㈱長大と㈱地域計画建築研究所の企画提案書を業務委託仕様書の項目別に比較しました。そして、両者の企画提案の特徴を示した上で、教育委員会が下した評価点を公表することにします。
また、行政不服審査会(福津市情報公開・個人情報保護審査会)で、教育委員会が弁明書にて「独自性のあるノウハウが、企画提案書には含まれているので開示できない」と述べて、頑なに情報公開を拒否してきました。はたしてそのようなノウハウが本当にあったのか検証していきたいと思います。
1.㈱長大の企画提案書の特徴
①30年先までの長期変動を独自推計すよるシュミレーションソフトを持っていることが特徴で、(1)学校施設再配置または新設校の基本計画の概要では「30年後」という文言が1頁に5箇所も繰り返し強調して使用されています。
②評価を数値化することにより、シュミレーションソフトを多用し、事務の最適化を図ります。
感想:シュミレーションソフトを多用することにより、現実と乖離した結果となる懸念があります。例えば30年前の学童数の数値データから独自推計シュミレーションソフトを使用して出した数値が、現在の数値と、どの程度一致することができるか、そのソフトの限界を見極めておくことが必要でしょう。
2.㈱地域計画建築研究所の企画提案書の特徴
①ステップバイステップで、計画を進めていく手法を多く取り入れています。
感想:公知で堅実な手法で分析することを提案していました。
3.教育委員会の評価
㈱長大の評価点は959点で、2位の評価点は945点で、その差は僅か14点です。審査委員の中に建築関係の専門家は1人も入っていません。これでは審査が公平に実施されたとは言い難く、1位と2位が入れ替わる可能性もあると考えます。
4.教育委員会の言うノウハウは企画提案書に、あったのか?
しいて言えば、㈱長大の”30年先までの長期変動を独自推計によるシュミレーション”ですが、ソフトの内容はブラックボックスであり、これはノウハウと言えるものでは、ありません。その他の分析手法は公知のもので、秘匿しなければならないノウハウと言えるようなものは見つかりませんでした。教育委員会は、何故企画提案書の公開を拒み続けたのか、おおいに疑問です。