福津市教育委員会への情報公開請求や、行政不服審査会の結果に基づいて入手した資料を、これから順次精査・分析していきます。福津市学校施設等整備計画策定業務委託に係る資料は①業務委託仕様書②応募要領説明書③プロポーザル審査評価表④打合せ記録簿⑤㈱長大と㈱地域計画建築研究所の企画提案書⑥㈱長大が作成した「福津市学校施設等整備計画書」です。さらに、私達が福岡県立図書館で探し出したた”九建日報”の公示記事も合わせて利用します。
今回は、福津市が公募型プロポーザル方式で行った委託業者の選定に、応募した四業者に配布した業務委託仕様書の問題点について報告いたします。
業務委託仕様書は、次の8項目に分けて詳細に指示されています。
1.学校施設の実態把握 (書類調査以外に調査・管理者ヒアリング等)
2.学校施設長寿命化の基本方針の策定 (上位計画を踏まえた本計画の位置付け等)
3.学校施設再配置の基本方針の策定 (学校規模・配置・今後のあり方等)
4.新設校の基本計画の策定(建設敷地の選定 ・学校規模 ・建設スケジュール 等)
5.学校施設整備の実施計画の策定 (改修・改築の優先順位付け・実施コスト算出等)
6.継続的運用の方針の策定 (情報基盤の整備と活用・推進体制・フォローアップ)
7.給食調理施設の基本計画の策定 (実態把握・施設整備の基本方針の策定等)
8.その他 (課題整理・検討委員会用資料及び記録作成等)
一級建築士などの専門家の助けを必要とする委託項目は、④⑦の一部において、確かに認められます。しかし残りの委託内容は、教育委員会の日常業務です。何故民間業者に委託しなければならないのでしょうか?日常業務まで民間業者に委託することは、教育委員会が地方教育行政の独立性を失うことにもなりかねません。「福津市学校施設等整備計画」作成を民間業者に委託しているので、福津市教育委員会は形だけ作って、自分が責任を持って荷負わなければならない使命を正しく理解していませんから、この整備計画書をきちんと利用することもないのです。まったく無駄な公金の支出です。
この委託仕様書を読んで、引っかかることは、③オ.30年後の学校施設の基本構想⑤イ.中期計画(今後30年間)と、30年にこだわっていることです。文科省の”学校施設の長寿命化計画策定に係る手引"や”学校施設の長寿命化計画の策定に係る解説書”には30年後等の指示はありません。どこから30年後という文言がでてきたか不明です。
誰が30年前に、現在の福間小学校、福間南小学校が過大校になり、神興小学校が
過小校になるなんて予想できたでしょうか?7年後以降の未来の学童は、現在生まれてもおりませんし、20歳~40歳の人口動態を観ても、学童数を把握するのは困難です。あまりに不確かな30年後の小学校別の学童数を予想することに意味があるのか、甚だ疑問です。