福津市議会議長は、原崎市長と教育長職務代理者から2023年(令和5年)12月21日付けで『請願に係る処理の経過並びに結果報告について』と題する文書を受取りました。その文書内容の要点は、「住民から求められた造成工事による手光今川水系の洪水浸水想定区域への影響を明かすため、同浸水想定区域のシュミレーションと同様の手法により、造成工事後のシュミレーションを行います。また、その後、上記シュミレーションの結果をもって、対象(地域の)自治会に対し説明することとしています。」と言うものです。請願内容とは全く別ものでした。
ちなみに請願内容(No.197-1を参照ください。)は次のとおりでした。
1.専門家による宮司地区の小学校予定地及び周辺地域の安全性について評価を実施すること。
2.評価に沿って、科学的根拠を示す住民説明会の早期開催と地域住民との合意形成を図り進めること。
上記文書内容のシュミレーションは、何時の時点のデータを使用するのか、パラメータの数の最適化を誰が判断するかによって、結果は大きく異なる手法です。とても科学的根拠と言えるものではありません。この為、請願や10月21日の地域住民説明会で住民が求めていた小学校予定地及びその周辺地域の安全性は不明のままです。したがって、科学的根拠を示す住民説明会の開催もできませんし、地域住民との合意形成などできるはずがありません。
原崎市長と教育委員会が、何故これほど小学校候補地(宮司2~3区)に執着するのか不思議です。また、請願内容を無視して実施したくない理由は以下の事実にあると想定しています。
(1)小学校予定地(宮司2~3区)が、いろいろな自然災害の危険区域内に位置しているので、安全性を証明することが困難。
①福岡県が令和4年5月に指定した手光今川水系の洪水浸水想定地域内にあること。
②高潮洪水浸水想定地域内にあること。
③ため池の崩壊による浸水想定地域内にあること。
④西山断層による大地震がもたらす短時間で4m程度の津波到達が予想される地域。
(2)砂地で、低地の軟弱地質であることによって、建造物の安全性を保障することが困難。
(3)令和5年3月の広報ふくつで、宮司地区の小学校新設建築費を45億円と告知していながら、
同年12月の市議定例会において既に72億円に増額したこと。
(4)宮司地区の新設校の児童数が、令和10年の840名から僅か15年後の令和25年には290名に激減すること。
原崎市長・教育委員会及び市議会は、「令和6年能登半島地震と津波の被害状況」や東大地震研究所が文科省に提出した「日本海側の地震・津波に関する報告書」の内容(注1)等を参考にして、小学校の新設地を文科省の小学校施設整備指針に沿って変更する必要があると考えます。特に原崎市長、教育委員会は児童・生徒の安全性確保の責任が令和元年10月11日の石巻市立大川小学校の津波控訴審判決によって、大きく拡大したことを理解すべきです。
注1:(令和6年1月7日付け日本経済新聞より)
公共施設の建設移転の際は、自然災害を考慮した安全な土地利用を進めていく必要がある。