4月4日に朝日新聞デジタルに『天皇代替わり儀礼「在るべき姿から逸脱」日歴協が疑義』という短い記事が出た。
この記事が、ヤフーやマイクロソフトなどのニュースサイトを経て、そのまま、ネット上に拡散した。どんな声明なのか私は興味をもち、すぐに探したが、見つからなかった。
ところが、その声明が、きのう(4月10日)になって、日歴協(日本歴史学協会)のウェブサイトに載った。
多分、天皇代替わり儀礼についてのシンポジウムを4月10日に日歴協が行ってから、声明を公表する予定だったのだろう。朝日新聞が先走ったのだろう。
声明は個人の著作と異なり、結論が主となるので、面白みがちょっと落ちる。それより、声明文がネット上にないのに、短い記事だけの情報で、賛否のツィッターがネットをにぎやかしたほうがが、興味深い。
賛否相半ばするが、声明に反対のツィッターを紹介しよう。
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「だまらっしゃい。てか、歴史学協会が歴史わかってないじゃん。左翼じゃん。」
「朝日新聞や日本歴史協会や歴史学研究会などは 大学やジャーナリズム教育界に巣食っている 共産主義者かそのシンパで日本文化を破壊して国家と国民を困らせる人々。」
「カッコつけても、天皇制反対の人としてしか映らない!天皇陛下の存在により、日本の多くの人たちの心が和らぎ救われている。宗教でもなんでもない!世界に一つしかない日本の平和の象徴である! 」
「これはどうなんだろうね。伝統的行事と考えれば続けるのもありかな?秋篠宮家の改築費用などに比べれば遙かに意味はあるのかも?」
「案の定、(革命、改革の)アベちゃんのやり方に保守からダメが入りました!」
「サヨクさんはケチをつけるばっかり、と国民に認識され、どんどん嫌われるな。」
「日本歴史協議会は学術団体である日本歴史学会とは似て非なる左翼の団体。朝日の報道は紛らわしい。」
「『日本歴史学協会』が御代替りにイチャモン💢 歴史家なら皇室の大事さが分かるだろうに!」
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これを読むと、儀礼賛成派には、天皇代替わり儀礼はどうあるべきか、が、どうでもよく、日本国を守るために努力している政府にさからうことが、けしからと言っているだけのようである。
天皇代替わり儀礼に疑義をはさむことは、社会に非合理なものを導入し、国民の思考停止をうながす勢力への、正当な反撃である。
声明で言うように、現在の日本国憲法の規定する天皇は、「主権の存する日本国民の総意に基」づく「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」である。一部の関係者だけが見守る中で、「三種の神器」を受け渡すのが、退位の儀礼なら、皇室の家長権の受け渡し、私的な行事にすぎない。
現在の日本は「家長」なんてものを必要としない。
記憶に残る「退位の儀」「即位の儀」は、お金をかけなくてもできる。
テレビカメラが見守る中で、背広姿の今上天皇明仁(あきひと)と皇太子徳仁(なるひと)が握手し、明仁が「象徴天皇の役をこれからお願いします」と言えば良いのでないか。徳仁が感動的なねぎらいの言葉を返せば、もっと良いであろう。
皇太子徳仁は「即位の儀」で、日本国憲法を引いて、テレビカメラに向かって、象徴天皇の誓いを述べれば良い。
新しい天皇を祝いたければ、皇居のまわりをみんなでパレードすればよい。それに加えて、皇居の中を解放し、だれでも参加できる、盆踊り大会とかゲーム大会とかカラオケ大会を行えばよい。
明治時代に作られた怪しげな秘儀、「天皇家が長らく続くように」の儀式なんかに、国民がお金を払う必要がない。1947年にそれらを破棄したはずである。
ハッキリ言えば、天皇家は、暴力で政権を握った明治政府の輩が、国民をだます道具にすぎない。
生物学的に考えれば、天皇の血を特別視する理由はどこにもない。人間が平等である理念に天皇制は反する。
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