ばーばの独り言

愛する娘へ。孫と過ごす喜びと身辺の出来事

☆ 日本の歌「故郷」スイスにて

2006-12-27 03:03:31 | 歌、コンサート、舞台
これは2002年外国旅行した時の思い出です。
6月3日(日韓ワールドカップの最中)、成田から出国して
機上の人となりました。
私の初めてのヨーロッパへの旅です。(その後行ってませんが)
「ドイツロマンチック街道とスイスアルプス・パリ10日間」
という添乗員付きの総勢30名位の団体旅行でした。
4割は新婚旅行、2割は女性同士や家族旅行、後の4割は私達のような
熟年夫婦といったところでしょうか。

12時間の飛行から開放されて着いたのはドイツのフランクフルト。
そこに一泊してリューデスハイムからライン川クルーズなど
ドイツ観光をしてスイスに入り、ユングフラウヨッホ、
インターラーケンを経てレマン湖に美しい姿を映す
シヨン城に入った時のことです。

日本を出てから5日が経ち6月8日になっていました。

バイロンの詩「シヨンの囚人」で知られる「シヨン城」。

13世紀頃に要塞や、中世の王侯貴族の住居として使われていたようですが、
14世紀には貯蔵室として使われていた場所が牢獄として使われ
ジュネーブ独立側に加担した為囚われの身となった小修道院長
ボニヴァールは、ここの入り口から5番目の柱に、4年間も鎖で
繋がれていたそうです。 床も柱も天井もとびらも殺風景な石造り!
窓も無い、そんな場所の柱に4年も・・・

その後スイス人によって解放されましたが、数世紀を経た後に
ここを訪れた英国の詩人バイロンの試作にうたわれ、その名は
不滅になったそうです。(この3行はシヨン城の案内書から抜書きです)
バイロンも3番目の石の柱に名を刻み付けています。

石で造られた内部は暗く湿っぽく、重苦しい過去の面影が色濃く残っていて
私にとっては、今もボニヴァールが囚われていた「牢獄」その物の
陰惨な印象がありました。


シヨン城を案内してくれたのは現地在住の日本人ガイドでしたが、
説明が上手で30人ほどの私達のグループはそんな歴史にも
拘らずノリノリでした。

最後に近い部屋、地下礼拝堂にたどり着いた時に、
「この部屋でヨーロッパ人は賛美歌を歌うのですが、
その代わりに日本人は(故郷)を歌いましょう。」

なんだ、童謡を歌うのか、と高をくくっていたのに


うさぎ追いしかの山 

小鮒釣りしかの川

夢は今もめぐりて

忘れがたき故郷


いかにいます父母

つつがなきや ともがき

雨に風につけても

思い出ずる 故郷


こころざしをはたして

いつの日にか帰らん

山は青き故郷

水は清き故郷


歌っている内に日本の故郷の緑美しい山や森、小川の澄み切った流れ、
陽の光に照らされキラリと泳ぐ小魚や小動物などが目に浮かび

父や母、置いてきた我が子達を思い、目頭が熱くなり、涙ぽろぽろ、
胸を詰まらせながらの30名全員での斉唱になりました。

みんな異国から故郷を思い焦がれ、精一杯歌っていました。
日本はやっぱりかけがえの無い美しい国なのだと、心の底から理解しました。
 
たった5日間日本を離れただけなのに・・・
外国で、それもシヨン城のような重い過去を持つ場所で歌う
「故郷」は真に日本人の賛美歌でした。

外国から日本を恋うる、という体験は初めてでした。
息苦しい城を出ると、薄暗い空から冷たい雨が降りはじめておりました。
その時の感動が忘れられなくて、彼の場所を訪れたいと願うのです。




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4 コメント

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春提さんへ (kk)
2006-12-27 22:27:07
新婚旅行でフィジーに行かれたのですね!!
南の島も憧れています。
船の上で現地のガイドさんの「スキヤキ」に合わせて歌う「上を向いて歩こう」も感動的だったでしょうね!
やはり異国で歌う日本の歌は特別な思いがあります。
以前は「上を向いて歩こう」は良い歌だと思わなかったのですが、
チャンスがあって再び聴いた時に、改めて良い歌だと
思いました。
今はどうぞ、お子さんたちと元気に近場を飛び回っていて下さい。
いつかユックリ出来る日が来ますって!

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さらささんへ (kk)
2006-12-27 22:03:50
「聖歌」の話題から思い出しましたよ!!
「故郷」の歌で自分たちもこんなに感動するとは
思いませんでしたけれど、とても心洗われたひと時でした。
よくよく故郷の歌詞を読めば、愛する人たちの住む
大地への懐かしさ、愛しさが込み上げてきます。
私も次世代のためにも「美しい日本」を大切にしたいと願います。
この歌は日本の賛美歌であり、国歌のような感じでもありますね。
今でもジーン!と来ます。

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ステキな思い出♪ (春堤)
2006-12-27 16:51:07
日本の歌・・・ 私もひとつ思い出がありました。
新婚旅行で フィジー本島からマナ島へ向かう船の上で
現地のガイドさんが 「スキヤキ」を ギターで歌ってくれました。
英語でしたけど・・・
それにあわせて 私達日本の旅行客は もちろん 「上を向いて歩こう」を歌っていました。

古城めぐり・・・いつか 行ってみたいです。
南の島以外 海外に 行ったことがありません。
いつも 近場を ぐーるぐる♪
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「ふるさと」 (さらさ)
2006-12-27 12:35:37
「故郷」にはこのような思い出があったのですね。
読んでいて、自然と涙がこぼれました。

「故郷」の歌詞は心にしみます。
父を母を思い、友を懐かしみ
ふるさとの美しい自然をいつまで目の奥に焼き付けて
忘れることのない「故郷」

あらためて、この歌の良さを実感しました。

いつまでも「美しい日本」を次代に残さなくては
と、思いました。


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