ばーばの独り言

愛する娘へ。孫と過ごす喜びと身辺の出来事

☆ 朗読を習う

2008-06-04 04:50:24 | 朗読教室など、習い事
久し振りに朗読の話題で、胸の内を吐き出します。

5月13日の日に、骨折してから初めて、渋谷行きの電車に乗った。
2本の松葉杖から、やっと1本の松葉杖に変った時期。
家の最寄の駅から、下北沢で乗り換えて井の頭線の渋谷駅まで、
それこそ「駅」から「駅」だと、最短35分しか掛からない。
その渋谷駅からは、教室まで徒歩3分といった便利さだ。

ギリギリまでキャンセルしようかと悩んでいたが、
自分の精神状態と足の治り具合とを量りに掛けると
出席した方が良い、という結論を出して、出かける事にした。

出かけた教室には、初めての先生と仲間が待っていた。
課題は宮沢賢治の「なめとこ山の熊」である。

基礎、実力、上級コースでは教わるメンバーはずっと一緒だったが
それを終了した後は、私たちは「サロン生」ということになり、
課題別で、たくさんの講師と教室が待っている。
そしてそこには沢山の先輩が出席している。

その中でどの講師のどの教室を選ぶか?
宮沢賢治の「なめとこ山の熊」 と
藤沢周平の「小川の辺」もある。
 
藤沢周平などは垂涎の課題なのだが、それは新橋の教室で行われ
時間も夜6時半からという主婦にとって難しい時間帯でもある。

私の朗読の原点は孫への読み聞かせから始まったのだから
初心に帰ろうと、今回は「なめとこ山の熊」を選んだ。
なめとこ山に棲んでいる熊達と、熊撃ちの猟師との話である。

5月13日から、4回目。
1回目から3回目まで、新しく習う講師に対しても勝手が分からず、
頭から雷が落ちてくるような、ガミガミした言い方に(ごめんなさい)
かなりな苦手意識も持ってしまって、選択を間違えたかと悩んだ。

でも月謝を払った身としては、元を取らねば帰れない貪欲さも有ったし
講師に対しても「この人には、何かが有る筈だ」とも思った。
その、未だ私の感じ取れていない「何か」とは何だろう?

そしてやっと今日、それが分かった。
ICレコーダーで講座の2時間を毎回録音している。
家に帰ってイヤホンをつけてゆっくり聴きなおす。

講師は初日から、読むことの基本中の基本である「喉を開いて」、
を連呼していた。
どんな先輩にも、私などの新人サロン生にも、しつこく
「喉を開放して声を出せ!」と雷を落とすように繰り返された。

ところが、こちらは緊張も有るし、ちゃんと発音しようとするあまり
首に力が入り、喉が絞まり、無意識に絞り出すような声になっている。
すると又、雷が落ち、ガミガミと叱られる(ような感じがする!)。
で、さんざん叱られた後、やっと求められている声が出せる。

講師が求めている「声」とは、喉を開放した時に出せる自然な声。

3回目あたりから、だんだんその状況に慣れてきてはいたが。

そして今回も散々叱られた後に、やっとOKを貰った。
もちろん、私だけではない。 
新人も先輩も、みんな同じなのだけれど。

「あなたは肩が上がっているよ。 読むたびに上がっている!」
「そら、それは読んでいる。読んでいるだけだよ!」
「前屈みになっている。そうするとワンパターンになってきてしまう!」

講師の指示に誘導されて、前の席にいる人に向って語るように読む。
そしてその次に講師は
「前の席に座っている5人に向って話すように」と言われた。
するとその5人の先輩たちは、ニッコリ笑って、積極的に私の語りを
受け入れる態勢をとってくれた。
その笑顔がとてもフレンドリーだったので、
「・・・・・なめとこ山あたりの熊は、小十郎をすきなのだ。」
と、私も友達に話しかけるように楽しい声を出せた。 
講師のOKが出た。


家に帰って受講中のICレコーダーから流れてくる自分の声を聴いた。
最初は柔らかく語りかけているつもりでも、やはり硬い声を出している。
講師に注意されて3回目、やっと自然な声で読み語りしている!

効果有り!

4回目か5回目、どんどん自然な声を出している!

そしてこの日の私への講師評・・・
「技術的に まだ 色んなことをやらなければならないけれど、
 あまり癖のない声だから、聞こえて来る。」


私にとって、とても嬉しかったのは、「癖のない声」と
「聞こえて来る」と言う言葉。

私は癖のある自分の声が大嫌いだった。
その「癖のある自分の声」の正体とは・・・!
緊張して喉を締めたあと、無理に絞り出す自分の声だったのだ。

そして「技術的に まだ 色んなことをやらなければならないけれど」の言葉。
それって、もしかして、技術的に色んなことをやれば良くなるって言うこと?


こんな無理のない、自然な声を出せるようになるのなら、
この先生に付いたことは「大正解」だったと、
今更ながら胸を撫で下ろした。

「聞こえて来る」というのは少し自信は有った。
何故なら、この課題「なめとこ山の熊」は、孫に読み聞かす
一連の物語と同一線上に有るものと認識しているから。
私の基本は孫の耳に素直に入り、孫の心に(脳に?)その映像が写るように、
と一生懸命、言葉を起こして生きた言葉で読んでいるつもりなのだ。

宮沢賢治の作品は、とても解釈が難しいとも聴くが、
私たちはその作品から感じることを、なんとか自分なりに
素直に言葉に表せれば良いと思う・・・ 



な~んて所までまだ進化していないのです(笑)

あ、それから今のところ、自然な声が1回や2回、やっと出せただけです。
次は又、4~5回叱られてから、やっと2回くらい自然な声が出せれば
御の字です。
それくらい、朗読で自然な声を出すと言うことは難しいことのようです。
自在に出せるようになると、それはプロの域ではないかと思いますが
少しでも多く、自然の声が出せるように
それはやはり訓練しかないのかな~?

「人の何倍もアホになって、喉を開いて。」と教えてくれる先生。
やっぱりこの方は、評判通りの名講師のようです。
今まで、「ガミガミ」と怒られていた印象が、この頃は
「口が酸っぱくなるほど」言い聞かされている、に変って来ました。
人の印象って、自分の状況によっても変ってゆくものですね!















最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (オールドレディー)
2008-06-04 09:11:06
活動開始ですか、よかったですね。

もう梅雨に入ったでしょうか。雨に濡れたアジサイがきれいです。

雨の歩道は滑りますからお気をつけて。





返信する
オールドレディーさんへ (ばーば)
2008-06-04 17:22:18
何かやっていられるのは、嬉しいことですね。
まだまだ足元不安は消えませんが、自力で歩けるのは
有り難いです。

昨年よりずっと早い入梅宣言のようです。
覚悟をして、雨に濡れて瑞々しく咲く草花たちを
積極的に楽しもうと思っています。
返信する
Unknown (うらら)
2008-06-07 22:36:49
気分を切り替えたら後は進むしかないですね
でも一歩進むにも中々気合いが要りますね
ましてや、ばーばサンの取り組んでおられるものは趣味を少し超えたもののように思えます。
それだけにプレッシャーも有るだろうし達成感もあると云うものですよね、同じ頑張るなら自分に納得できるまでファイトですよね、
最近私も一寸した事を仕切りました^^
男性も居られましたが、大きな声で自然に話しかけたり協力をお願いしたり。その時人の視線を浴びて話す事も又楽しいものだとも感じました、
勿論笑顔は忘れずに…私ってヤッパリ目立ちたがりかと
少し気にもなりましたが、モゥいいんです、何思われても^^
返信する
うららさんへ (ばーば)
2008-06-09 02:13:56
私もご多分に漏れず、目立ちたがりかも!
目立ちたくないところでも、そういう時に限って悪目立ちしてしまい、恐れ戦いています。
そう言いながらも、けっこう喜んでいる自分を自覚しています(笑)
朗読は、生甲斐になっています。
私のボケ予防にはかなり効果アリのような気がします。
バシバシ叱られながらも、立ち向かってゆくなんて
ちょっとマゾが入っているかも、で~す!
うららさんの仕切りも是非見てみたいですね!
返信する

コメントを投稿