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「元県民局長のPC公開」NHK党・立花孝志氏に透ける本心「バカな人たちをどう上手く利用するか」
2024年12月08日
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社会・事件
いつまで続くのか、まだまだ終息しそうもない『斎藤元彦問題』。兵庫県知事選挙は『SNS選挙』と呼ばれただけあって、終わった後もネットを中心にお祭り状態になっている。
そして斉藤氏の援護射撃を続ける『NHKから国民を守る党』党首の立花孝志氏が、11月29日、自身のSNSで、ついに自殺した元県民局長のものと主張する公用パソコンに保存されていたデータを公開した。
自身も『兵庫県知事選挙』に立候補した立花氏は、政見放送や選挙演説で
《(亡くなった)元県民局長は10年で10人と不倫していた。不同意性交の疑いもある》
《自殺した理由はパワハラではなく不倫をバラされるのが怖くて自殺したと考えるのが妥当》
と声高々に叫び、その証拠は元県民局長が使用していた公用パソコンに残っている、と主張していた。
生々しい描写がある文章も
立花氏の“アンチ”が指摘するような“捏造データ”ではないだろうが、「捏造だ」と騒がれるものだから、立花氏は元県民局長の不倫相手と指摘するT子さんの名前が付いたファイルの中身を公開した。確かにそこにはワードで書かれた文章があったのだ。“文章”なのだ。確かに生々しい描写がある文章だが、なにか“官能小説”のように見えてしまったのは私だけではないだろう。
また、立花氏は選挙ポスターに
《公用パソコンにはおびただしい数の不倫の証拠写真が保存されており》
と書き連ねていたが、それらしき写真は公開していない。公開されたのはファイルの1つ『T子写真館』の中身のT子さんと思われる女性の証明写真だけ。“親密な”メールのやり取りも公開されていない。
果たして、これだけで不倫の“証拠”と言えるのだろうか。
週刊誌などの『オールドメディア』が芸能人の不倫交際を報じるとき、《二人でマンションに入っていった》とか《ホテルで朝まで一緒にいた》などと、具体的な証拠を示し、交際が窺えるラインやメールの記録を取得し場合によっては公開もする。そして最終的に当事者を取材し確実にウラを取ることが必須だ。
しかし立花氏はそのどれもしていない。確実にウラが取れているとは言えないだろう。元県民局長とT子さんが本当に不倫関係であったかどうかは疑わしい。
そして立花氏はまたまた“嘘”をついていたことが明かになった。
反社会的カルト集団
氏が強調していた
「10年で10人(と不倫)。不同意性交の可能性もある」
は、
「10年で7人。不同意性交はなかった」
に訂正された。さらに、T子さん以外の6人については
《情報が取れていない》
と言っている。おやおや、だ。
高橋洋一氏や須田晋一郎氏も「10年で10人」、「10年で7人」と騒いでいたが、彼らもウラも取っておらず、呆れるばかりだ。
そして『パソコンの中身騒動』に隠れてしまったが、11月27日にある裁判の判決が下されていた。
NHK党が、『選挙ウォッチャー・ちだい』こと石渡智大氏にXで
《反社会的カルト集団》
《サリンをまかないオウムみたいなもん》
などと投稿されたことで、名誉を傷つけられたとして氏に160万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、
《投稿内容が論評の域を逸脱したとは言えない》
として、同団体の請求を棄却した。
判決文の一部を抜粋すると、
《原告代表者及びその支持者らについては、平成25年以降現在に至るまで、複数回にわたって、犯罪行為又は不法行為と評価される行為をしていた事実が認められる》
と断じたうえで、
《原告代表者において、法律を遵守しない意思を明確に表明して、テロや民族虐殺をする可能性すら口にし、不法行為や迷惑行為を一般市民にサービスとして提供したり促したりしていたとの事実を前提にしたものと認められ》
と“反社会的カルト集団”であると断罪したのだ。
オウム真理教をベンチマークに
それでも“立花シンパ”の中には、裁判所が
「NHK党を反社会的カルト集団と認定したわけではない」
と主張する人々もいるが、立花氏の過去の発言を振り返ってみると、‘22年4月29日『ニコニコ超会議2022』において『NHK党の歌と踊り』を初披露した際に、当時N党幹事長の黒川敦彦氏と現N党代表の斎藤健一郎氏が壇上で確かに
「オウム真理教をベンチマ-クにした」
と。そして
「オウム真理教を感じてもらえただけで大当たり」
と語っている。さらに立花氏自身が
「名前を尊師に変えよう」
「只今ご紹介にあずかりました。尊師です。いいね」
と話している。
また、‘20年5月17日に配信された『ニコニコ動画』では、立花氏は『オウム真理教』のスポークスマンだった上祐史浩氏と一緒にイベントを開催している。そこでは、
「麻原彰晃さんのことについて、皆さん、客観的に聞いているんだと思うんですけど、めちゃくちゃ主観的に聞こえるんですよ。めちゃくちゃ僕は、いつ麻原彰晃さんになりかねない立場なわけですよ」
N党が『オウム真理教』を指標にしていたことは紛れもない事実だろう。さらに立花氏は‘22年6月5に投稿された『ゆやまチャンネル』というYouTubeサイトでこう語っている。
「真実を伝えるのは無理だからあきらめた」
と話したうえで
「バカな人たちをどう上手く利用するか」
「犬とか猫と一緒。バカに(票)を入れてもらう方法を考えるのが本当に賢い人」
「この人達に票をもらわないといけない。それが結局このバカな人たちを救うことになる」
と言い切っていた。
「真実はSNSにある」
と叫んでいる人たちは、まさかこれが「嘘だ!」とは言わないだろうが、斎藤元彦氏に1票を入れた兵庫県民と立花シンパはどう思うのだろうか……。
文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)
PHOTO:Pasya/アフロ
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