『逃亡者スチール・イン・ザ・ダーク』
MAR ROJO(2005年スペイン)
監督 エンリケ・アルベリッチ
脚本 ホアン・M・エルナンデス・ガスコン
出演 マリベル・ヴェルドゥ
アレックス・ブレンデムール
オラジャ・エスクスバノ
■ストーリー■
ストリッパーのジュリアは、仕事帰りに運転中、後の席から銃を突きつけられる。ドアの鍵を閉めないためにジュリアの車に男が乗っていたのだ。その男は、白昼起きた百貨店の強盗犯だったのだ。警備員に銃撃された強盗犯は瀕死の重傷でジュリアに銃を突きつけたもののすぐに倒れこんで死んでしまうのだった。
ジュリアは、男のそばにあった大金の入ったバッグを見つけると、死体を捨て大金を奪うのだった。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
『パンズ・ラビリンス』(2006年)のマリエル・ヴェルドゥ主演のスリラー映画。
どうやらスペインのTVムービーのようです。
ランニングタイム96分というエンターテイメント作品としてちょうど良い長さの作品ですけど、全然退屈しません!
TVムービーでも丁寧に作ってあるので、すごく楽しめる作品になってます!
裸あり(ちょこっとだけ)、銃撃戦あり、殺しありと日本の2時間サスペンも見習って欲しいほど!!
スペインのTV、恐るべし!!
まぁ、TV作品だけあって、あるていど「ユルユル感」漂う作品なんですけど、TV作品でこれだけの作品が観れれば十分でしょう!
現在の日本の2時間サスペンスで、ソフト化してまで観たいと思う作品なんて無いんでしょうからね。
1980年代の「土曜ワイド劇場」とか「火曜サスペンス」とかだとソフト化してでも観たい作品がいくつもあるでしょうけど!実際、天知茂の「江戸川乱歩」シリーズとかはソフト化されてますもんね。
「火曜サスペンス」で放映された「殺したくないのに 私の中には危険な殺人者がひそんでいた!! 」(1982年)とかって、ソフト化されないですかね??バリ・ウッド原作のモダンホラー「殺したくないのに」の映像化作品です。出演は中村敦夫、大原麗子、監督は恩地日出夫、脚本は永原秀一です。80年代は、映像化する作品の原作を選定する段階でもかなりエンターテイメント作品に対して前向きでしたよね。
話題を、今作『逃亡者 スチール・イン・ザ・ダーク』に戻すと、こういう犯罪物のクライムドラマとしては、テーマ的には良くあるストーリーの作品です。
偶然、事件に関わった大金を手に入れたシングルマザーが、それによって事件に巻き込まれるってストーリーは、定番のストーリーです!
普通は強盗の生き残りに追われるっていうパターンが多いですけど、今作では、ヒロインを追い詰めていくのは、保険会社に雇われた男です。でも、その男が、強盗のように凶悪です。とにかく無関係(ベビーシッターは無関係とはいえないですけど)の人間を殺しまくりです!!発覚したら罪重いでしょう!!
殺しまくりといえば、リストラされそうな保険会社の男も、平気で殺人を犯すし、出てくる人間がおかしすぎ!!リストラと殺人犯なら、リストラの方が良いと思うんですけど、どうなんでしょう??
あと、ヒロインの設定なんですけど、ストリッパーに娼婦(多分)っていうところがスゴイですよね。直接的なシーンは無いものの、日本では、そういう設定自体、今の日本ではOUTでしょう!!スペインのTVドラマって健全ですよね。
日本のドラマって、健全そうな設定の人たちばっかり出てきて、逆にさめちゃいます。
それぞれのシーンとかは、迫力の無い百貨店の強盗シーンとか「ご愛嬌」としても、丁寧に作ってあるので面白く観れます。
ヒロインのジュリアとダイナーのオーナーのルイスとの関係とかも安心して見ていれます。観てる人の想像とおりの展開になっていきます。でも、保険会社に雇われた男と保険会社の男がやりすぎ!簡単に人を殺しすぎです!!
劇場映画だって、もっと考えて人を殺すだろうに、ヒロインをおびき出すためだけに友人を殺すなんてやりすぎでしょ!!情報提供者のベビーシッターとかも簡単に殺しちゃうし、スペインのTVって過激なんですね。そういうところがサスペンス作品として面白いんですけどね。
劇場未公開作品で、これくらいの水準の作品が観れたら、「大満足」です。何回も観るかと聞かれたら、ちょっと返事に困っちゃいますけど、1度観るだけなら十分楽しめるはず!
サスペンス映画好きなら1度は観てみてもいいかも。 60点
MAR ROJO トランスワールドアソシエイツ このアイテムの詳細を見る |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます