現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

暮露と薦は別

2016-04-12 08:58:35 | 虚無僧って?

江戸時代初期には、「暮露(ぼろ)と薦(こも)は同じ」という
説が定着していたが、両者は、もともとは別ものだったようだ。

「暮露」については、鎌倉時代の末に書かれた『徒然草』に
「ぼろぼろ」として登場してくる。この「ぼろ」は尺八を
吹かない。河原で九品念仏を唱える集団だ。

そして1500年頃、土佐光信によって書かれた『七十一番職人
歌合』には「暮露が馬聖と同じ」として書かれ、尺八は持って
いない。一方ほぼ同時期、同じく土佐光信が書いたとされる
『三十二番職人歌合』には「薦僧」が「尺八吹く他には別の
業なき者」と書かれている。
つまり「暮露」と「薦僧」が別職種として描かれているのだ。

では「暮露(ぼろ)」とは何ぞ。『徒然草』には「ぼろんじ、
梵字、漢字などと言ひけるものその初め」とある。

「梵字」がヒントとなって、「真言密教の“一字金輪の呪”
のうまくさんまんだぼたなんぼろん」を唱える集団では
なかったか」という説が浮上してきた。

「ぼたなんぼろん、ぼたなんぼろん」と108回、繰り返す
のみなので、「ぼろん字」と呼ばれたのではないだろうかという。



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