短歌
東部ブロック 木曽 英子
ー島ー (テーマ)
○ 島と島よび合ふごとく瀬戸内の夕べのあかり小さくまたたく
○ 昭和史の地図に消されし大久野島毒ガス工場の跡のおぼろに
○ 毒ガスの残れる害をはからんと野うさぎ放つ荒れたる島に
広島ブロック 高野 和子
○ 今しがた檄をとばしし部課長が社員食堂の先頭に立つ
○ トラックに黒牛三頭揺られゆく百万都市の十字路切りて
○ 細字用の筆ペン舐めてさて母は魁皇勝ちと大き丸する
呉ブロック 吉本 良典
○ 壇上の静けき庭に聳え立つ朱の大塔のあまりに華麗
○ 清澄の巨木の中の奥の院恙なき人生静かに合唱
○ そのむかし哀しき定めの女人堂昼なお暗く守人ひとり
呉ブロック 中野 坦子(家族)
○ 何ほどの仕事も済まぬに秋の陽ははや傾きて部屋翳りくる
○ 車椅子の夫に笑顔をむけて避けくるる人に思わず会釈をかえす
○ あたヽかき朝なり地球温暖化憂いつヽ老いゆく身にはやさしき
川柳 広島ブロック 原 規矩男
○ 復党で 哀れ一期か チルドレン
○ 晴れ間なし 六か国協議で また曇る
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