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銀行カードローン 2

2017年10月31日 11時27分14秒 | ハチパパのひとり言

いつの日か危惧してブログにも書いた銀行カードローン。つい先日、朝日新聞に甘い審査基準と過剰融資が問題になっていると掲載されていた。また別の日に、大手銀行が店舗2割減とか、人員削減を検討していることも報じられている。

新聞記事によれば、過剰融資が繰り返された銀行カードローンで、新たな多重債務の温床が浮かび上がっている。カードローンは利率が高く、営業成績が上がるため、行員は積極的に売り込み、利用者は「銀行だから安心」という意識がある。消費者金融の規制強化後、銀行がその代役を担っているとの指摘もあり、債務者の支援団体は銀行への規制を求めているという。

「収入証明不要」「アルバイト、専業主婦の方もご利用OK!」などと、かつての消費者金融と同じ謳い文句で、カンタンに売りまくっているツケが、やがてやって来るかもしれない。

以前は生活が苦しくても、サラ金と呼ばれる消費者金融からの借り入れには抵抗があった。しかし、審査基準が甘くなった銀行や信用金庫のカードローンを使い、借金が何百万円にも膨らんだ人もいるようだ。

やがて返済が滞りだすと銀行は督促を始める。銀行カードローンは、3回滞ると保証会社(銀行と同じグループの消費者金融など)が銀行に代位弁済して(債務者に代わって返済)、保証会社は債務者に求償権(損害賠償請求権)を行使するということになる。

銀行というとお堅いイメージがあった。ここまでくると、銀行と消費者金融の看板が違うだけで、総合金融グループとしてやっていることは何ら変わらない。

一方、公的金融機関である商工中金の、組織ぐるみで行われた不正融資4609件2646億円というニュースもつい先日のこと。収益確保とはいえ、国の制度融資を悪用したことは許せないし、民間の金融機関の貸出業務を圧迫していることも見逃せない。

高度経済成長期の銀行は、企業の設備投資や産業技術の育成などを目的に、お客様からの預金を貸出して利鞘を稼ぐことで収益を確保してきた。

マイナス金利が長期化する中で、運用難に陥ってる銀行の生き残り策は、人員削減もやむをえないのかもしれない。「銀行よさらば」などという本も出ているくらいで、高騰する株式相場を見ても銀行株は冴えない。

しかし、戦後の日本にとって、健全な個人資産の運用と産業経済の成長に果たした銀行の役割は大きい。株式の高騰に浮かれて堅実な資産運用を忘れると、とんでもないことになるかもしれない。元銀行員としても、「銀行よさらば」などとならないように願ってやまない。

 



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