京都最古のライブハウスである“拾得”。その名は寒山拾得に由来する。
元は酒蔵だか醤油蔵だったと聞いた。
アングラ全盛時代から、サブカルチャーの殿堂として、その名は東京でも
知られたものだが、何故か縁がなく、今まで訪れたことがなかった。
フォーク&ブルース、ジャズ系ミュージシャンで出たことのない人はいないんぢゃないか。
階段の上は、ミュージシャンの控室になっている。
かつてはきっと蔵人たちの休憩や寝間になっていたのだろう。
この雰囲気・・・いかにもでしょう。新しい店にはこの感じ出せっこないね。
過日、友人のミュージシャンが出演するので、おっとり刀でお手伝いしに行った。
サウンドチェックを済ませて、食事に出かけた。
この辺り、街の真ん中ながら住宅地であって、酒食できる店が少ないのなんの。
ここしかない、と北村謙さんに連れてってもらった、「キッチン・ゴン」。
その名前は以前から聞いていた。でも不便でやっぱり縁がなかった。
一度に二度も、行ったことのない場所に行けるなんて。仏縁でござる。
迷わず、オリジナルメニューのピネライスにしてみた。
チャーハンの上に薄い(これを仏語でピネと称するとの説)カツを乗せて、カレーをかけてあるという、
一度で何度も美味しい、ある意味節操のないメニュー。
カツは牛・豚選べるので、トンカツ仕様にしてみた。
カレーソースは優しい味。もっとピリリとパンチを効かせてもいい気がする。
謙さんのツアーマネージメントをしているTさんが頼んだのはハーフピネ。
カレーとハヤシソースが半々でかかる、合い掛けってぇヤツですな。
冷静に考えると、ソースの個性がキツいので、チャーハンの持ち味が死んでしまう。
ここはプレーンな白飯でもいい気がするのだけど、ちょっと小銭を持った客がいい気になってああせえ、こうせえ言うたんでしょうね。
なんつうのか、貧しき贅沢とでも申しましょうか。もちりん、美味いんですがね。
さぁ、外もとっぷりと暮れました、演奏会の幕開きです・・・。
拾得 京都市上京区大宮通下立売下ル菱屋町
キッチンゴン その近所
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