ケイの読書日記

個人が書く書評

島田荘司「切り裂きジャック 百年の孤独」

2008-06-17 13:12:07 | Weblog
 切り裂きジャックの事は、日本でもよく知られていて(劇場版・名探偵コナンにも出てきた)世界中では、研究書もどっさりあるらしい。
 以前読んだポール・アルテの『赤い霧』も、切り裂きジャックの事を題材にしていたし。

 1888年ロンドンで起きた事件だから、さすがに犠牲者の身元や、発見時前後の状況はしっかり記録されている。
 その年の8月から11月にかけて、街娼が5人、次々に殺害される。それだけだったらすぐ忘れ去られるが、特異なのはその手口。
 鋭利な刃物でノドを切り裂き、その後、腹部を切開、内臓をつかみだし、一部を切り取って持ち去る。

 特に5人目の被害者は室内で殺された事もあって(他の4人は皆、道端で殺されている)たっぷり時間をかけて解体し、内蔵をテーブルに並べ、一部は壁の釘に吊るしてあったそうだ。

 そして犯行は、この5人目を最後にピタッと止んだ。そして捕まっていない。
 一体犯人は誰なんだろう? 何処に行ってしまったんだろう? それを島田荘司は斬新に推理している。

 確かに、なぜ腹を切り裂いたか? なぜ犯人の行方が知れないのか? ある程度の説明にはなっている。でも…やっぱりその説は無理がある。


 成人女性を素人が、そんな手際よく切り裂けるだろうか? そんなことできるはずが無いと思っていたら、東京都江東区のマンションで、33歳の男が23歳の女性を殺して、細かく切り刻みトイレに流したという事件があった。
 驚くべきはそのスピード! そんなに簡単にミンチに出来るんだろうか?
 それとも専用の器具でも買ってあったんだろうか? トイレに流すって事はよほど細かくしたはずだ。
 詰まったら業者を呼ばなければならないからアウトだね。

 人間、追いつめられればどんな事でも出来るんだろうか。恐ろしいです。
コメント (8)
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