Jam 「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」 サンクチュアリ出版

　ＳＮＳが登場する前は、付き合いたくない人とは付き合わなくてもよかった。もちろん、家庭や職場や学校で、どうしても一緒になり時間や空間を共有する人たちとは、揉めたりストレスを感じたりしたけど、なんとか離れる事が出来れば疎遠になれた。疎遠になって自分を守ることができた。
　でもSNSがここまで普及してしまうと…いつまでたっても、イヤな相手の情報が入ってくる。イヤな相手のSNSなんて見なきゃいいのに、ついつい気になって見てしまう。エゴサと同じ。

　もちろん私のような年寄り世代は、そういう事は少なくて、SNSをやってる人も多くはないので、イヤな相手の情報は「風のたより」として処理され、そして自分を守れた。
　だけど今は…イヤな相手の情報が写真付き動画付きで飛び込んでくる。
　「学生時代、アイツより私の方が人気あったのに」「高校時代、私の方が成績良かったのに」「私の方が偏差値の高い大学に入ったのに」「おかしいよね。アイツ、昔より可愛くなってる。顔をいじってる？」「みんな、騙されてるんだよ。アイツ、そんな良い奴じゃない！もっと性悪！！」等々、どす黒い感情が心の中に渦巻いてくる。
　そんな時、自分の心を守ってくれる方法が書かれているのが、この本。

　筆者のJamさんの本業はゲームデザイナー。ゲームの事を知らないので分からないが、クリエイティブな仕事なんだろうね。スマホゲームの事を良く書いてないから、本格的なゲームのデザイナーさんなんだ。このパフェねこシリーズのマンガ+文は、副業というか趣味らしい。だからだろうね。私の心にストンと落ちるのは。カウンセラーとか精神科医といった専門家がするアドバイスじゃない。普通のオフィスワーカーが上司や取引先や同僚や友人知人たちとの間に実際に起こる軋轢を、自分なりの知恵で乗り越えてきた、その処方箋が書いてある。
　私、こういったHowTo本は読んでもよかったと思う事は少ないが、この本は評価します。決して読んで損なし！