ケイの読書日記

個人が書く書評

森博嗣「地球儀のスライス」

2015-01-22 11:00:58 | Weblog
 森博嗣の第2短編集。今度こそ、犀川&萌絵のその後が書かれているはずだと、期待して購入したが…残念。

 10編中2編がS&Mシリーズ。『石塔の屋根飾り』は、すごくミステリアスな謎で、私も色々考えた。解答もピタッときて納得だが、学術色が強いので、お気楽に読めないよ。思考するのが好きな人には、ぴったりだろうけど。
 もう一つの『マン島の蒸気鉄道』は、鉄道ファンだったら楽しめるだろうが、私の趣味ではないな。
 喜多先生や、萌絵さんのいとこの大御坊、それに睦子おばさま、執事の諏訪野まで登場。睦子おばさまは、婦人集会に出席するため現地の教会に出掛けているから、サプライズ・ウエディングが!!!と大いに期待したが、まったくのハズレで、蒸気機関車の写真の話で終わったので、本当にがっかりした。

 犀川先生と萌絵さんの仲は、1mmも進展なし! なんだよーーーー!


 作品としては…『僕は秋子に借りがある』が一番好きかな? 素性のよく分からない女の子から話しかけられ、短期間、付き合うが、彼女には目的があった。ちょっと物哀しいお話。森博嗣自薦短編集に、このタイトルが付けられているから、本人も気に入ってるんじゃないか?

 あと『気さくなお人形、19歳』は、次の瀬在丸紅子シリーズのキャストが勢揃い。小鳥遊(たかなし)君、紫子ちゃん、保呂草さん(この人は名前だけ)そしてボロアパートの阿漕荘。つまり、次回シリーズもよろしくって事ね。

 
 先日、萌絵さんが住んでいるっていう設定の、徳川園周辺の高層マンションに行ってきた。ありますねぇ。徳川園の東には。(西側は、高さ制限があるんだろう、古い街並みが残っている。文化の道として、名古屋市が保存しようとしてるみたい。)
 ああ、ここら辺の高層マンションの21階と22階に萌絵さんが住んでいたんだ、と想像すると、感慨深いものがあります。

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