ケイの読書日記

個人が書く書評

「アリスはふしぎの国で」ルイス・キャロル著 大久保ゆう訳 青空文庫

2024-10-12 16:19:29 | その他
 「不思議の国のアリス」(ALICE IN WANDERLAND)ってこういった話だったんだ。昔からある有名なお話にありがちな、断片的に有名なところは知っている。例えば、おかしな帽子屋がお茶会を開いている場面、白うさぎが懐中時計を見ながら大急ぎで走り去っていく場面、トランプのクイーンが誰彼なしに「首をちょん切れ!!」と命令する場面、チェシャ猫が笑って顔が幅広くなっている場面などなど。
 でも、きちんと読んでいなかったので、読み通すと新鮮な驚きでいっぱい。それにしてもチェシャ猫って人気あるね。ふてぶてしいのが良いのかな。でもこんな猫が、自分ちにいたら困るよね。

 この不思議な話は夢オチなんだ。まあ、そうだろう。そうじゃなかったら収拾がつかないよ。それから詩や歌がふんだんに出てくるんだ。英国のお話らしい。だから自分には分からないけど、言葉遊びがいっぱい散りばめられているんだろう。それを日本語に何とか訳すのが訳者のウデの見せ所。難しいよね。英語のダジャレを日本語のダジャレに訳すなんて至難の業。英語に自信がある人は、自分で原書に挑戦するのが良いかもしれない。

 そして最も驚いたのは、キャロルが友人の子どものアリスたちと一緒にピクニックに行った時にせがまれて、出まかせのヨタ話を話して聞かせたのが、この名作が誕生するきっかけだという事。そのヨタ話があまりにも面白かったので、アリスが読みたいと頼み、彼が手書きで本にしてプレゼントしたのが最初らしい。文筆家が、知り合いの子どもに肉筆の物語をプレゼントする事って、当時(19世紀)のヨーロッパでは、時々あったみたいね。

 ルイス・キャロルは、作家として有名だけど本業は数学者で、専門書も何冊も出しているみたい。ロリータコンプレックスで、13歳のアリスにプロポーズしたという話も残っているけど、どうかねぇ。アリスは別の人と結婚してますけど。
 青空文庫で使われている挿絵は、擬人化した動物たちはgoodだが、アリスがあまり可愛くない。色々調べたが、アーサー・ラッカムの挿絵が素敵です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 太宰治 「駆け込み訴え」 ... | トップ | 東野圭吾 「透明な螺旋」 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

その他」カテゴリの最新記事