ケイの読書日記

個人が書く書評

岡田斗司夫「オタクの息子に悩んでます~朝日新聞・悩みのるつぼ」

2014-08-22 13:49:16 | Weblog
 朝日新聞の土曜版に「悩みのるつぼ」という読者からの人生相談コーナーがあるそうだ。岡田氏は、回答者4人の中の1人で、4週間に一度、読者からの相談に回答しているらしい。
 それがとても評判がよく、まとめて本にしたのが本書。

 ただ、この本は、相談と回答の羅列ではなく、岡田氏がどのような思考経路を辿って、回答に行きついたのかが、メインとなっている。
 だから、思考ツールとして、分析・仕分け・潜行・アナロジー・メーター等々が説明されているが…正直な所、私は興味を持てなかったので、この箇所はナナメ読み。
 でも、中学2年生の女の子の「クラス内の位置が気になります」という相談が、すごく印象に残った。

 彼女の相談事をまとめると、次のようになる。
「クラスの女の子には階級がある。明るく派手なグループが一番地位が高く、その下が二軍。そして、一番下が暗くて地味な「陰キャラ」。
 相談者は陰キャラで、派手グループ女子には無視されるか「暗い」「キモい」と蔑まれ、先生にも男子にも話しかけられる事はない。
 楽しい中学生活を送るのには、どうすればいいか? クラス内でのポジションなんか気にするなと言わないで。女子中学生にとって一番大事な要素なんです。」

 わかる、わかるよ! 私だって40年以上前は、女子中学生だったものね。これって、女の子にとって死活問題だよね。
 でも、残念ながら(岡田氏も書いているが)今も昔も、解決策はない。

 陰キャラが、無理にテンション高くして、ファッションや芸能ネタに詳しくなり、派手グループにすり寄っていっても、自分が疲れるだけ。仕方ない事なんだ。
 ただ…女子中学生の皆さんは、この階級が大人になってもずーーーーっと続くと思い込んでるかもしれないけど、それは違うんだなぁ。派手グループが、明るく華やかな大人生活をエンジョイしてるかというと、なかなか難しい。

 『塞翁が馬』という、中国の故事を知ってる? 不幸だと思っていた事柄が、幸せにつながっていき、幸福だと思っていた事柄が、不幸の元になっていく。

 56年、生きていると、その通り!!と感じることが多々あります。

 今は不本意だと思える境遇でも、先の幸せのモトになるって事、よくあるんだよ。

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