初恋(複数写真使用)

2006-06-14 22:17:55 | TV・映画・芸能界関係
といっても私の事ではない。今公開している映画の事だ。

今晩映画「初恋」を観てきた。



単純に渋谷を歩いていた時に見た宮崎あおいのポスターに惹かれ
そしてGyaoの映画CMを観て三億円事件を題材にした映画と
いうことを知り観たいと思ったから
久しぶりに映画館に足を運んだ。


映画の舞台・背景は昭和40年代初頭。
まさしく三億円事件があったちょい前の年から始まる。

まず驚いたのは平成18年の現在によくぞあそこまで
当時の東京は新宿のアングラな街並みを再現できたもの
だと関心してしまった。

CGを使用していてもフィルムの質感をうまく醸し出しており
昭和40年代当時の記録フィルムとかを
上手に背景に織り込んでいたと思う。

それに古いお店などのロケーションは
実在の古い建物を使って撮影しており
よくぞあんな古い建物がまだ存在していたんだと
感動すら覚えてしまったほどだ。

それに当時の角張った濃紺のカローラを始めとする
クラッシックカー&バイクのオンパレード!

ハンドルにギアーがついているコラムシフトや
クッションラバーもついていない
骨のように固いハンドルも
超なつかしいし!


今コラムシフトといっても明らかに死語だから
わからない人も多いだろう。

そんな雰囲気を醸し出しながら
学生闘争・過激派などが下火になりかけていた時代に
それぞれ影を持っていた若者達が集まるアングラなバー

宮崎あおいことみすずが集うようになる。


そこでの岸との出会いが三億円事件への物語に発展していく。

しかし物語の前半戦は三億円事件ではなく
彼らグループのなにげない人生を淡々と描いていく。


そんな彼らは権力に歯向かったり目をつけられたりする
その当時のいわゆる素行の悪い若者の人生が描かれていき
そして権力に歯向かえずに現実にぶつかって
故郷に帰る者、抗争に巻き込まれ
リンチの果て命を落とす者など
みんな行き詰まってしまいバーに集まる人間が
一人一人いなくなっていく。

そんな中、岸は頭を使い権力に歯向かおうとする。

それが三億円強奪計画でありみすずに白羽の矢を立てたのだ。

岸に人生で初めて必要だと言われたみすずは
この計画の実行犯となり三億円事件を実行する事になる。

それまで無口で笑顔のないみすずが
計画の準備から実行するまでの間の
表情の変化や言葉をよくしゃべり始めていく様子は
まるで映画のタイトルである初恋をする少女のようであった。

果たして計画は無事実行され三億円を強奪することに
成功するみすず。


しかしそれは初恋の岸との別れともなってしまった。

岸は結局三億円事件というカードで
時の政権を打破しようと画策したが計画は失敗。

関係していた?バイク屋のおやっさんも
闇に葬られ岸は国外退去させられてしまった。


岸からもらった新しいアパートで来るはずのない
岸を待つみすず。


そして兄の死。岸が戻らない部屋で
たとえようもない寂しさと自暴自棄になったところで
岸の読んでいた小説の1ページを見るみすず。

そこにはみすずに恋をした想いがつづられた走り書きが。
それをみて嗚咽してしまうみすず。


そして物語は三億円事件の時効の事。
みすずにかかわった若者達のその後を
テロップで淡々と語られる。

そんな中でみすずの回顧録と想いがセリフでつづられ
孤独な中でも何かに向かって生きようと歩き出すシーンで映画は終わった・・・


たった2時間の映画なのに本当に時の経つのを忘れるほど
物語にのめりこんでしまった私がいました。


正直三億円事件というのは当時もある意味
ヒーロー化されて持て囃された時代でもあったが
あくまで犯罪は犯罪!

美化されてはいけないものではありますが
でもみすずの立ち振る舞いを見るにつけ
不器用で孤独な少女の唯一自分の存在を見出だす
事の出来た行動であり普通とは違った形の初恋だと私は感じました。


なんか涙は流さなかったけど映画を観終わった後に
なんか物思いにふけってしまう
私好みの良い映画でした。


平日夕方にも関わらず¥1000デーという事もあり
映画館はほぼ満員。


しかし客層は20歳代のカップルや女性客が
多かったように見受けられた。

私みたいにその当時にほんの少しでも触れていた
人間であれば時代や物語に共感できるのはわかりますが
三億円事件を知らない、ましてや昭和という時代を
体感していないお客さん達はこの映画を観てどう思い感動したのだろう?


単なる宮崎あおいの演じる初恋というストーリーと
体験していない昭和40年代の昔話のノスタルジックに
思ったのか?


私にはわかりませんがそれでもなお彼女の10代最後の
演技に魅了されたのだと勝手に想像してしまうし
私ものめりこんでしまった一人でありました。


原作も知らない、前情報も仕入れないいつもの
行き当たりばったりの映画観賞でしたが
良い2時間を過ごせたましたo(^-^)o

しかし孤独は嫌ですね(;_;)「心の傷に時効はないから。」
なんかあとから切なくなってきます・・・(ToT)


さてこれからパンフレットを開いて読んでみようと思います。

ふぅ~しかし携帯で感想書くのは疲れるな~(^_^;)


追記:この映画館はフィルム投影機が良いな~
   色の発色が綺麗で久しぶりに良い映画館に出会えました。

   最近のシネコンは館内も綺麗だし絵もそれなりにきれいですが
   久しぶりに良い投射を観ることができ
   映画の内容も良かったからなおさらス~っと映画を
   魅入る事ができましたね!




それとやっぱり単純に思いついた事。
電車のガラス窓が人力で開けられるタイプで窓枠の両端下に
≦≧の開閉スイッチがあったのはなつかしい!

今の山手線とかはガラス窓が筐体と一体型でお客さんは
開けられませんからね。

それとこの当時の道路交通法では
まだ確かヘルメットはしなくても良かった時代だったかも?

みすずがノーヘルでバイク乗っている姿が妙に懐かしく
感じてしまいました。

でもあの「NANA」を演じた宮崎あおいさんと
この「初恋」での宮崎あおいさん。

似ていないようでなんだか似ているような気がして
なんか惹かれる女優さんになってきましたね。

そういえばNHKの連ドラ主役にもなっているそうで
これからの活躍が楽しみです。


それとパンフレットについていた三億円事件を
伝える当時の夕刊の一面記事のコピー!



当時の時代風景が垣間見られる新聞記事でした。
この日は15℃でにわか雨の寒い日だったんですね。
しかし今の貨幣価値でいうと三億円ではなく
三十億円の価値があった現金があっという間に
盗まれたという当時の日本としては
大大大~ニュースだったと改めて感じてしまう事件でした。

もし犯人が18歳だったとして今も存命していたとしたら
56歳ぐらいの年齢。その犯人がもしこの映画を観ていたとしたら
何を思うのだろうか?と想像してしまいます。。。

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