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ガンジス河でバタフライ(たかのてるこ)

2008年03月14日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 この本は「たかのてるこ」が、二十歳の時に初めてひとりで香港・シンガポール・マレーシアに旅した旅行記と、その後インドでも1人旅をしてガンジス河でバタフライ等した旅行記です。

 女性で一人旅というのも凄いのですが、しかも英語等もしゃべれず身振り手振りで、そして行き当たりばったりです。

 しかし、現地では色々な人と出会い、ハプニングはありながらも、大阪人らしく明るく、すばらしい交流を繰り広げます。

 人生は、出会いとそして協力することが大切だということを改めて思わせる良書だと思いました


 なお、著者は、1971年大阪府生まれで、「地球はひとつ、世界中の人と仲良くなれる!」と信じ、今や訪れた国は28カ国で、現在も会社勤めのかたわら、有給休暇で世界を駆ける旅人とのことです。

 また、インド旅行のドキュメンタリーがテレビでも放送され、2007年10月5日と6日には「ガンジス河でバタフライ」が長澤まさみ主演により放送されたようです。

 この本は旅好きになるとてもオススメな本です!特に10代の方には読むことをオススメしたいと思います


以下は、この本で面白かった内容等です!

・トイレの鏡に映った自分を見たとき、みなの熱い視線のわけがようやく分かった。私のTシャツには、なんと「一番」という、どデカい黒い太文字プリントがあったのだ。シェーッ!!今さら悔やんでも遅い。何も考えずにこれを着てきてしまった自分が、20歳の等身大の、私自身なのだ。

・兄ちゃんは調子に乗って「日本の何の一番なんだ?」と聞いてくる。答えにつまった私は、フロントにあった短い鉛筆を鼻と口ではさみ、尻を振りながらちょこまか歩いてチャップリンのマネをしてみせ、「オフコース、アイム ナンバーワン・コメディアン!!」と言ってみた。彼は、私のバカなしぐさにケタケタ笑って、「オーゥ、ナイストゥミーチュー!!」と大げさに喜び、手のひらにマジックでサインを書いてくれと言いだした。えらく乗りのいい兄ちゃんだ。彼の名前はブルース、年は19歳なのだという。しばらくすると、スタッフがひとり、またひとりとやって来た。そのたびにブルースが私のことを「日本の有名なコメディアンだよ」なんて紹介するものだから、乗せられやすい私は「アチョー!!」とできもしないブルース・リーの真似をやってみせたりして、朝からフロントは大盛り上がりになってしまった。

・兄ちゃんに渡された布団セットを持って、今宵の寝場所を探しにかかる。フガフガ言いながら爆睡している男たちをまたいで、私はなんとか自分の寝床を確保した。眠れぬまま天井を見上げてぼんやりしていたら、隣のビキニパンツいっちょのマッチョマンがいきなり、「グァーオーッ!!」とうなり、私の方にどデカい寝返りを打ってきた。びっくりして思わず、「ヒャアッ!!」と声を上げてしまう。その叫び声で、マッチョマンの目がパッチリと開いた。暗闇の中、マッチョマンの大きな目だけがギラギラと光っている。ヒッ、ヒィーッ!!全身が一気に凍りつき、私は金縛り状態の陥ってしまった。しばしの間、見つめ合う、私とマッチョマン。次の瞬間、マッチョマンは私にニカーッと笑ってウインクすると、すぐにまたグースカと寝息をたて始めた。ハァーッ。止まっていた息を吐き出した途端、体中からどっと汗が吹き出す。私はこの5秒間で、5年分の寿命が縮まってしまったような気がした。

・「今日、バスに乗りたくてな。道を聞いたんやけど、みんなに逃げられてさぁ」「逃げられた?なんて言うて話しかけたんや?」「いや、ほんまにフツーよ。「ドゥユーノー、ハウトゥ テイク・ア・バス?」って言うたんやけどな」話の途中だというのに、彼はブハッと吹き出した。「笑かすヤツやなぁ。「テイク・ア・バス」って言うたら「風呂に入る」って意味やぞ」「通りすがりによ、若い女が血相変えて「フロ!! フロ!!」なんて言いだしたら、挙動不審もいいとこだよ。そりゃ誰だって、逃げだしたくもなるって」「えぇーっ! もうマジで、穴があったら入りたいよー!」

・こっちはモーター付きの乗り物に乗っているというのに、しがみついてくるインド人が続出。もはや全身アートと化した男たちが、追っかけてきてはリキシャに飛び乗り、命懸けで色水をぶっかけてくるのだ。こうなりゃ私も本気の本気だ、ウォーリャァーッ。大和魂っちゅうもんを見せたらあ!だが、どれだけ私がしがみついている男たちの手を振り払っても、体を思いきり押してリキシャから突き飛ばしてみても、敵はヒュンヒュンとまるで「仮面ライダー」のショッカーのように、次から次へと襲いかかってくるのだった。多勢に無勢。これではちっとも数が減りやしない。祭りの狂気で不死身となった男たち。こりゃゾンビだ、ゾンビッ!

・えぇーっ!?これだけでいいの!?男たちが「写真を送ってくれ」とも言わず、あまりにもあっさり去ってしまったので、私はなんだか拍子抜けしてしまった。私はてっきり、彼らは自分たちの写真が欲しいものだとばかり思っていたのだ。いったい、おっちゃんらの目的はなんだったんだ!?彼らは単に、写真を撮られるのが大好きな人たちだったのか?去られてしまった今となっては、真相は藪の中だ。私はプハッと吹き出して、それから笑いが止まらなくなってしまった。

・私はすっかり調子に乗ってしまい、バタフライでガンジス河の中心に向って進んでいった。バタフライは速さの調節ができないから、休むことなく手を上げ下げすることになる。ゴーグルがないので目をつぶって手を振り回していたら、誰かを思い切り叩いてしまったようだ。うわ、どうもすみません、と目を開けてみると、その人はなんと水面にプカプカと浮いていたのだった。あれ?この人はいったい!?ゲゲーッ、私がブッ叩いたのは死体ではないか!!私はもうあわてふためいてしまい、あまりの恐怖で足はつるわ、水をがぶ飲みするわで、危うく溺れかかってしまった。必死に河岸まで戻って少年たちに恐怖を訴えてみたが、彼らは何を今さらという顔で平然としている。インドでは、寿命をまっとうできなかった人は水葬するしきたりだったことを思い出す。


<目次>
はじめに
1st TRAVEL アジア編
 ひとり、旅立つまで
  私が旅人になったワケ 大阪→東京
  小心者の旅立ち 東京→成田→香港
 旅人デビュー
  ボディランゲージ・ハイ 香港
  マッチョマンとの熱い夜 シンガポール
  呼ばれて飛び出てマレーシア マレーシア
 行きあたりばったり旅のとりこ
  恐怖のナイトドライブ マレーシア
  仁義なき格安航空券 シンガポール
2nd TRAVEL インド編
 インドの洗礼
  おっかない国、インドへ 東京→成田→タイ
  ゾンビ、あらわる カルカッタ
 世にも不思議な人びと
  夜行列車の奇妙な面々 カルカッタ→ガヤ
  ブッダガヤの不良インド人 ブッダガヤ
  恐るべし!”すぐそこ” ガヤ近隣の村
  インドの輪廻と私の輪廻 ガヤ近隣の村
  荒野の危機一髪!! ガヤ近隣の村→バラナシ
 まったりインド
  バラナシでのマダムな日々 バラナシ
  お坊様との禅問答 バラナシ
  ナマの死体と怪しい奴ら バラナシ
  ガンジス河でバタフライ バラナシ
  私の帰る場所 ボンベイ
おわりに
文庫版あとがき
<年表>「たかのてるこが旅人になるまで」

面白かった本まとめ(2007年)
面白かった本まとめ(2006年)
面白かった本まとめ(~2006年)


<今日の独り言>
 3歳11ヶ月の息子は、ゴダイゴのガンダーラが好きで、「ガンダ~ラ、ガンダ~ラ、あいの~くに、ガンダ~ラ」とよく歌います。名曲のようですね

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