きっと 朝日のように さわやかな作品なのだろうなぁ…と思い、手にとった文庫本。ページを開いて分かったことは、短編集だということ。友達のお勧めで読んだ『夜のピクニック』しか知らないため、他の本も読んでみたいな、と選んだのでした。 読み始めたのは一昨日の夜。短編だから、一遍ずつ読めばよいものを これまた怖いもの見たさで次々と読み…最後の2作を残して時計を見ると、夜中の1時を回っていました。そう、「怖いもの見たさで!」と言いました。 実は怖いのです、この作品集。 全部で14作品が約360ページに収められていますが、その殆どが背筋がぞくぞくっとするものでした。特に怖かった作品は、『深夜の食欲』 タイトルからして化け物が夜中にむしゃむしゃと骨でもしゃぶっていそうじゃないですかぁ~ これを読み始めた時、家族は全員すでに寝ていて、私独り、しーんと静まり返った自室で活字を追っていました。ここに描かれたホテルの廊下の様子など、海外で泊まったちょっと広めのビジネスホテルの空間を思い出し、想像するのでリアリティがありました。いやぁ~映像より活字を追っていく方が、実際、遥かに怖いですよー お化け屋敷は比較的、好きな私も小説となると、体感温度が確実に1度は下がりました。実際に今の時期って、日中と夜中、気温差があるじゃないですか~ 本当にヒンヤリとコンニャクでも頭上に降ってきた気分を味わいました…? いや、これじゃ逆にギャクか
それにしても… 奥田陸さんが小説の中で書いているように、女性の髪の毛って、身体から離れたとたん、何故 恐怖の物体となるのでしょうね。先々週、観た映画、「図書館戦争」の中で、教官役の岡田准一くんが後輩の頭を愛情込めてぐしゃぐしゃっとするシーンが何度かありましたが、ああいうシーンの髪って素敵なのに、パラパラと そこら中に束になって散らばっていたら…しかも夜中のホテルとか…廊下とか…思いっきり怖くないですかっ‼? これ以上いうと、小説の種明かしになってしまうので、この辺でやめておきますが、そういう種類のゾクゾク感が散りばめられた作品集です。ほんとに嫌なら途中で読むのを止めてしまいますが、そうではない。 やっぱり読みたい、だから2作品は翌朝に回してラスト近くまで読んじゃった訳ですよね。
ちなみに、表題作『朝日のように さわやかに』 ラストに収められています。短編集なので、タイトルを見て気になる物から読み始めることも出来ますが、順番に読み進めることをお勧めします。夜に読むと小説の世界観がよりリアルになります。真夏ならもっといいかも? そして最後の作品は、夜明けに読みましょう~ 「お酒」「管楽器」「心太(ところてん)」3つのキーワードと共に きっと 気分も少しはさわやかになることでしょう。
あ、そうだ! ラジオのDJの会話のみで殺人事件発覚から犯人捜し、解決まで持って行っちゃう「あなたと夜と音楽と」も怖いけど、斬新~ DJの会話のみの殺人事件解決小説ですよー! ちょっと見たことない、いや、読んだことがない。
では、おやすみなさ~い