本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

一昨日のこと。

2006-11-17 20:22:33 | 社会
*数年前の絵葉書多数が売れ残って(?)処分に困っていた。

 自慢じゃないが、とにかく私は輪ゴムを捨てられない世代の一員である。
 友人の助言もあって、高校生とかガイジンさんとかへ只であげてしまうことに決め、1年以上も前からその準備だけはしておいた。百均で買った3つのカラーボックスに均等に分割していつでも持ち出せるようにしておいたのである。
 先日それらをふとむしょうに片付けたくなって、これも友人の助言通りに、西成のガイジンさん用のホテルに持ち込んでみた。一応「webサイトへの外国からのアクセスを増やすため」という大義名分で「希望者には只で差し上げて欲しい。一人でも多くの閲覧者を得たいのだ」と申し入れた。勿論これは嘘とか出まかせとかではない。

 目に付いた3軒のホテルに各1ケースずつ葉書絵を持ち込み、そのうち1軒からは凡そ理由にならない変な理由をつけられて、引き取ってくれるように言われたから一昨日昼過ぎ引き取った。Ranzanというホテルである。ここはいわゆる「ドヤ(簡易宿泊所)」そのものだった時代から「高級感」(←と言ってもたかだか宿賃が他より数百円高いだけのドヤだが)が売り物のホテルで、私の昔の知り合いなどはここを常宿にしていることを自慢していたものだ。
 日割りにすればドヤは確かに安いが、ドヤを拠点に日々仕事に出掛けるとなると、そんじょそこらの1ルームマンションよりは遥かに高額な家賃になってしまうのである。おまけに殆どのドヤは炊事場もトイレも風呂も共同で、部屋には布団とテレビと冷蔵庫くらいしかない。かつてのドヤも畢竟、その日暮らしの人達の日銭をとことん吸い上げてしまうシステムの一環でしかなかったと私は思っている。釜ヶ崎周辺は意外に物価の高い店も多いのである。
 で、今このホテルは一部を大改造して、外人客にも対応しているのである。

 私の狙い?がいかがわしいとか、胡散臭いとか言うのなら私も納得する(笑)のだがそうではない。「猜疑心の塊のような」(と敢て言わせて貰うが)老オーナーは、私の住所氏名がわからないから預かれないと言うのだった。
 が、私に言わせればそんなことは言いがかりである。私は自分の身分を明かすため先日応対に出た中年女には免許証まで差し出しているのである。チラッと見せたのではなくフロントのカウンターに暫く置いている。
 いわゆる『名刺』などは私の主義に反するし、悪い奴の手に渡れば何に使われるかわかったもんじゃないから、切らせば切らしたままで、次に必要に迫られるまで作らないからというのが私の方の事情である。

 普通そういう場合相手側は「失礼ですがご住所とご芳名だけでも控えさせて戴いてよろしいでしょうか?」と訊いて来るというのが(別に言葉使いはそんな馬鹿丁寧でなくても構わないが)私の常識だから、そう訊かれれば「ええ、コピーでも何でも取って下さい」と応じるつもりだったが、女が非常識か私が非常識か知らないが、相手は一瞥をくれただけで、私は名前も住所も連絡先も聞かれなかった。(「それくらいはしておかないと取次ぎ、伝言は出来ないだろうに」と今となっては思うが、別にホテル側に不利益が生じる話ではないし、預かるつもりなんだなと私は自分の都合のいいように即断し、「まあ些細なことだ」と敢て問題にしなかったのである。接客や事務処理の基本をその女に私が教育する義務はないしね♪)

 で、「ああこの人は会社勤めの経験がないんだな。オーナーの身内、奥さんかな?」と思っただけで、まさか後になって「住所氏名がわからないから預かれない」などと言われることになるとは及びもつかないことだった。

 そんなことはお前の方の責任じゃないか!
 じゃあ訊くが、身分がはっきりしたら預かるのか?
 そうじゃないだろう?

 そう言ってやっても良かったのだが、「こんな爺さん相手にしてもしょうがない。しょせんは只のドヤのオヤジだ」と、私は思った。

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 前段が長くなり過ぎました。笑。(ほんとはまだこの話は続きがあるんだけど割愛。w)
 それで突っ返された葉書絵を持って私はなんばへ出た。
 あんまり気乗りはしなかったが(はあ?)、外人さんか高校生に『ヤースケ伝』の宣伝がてら葉書絵を配ってみようかと思い立ったのである。w
 
 私はかつて自分の葉書絵を売ったことがある。w
 そのことはこのブログにも書いていると思う。
 ああいうものはその場の勢いだけで結構売れるものなのである。適当に相手を笑かしていればそのうち買うてくれる♪
 フリマ、アートクラフト展、路上の物売りと、一通りやった。でも一回ずつくらいかな。w それも長時間ではない。路上などほんの10分くらいだった。強風で葉書が次々飛ばされてしまうので、「これはかなわん!」と早々に退散したのである。
 で、一昨日なんばを流していてわかったことだが、仮令ビニールシート一枚を地べたに敷いただけの露店であっても、店を構えて売る方が遥かに楽だということである。

 街を流していてガイジンさんに限って声を掛けるというのも、考えればなんだか変な話である。で、そのことを自分で意識した途端、いざ獲物(?)とすれ違っても声など出ない。
 では修学旅行の高校生はどうか。いやあ、これも意識するとなかなか話しかけられるものではない。私の方には一応合理的(?)理由はあるのだが、それをいちいち説明するのが面倒で億劫だ。これと比べたら、露店なら前を行く人に手当たり次第声をかけるだけだからこの方が簡単な理屈だ。

 それでも結局私は頑張って三人(三組?)のガイジンさんにアプローチした。w

1.最初のターゲットは男の5人連れだった。うち一番後ろにいた一人だけが私に捕まって、渋々かどうか、一応はにこやかに相手をしてくれた。他の四人は私たちの話が終わるまで店などを覗きながら待っていた。「インビテーション トゥー マイ ウェブサイト!」と、私の英語はあくまでブロークンである♪

 だいたいが彼ら外人観光客は総じてすこぶる早足である。東京駅のコンコース並みで、私など目が回ってしまいそうだ。笑。かと言って目的地に急いでいるわけでもなさそうだがとにかく速い。休むにも安い喫茶店・外食産業にしか入らないように思う。

 で、私のサイトのアドレス6箇所だけをプリントした葉書はすぐ彼は受け取ってくれたが、イラストの方は固辞してなかなか受け取ろうとしなかった。私としては五人分計10枚をプレゼントしたかったが、結局1組2枚だけを無理矢理受け取らせるに留まった。

 別れたすぐ後で気づいたが、私は物売りもしくは物乞いと間違われたのである。w
 ばかもの!人を見てものを言えってんだ!はあ?如何にも物売りっぽい?あっそ♪

2.次に声をかけたのは男性二人連れのガイジンさんである。
 最初に声をかけたのも男性五人連れだったし、最後に声をかけたのもチャリンコの男性だったから、結局一昨日は男にしか声をかけなかったことになる・・・?
 いや違う、「横レス」でひっかけ橋の袂にいた女子高生のグループに「アメリカ村」の所在地を教えてやったことを今思い出した♪

「何があるの?たこ焼き屋?」と(わざとか?)アホなことを言うので「たこ焼き屋はここやんか!アメカジがあんねん!アメカジが!」と私はなじるように答え、結構受けていた。笑。

 外人と言っても小さい方の一人は東洋人風の顔立ちでときにきれいな日本語を話した。ただ私が日本語で話しかけると途端に沈黙して黙秘権を行使してしまうこともあったので「あの人はいったい何人だったのだろう?」と今になって思っている。
 大きい方の外人はニコンの一眼レフを持っていた。
「ミュージシャン・・イングランド・・マイウェブサイト・・リンク・・」とところどころ聞き取れたので「アイ ウォント トゥ ビー リンクト」と答えたが、そんな英語で私たちの会話は果して成立していたのだろうか、疑問は残る♪

 でも私たちは握手した。彼はしかし名前を名乗っただろうか?
 今となっては不明だ。
 私はと言うと、名乗ることなど思いもつかなかった。互いに名前を告げ合うという発想がなくなってしまったことに愕然とした。だいたい私は最近知人としか話さなくなっているのでそのせいかなと改めて思ったりした。
 
 この彼も葉書絵を受け取る前に躊躇いがあり、日本語を話す方が、
「何のサイトか?」とか(私は「ただのブログだ」と答えた)、
「(その葉書は)無料か?」とか訊いて来たので、それで私は「ああ、彼らは強引な物売りを警戒しているんだな」とわかったのである。

 大きい方の自称ミュージシャンもちゃっかりしていると言うか、無料だとわかると「サンプルが欲しい」とか言い出した。笑。私も渡りに船で「もっとか?もっとか?」と沢山あげてしまった。元々そのつもりだったのだからいいのである。あとはなんとか有効に使ってくれることを願うだけである。

 しかし日本の繁華街にも「キャッチ」というか、外人専門にモノを売りつける人間がいるんだろうか?私は知らない。日本人相手ならやれ「映画のアンケートだ」とか「化粧品だ」とかしつこく勧誘している連中は見かけるが・・。

 それで思い出したが、近鉄あべの橋の北口で毎日我がもの顔でキャッチセールスしている下品な女達はいったい何だ?!
 近鉄も警察もなぜいつまでもあいつらを黙認し野放しにしているんだ?!
 あいつらは本当に邪魔で迷惑な奴らだ!


3.三人目は自転車だったから日本に長いのかも知れない。
 「フリーだ!フリーだ!」と私が繰返すと彼は率直に喜んだ。サイト情報の葉書とイラストの葉書を計3枚彼にあげた。「もっと欲しいか?」と訊いたら「No.これがいい。気に入った。キュートだ」と彼は答えた。

 渡したのはここのプロフィールにも使っている、みわちゃのイラストだった。

 それで、この彼で結構気分を良くして、私は「今日はもういいかな♪」と勝手に自己満足して帰途に就き、途中通天閣の真下でアルトサクソフォンを吹いているおっちゃん(トップ写真)と遭遇したのである。

 お客は写真のおばちゃん一人だった。日本の歌謡曲を吹いていた。
「通天閣の50周年イヴェントのとき偶然ここへ来たら大層な収入になったので、柳の下の泥鰌を狙ってまた来たが、今日は店があちこち閉まって閑散としている」と落胆していた。
 布施から来たと言った。布施は近鉄奈良線で鶴橋からすぐである。普段は奈良に行くことが多いとおっちゃんは言った。なんと言っても観光地だから実入りは多いとのことである。
「仮に30人に一人でもいい金になる」と言っていた。
「日本ではストリートがなかなか理解されないのだ」と彼は嘆いた。外人観光客は額は少ないがよくカンパしてくれると言った。同じ事を私は托鉢僧の大工時恵さんからも聞いたことがある。でも托鉢の場合、敬意を表し両手を合わせて拝んでからカンパして行く人を見かけるが、大道ミュージシャンではそれはあり得ないだろう。

 彼は譜面も書く。ジャズもやるんだと言い、サマータイムを吹いてくれた。
 たまにパソコンをいじるらしくて、私のhttp://を知りたいと言うので、私は外人にしたようにアドレス入りの葉書1枚と絵葉書も沢山あげた♪
 彼はサクソフォンのケースに私の絵葉書を飾ってから「宣伝する」と言ってくれた。
 おっちゃんのムービーを何本か撮ったが、残念ながら楽天同様ここにもMOVビデオはアップ出来ないようだ。


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