https://www.ijuinseikotsuin.jp/ijuin-blog-case/3092/
老化の三大原因(酸化=さび、糖化=こげ、炎症=火事)
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慢性炎症 糖化と酸化
慢性炎症と糖化や酸化は複雑に関連しており、いずれも細胞機能を低下させ老化の原因となります。
老化と、糖化、酸化、炎症の関係について
糖化(グリコキシデーション)とは、糖分子がタンパク質や脂質と非酵素的に結合する生化学的反応です。この反応によって生成された高分子は「AGEs(Advanced Glycation End-products)」と呼ばれ、これが細胞や組織に蓄積すると機能が低下します。たとえば、AGEsはコラーゲンと結合することで皮膚の弾力性を低下させる可能性があります。糖化はまた、糖尿病や心血管疾患とも関連しているとされています。
酸化ストレスは、体内で生成される活性酸素種(ROS:Reactive Oxygen Species)が抗酸化メカニズムを上回り、細胞構造にダメージを与える状態を指します。ROSは通常、代謝プロセスの副産物として生成され、一定の量では必要な役割を果たします。しかし、過度な酸化ストレスはDNA、タンパク質、脂質にダメージを与え、これが老化や様々な疾患(がん、心疾患、神経変性疾患など)につながると考えられています。
炎症は基本的には、体が感染や怪我に対する防御反応です。しかし、炎症が持続する(慢性炎症)と、健康な組織にもダメージを与える可能性があります。慢性炎症は、老化の進行に大きく寄与すると広く考えられています。サイトカインと呼ばれる炎症性の分子が血流に放出されることで、細胞間の通信やティッシュの修復メカニズムに影響を与える可能性があります。
これらのプロセスは
相互に関連している場合が多く、一つが他のプロセスを引き起こす、または悪化させる可能性があります。例えば、糖化は酸化ストレスを高める可能性があり、酸化ストレスは炎症を引き起こす可能性があります。このように、これらの要素は複雑な相互作用を持っており、それが全体として老化に寄与していると考えられています。
この中でも、慢性炎症は、老化だけでなく、糖尿病、がん、うつ、アルツハイマー型認知症、などの病気の原因の一つになっている可能性が示唆されています。
菓子パンや清涼飲料水、甘い乳飲料などに含まれる「果糖ブドウ糖液糖」をできるだけ避けることも大事です。 また、血中の糖濃度が低い時間をできるだけ長くするためには、血糖値を急に上げないことも重要です。繊維質の多い野菜サラダを先に食べるなど、順番を工夫するのも有効です。それだけでも糖化=老化が防げます。 一方、腸の炎症によって起こるのは体の酸化です。酸化はサビとも言われますが、抗酸化力を持つ食品をとることで防ぐことができます。
■間違いだらけの「牛乳信仰」 そもそも、毎日同じものを食べることにはアレルギーのリスクが伴います。頻繁に食べるものは抗原になりやすいのです。たんぱく質を摂取することは老化防止のためにも非常に重要ですが、毎朝牛乳を飲む、毎朝ヨーグルトを食べるといった習慣はおすすめしません。乳製品には依存性がありますから、冷蔵庫に常備するのを思いきってやめましょう。そのかわりに、豆腐、納豆、魚などの多種多様なたんぱく質を日替わりでとるのが理想です。 「牛乳を飲まないと骨が折れやすくなる」と信じている人もいるでしょう。今でも毎日給食で子どもたちに牛乳を飲ませている地域が圧倒的多数です。こうした「牛乳信仰」は根強いものですが、私に言わせれば毎日牛乳を飲むことは腸にとって危険な行為です。 健康な体を保ちたいなら、牛乳からカルシウムをとることよりも、魚からビタミンDをとることを意識してください。日本人の98%がビタミンD不足であることが東京慈恵会医科大学の調査によって明らかになり、大きな話題になりました。ビタミンDはカルシウム代謝に関係し、骨を丈夫にする作用があることで知られています。さらに、免疫力をアップさせ、アレルギー症状を改善することもわかっています。小腸の粘膜を正常に保ち、免疫の過剰反応を抑える作用があるのです。 アメリカでビタミンDと新型コロナウイルス感染症の関係を調べたところ、ビタミンDの血中濃度が高い人ほど、PCR検査での陽性率が低いことがわかりました。ビタミンDの血中濃度と陽性率との相関が最大になる濃度は55ng/mL程度でした。日本内分泌学会や日本骨代謝学会が推奨する目安は30ng/mLですが、免疫の観点からは、もっと高い濃度にしなければいけないのです。ただし、日本人の98%はこの30ng/mLにも届いていないのが実情です。 ビタミンDは、コレステロールを原料として、太陽の紫外線を浴びることによって皮膚でつくられます。最近は「紫外線が体に悪い」という情報が浸透し、紫外線を避ける人が増え、ビタミンDがつくれなくなっています。ビタミンDを生成するのは紫外線の中のUVBで、洋服や窓ガラスを通過できません。日焼けするまで浴びなくても、1日15分以上、直射日光を浴びれば確実につくられます。また、ビタミンDは魚の内臓に多く含まれます。イワシを丸ごと食べたり煮干しを食べるのもおすすめです。 ビタミンDに関しては、サプリメントで補うのもいいでしょう。過剰摂取すると障害が起きますが、市販サプリメントに含まれている程度の量で過剰摂取になることは考えられません。 筋肉とビタミンDとの関係も研究が進んでいます。オーストラリアの実験では、65歳以上の女性を2つのグループに分けて検証しました。一方のグループにはビタミンDを摂取してもらい、もう一方にはプラセボ(偽薬)を飲ませました。どちらのグループにも運動せずに生活してもらって4カ月後に筋肉量を測定したところ、ビタミンDを飲んだグループのほうが明らかに筋肉は増えたのです。介護予防の観点からも、ビタミンDは重要です。