初心の初を初々しさと読んだ。初々しさは芸における粗削りである。その動きは不器用そのまま、見るからに、初心であるが、是非にも見る芸のはじまりから、これをおいてのほかはない動きである。その初心とは果敢でさえある。その果断心がよい。能の舞を見ていて、いつも思っていた。舞がうまいのはねむっているから、ねむらせることのない動きが感じられれば素晴らしい。鬼気せまる、妖気あふれる、初心のものである。さてそれが、老後の初心にもとめられるのは老後の風体にあるというのだから、年寄ること、それなりに年寄りの動きを持つということである。わがあこがれの、つえをついての自然なふるまいである動きとは、まさに老後である。それも50歳余りであれば、これは平均寿命で考えるか、どうするか。気づけば、つまずくし、階段に足が上がらない。老後の初心である。これを知れば、それまでの動きなどはどこへやら、秘めたる思いに動きをすることになるから、老後の初心はおなじく、壊れんばかりの迫力満点になる、と、思うのだけれども、初心のままに動けばよいのである。命の燃え続ける限りは、老後の初心を知るとは、果てのないことである。 . . . 本文を読む
二百十日はザッセツである。雑節と文字変換しないからこのメモリー辞書に読みがない。日本百科全書に、>日本の暦(こよみ)で二十四節気(せっき)以外の、季節の目安となるような日をいう。現在、暦には節分(せつぶん)、彼岸(ひがん)、社日(しゃにち)、八十八夜(はちじゅうはちや)、入梅(にゅうばい)、半夏生(はんげしょう)、二百十日、土用(どよう)が記載されている。 とある。二百十日は立春から、210日目にあたる日である。二十四節気以外に季節の移り変わりを示すためとなると、9月1日をあらわすのは、一方でまた、防災の日ともなるように、夏の暑さを吹き飛ばす台風の季節始まりでもある。ちなみに、台風15号が関東沖を通過している今日である。 . . . 本文を読む