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日本語語彙論 命名人名

2013-10-31 | 語と語彙
語には名付けのことがある。森羅万象に人間は名前を与えてきたのである。なまえ という語は、また、なぜ、前というのか、名が何であり、前がなんであるかを考える日本語は、語の成り立ちがどういうものであるかを知らしめる。名前についていうと、この用例は辞書では、*浄瑠璃・井筒業平河内通〔1720〕二「表むきの名まへは祖母が夫、かんじんの正味はそなたの殿御」と見える。18世紀の初めのこと、*浮世草子・世間手代気質〔1731〕三・二「身も好た端商止むる心底で、則ち自今名前(ナマヘ)をかへても、たてり商(あきなひ)をせまいといふ」という例もあり、表向きの名前とはなんであろうか。名前を変えてもとある例でいえば、名前は手前の前と同じようである。この語は近代になって用いられていくようなことが用例からうかがえる。名前は一方で名字としてとらえらえた。苗字である。苗字帯刀のこと、姓名、氏名のことである。命名人名についてこうしてみると、は氏姓制度にあって歴史を持つことがわかる。



日本大百科全書(ニッポニカ)
姓名より。
> 日本における姓氏についての大きな変革は明治になって実施された。それまでは普通の農民などは苗字をもつことが許されなかった。ただし村で特別の功績のあった大百姓などが藩主の許しを得て苗字帯刀を認められた。これに対して明治の新政府は1870年(明治3)9月19日に平民の苗字を差し許すとの新法を発布した。しかるに長年苗字のないことに慣れた百姓町人は新しく苗字をつける熱心さを示さなかった。そこで政府は困って75年2月13日に太政官(だじょうかん)令にて「自今必ず苗字を相唱う可(べ)く、尤(もっと)も祖先以来苗字不分明の向は新たに苗字を設く可し」と強制的に苗字を必唱せしめた。ところが平民たちは何とつけたらよいかと困って村長をはじめとする吏員たちに相談したので、役所でも閉口して煎茶(せんちゃ)の品銘をとってつけたり、愛媛県のある漁村では魚の名をそれぞれにつけたという珍談を生じた。また有名な公家(くげ)や武家の苗字をつけてお叱(しか)りを受けやしないかと心配する者もあった。
 人の実名は名乗りともいわれたもので、これは普通は口にせず、八幡太郎(はちまんたろう)とか源九郎(げんくろう)といった通称や字(あざな)によってよばれていた。字とは、中国の風習に倣ってつけた、実名以外の名である。この風は平安時代末期から鎌倉時代にかけて固定されるようになり、とくに武家の間に固定されるようになった。実名は同輩以下の者が勝手によぶべきものでなく、貴人が死去したとき、その生前の実名を諱(いみな)と称した。また死後に贈られる名は諡(おくりな)といい、同義に解するのは誤りである。

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