日本と書く。にっぽん にほん いずれかと問われれば、日本だと答える。
にっぽん にほん どちらも使うからよいし、決めたものではない、と。
しかしひとたび Nippon Nihon のどちらも使うとなると、待てよと、発音をローマ字で書くときは、Ni-HoN については、Nion となりそう。
で、Nippon を表記する。これは海外での国名にJapanと呼ぶか、そうでない、発音表記ともなっている。
これは解決したようで、にっぽん の、発音を求めてもかなり難しい。音韻の事柄となるから、日本語で解決するだけである。
にっぽんご にほんご このいずれかは、にほんご と、仮名文字で書いて教科書の表題にするものもあるから、1音ずつの に ほ ん 語 と読ませる。
国語では、にっぽん にほん と言う、しかし、その読みを付けた、かな表記をさかのぼってみることは難しい。
歴史書も国語文献でも、その実際は見つけがたい。日本 と見えて、どう発音したか。
が、にっぽん については、江戸時代の戯作、19世紀初め、滑稽本にフリガナが見える。
またポルトガルの日葡辞書には国名の3通りの発音が見える。
17世紀の始め、2つの書き方のほか、つまり読みのほか、もう一つは、ジッポン である。
これについては語の採集における漢字音の問題がある。
国語と日本語に解決しない事柄であるから、日本国 と書いて、それでよいとしてきているわけである。
しかし、日本を、にっぽん にほん という二つの読み方になるのはなぜか、という問題を解決するものはない。
いっぽん にほん さんぼん であって、
いっぽん にっぽん さんぽん ではない。
いっぷん にふん さんぷん であって
いぃふん にふん さんふん ではない。
この発音をとらえてコセリウに師事して、ドクターを獲た方がいるが・・・
コセリウ 言語学選集 全4冊揃 三修社 刊行年1982