副作用ではない、副反応という。
>ワクチンについて起こる場合『副反応』と言います 病院の言葉をわかりやすく
新型コロナワクチンのリスク・ベネフィットとワクチン接種後の副反応に対する評価について、という長い標目で、ワクチン接種についてみると、有害事象などと言及がある。
AE、Adverse Eventの説明は、医薬品の使用と時間的に関連のある、あらゆる好ましくない、意図しない徴候、症状又は疾病のことらしい。
この例はどうだろうと、関連があるのか、ないのか。
>当該医薬品との因果関係の有無は問わない。例えば、ワクチン接種後に地震が発生して負傷した場合も、ワ
クチン接種との因果関係にかかわらず、時間的な関連があるためAEとして扱われる。
SAE 、Serious Adverse Eventは重篤なAEである。
ファイザー社のワクチンに係る副反応疑いの報告状況がある。
> 米国 7,307件(約1000万回接種)
・アナフィラキシーについては、50件報告されている(5件/100万回接種)。
・死亡例については、113件報告されている。(あらゆる原因によるワクチン接種後の死亡が含まれる)
・頭痛、疲労、めまい、吐き気、悪寒、発熱、疼痛、注射部位疼痛、四肢痛、呼吸困難
そこで問題の副反応は、予防接種による不可避な副反応に見える。
軽度だが軽度だが頻度が高い副反応の例
重度だが頻度が低い副反応の例
分けて、それぞれに、
軽度は、
• 接種部位の局所反応
症状:発赤・腫脹(通常、3-4日で消失)
硬結(1か月続く場合もある)
治療:治療の必要のない場合がほとんど。局所の冷却などで改善する。
頻度:3.7%(麻しん風しん1期)
9.1%(インフルエンザ)
• 全身性の反応
症状:発熱、全身倦怠感、頭痛
治療:通常、48時間以内に自然軽快。アセトアミノフェンなどの投与を行う。
頻度:18.0%(麻しん風しん1期・発熱)
1.5% (インフルエンザ・全身倦怠感)
重度は、
アナフィラキシー(アレルギーの一種)
症状:蕁麻疹、唇・手足の痺れ、まぶたの腫れ、息苦しさなど
治療: 重度の場合はアドレナリン・抗ヒスタミン
薬・ステロイドなどの投与を行う。
頻度:0.00004%(インフルエンザ)
• ギランバレー症候群
症状:両足の力が入らなくなったり(筋力低下)、
両足がしびれたり(異常感覚)する。
治療:免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法などを行う。
頻度:0.0001%(インフルエンザ)
接種によるベネフィットが上回る
予防接種は、体内に異物を投与し免疫反応を誘導するため、何らかの事象が生じる可能性があり、100%の安全性を求めることはできない。
有効性が副反応のリスクを上回る場合、接種が許容されるが、丁寧な情報発信・説明の上で、被接種者の同意がある場合に接種することとなる。
有効性は多くの人が享受する一方で、重度の副反応は一部の人に生じるものであることから、このようなリスクを分かち合う意味からも、健康被害救済制度の整備が重要である。
以上は、次による
ワクチンの副反応に対する 考え方及び評価について - 厚生労働省https://www.mhlw.go.jp › content
2021/02/11 — 例:インフルエンザワクチンでは、一定の発症予防効果(研究により20から60%)や、重症化を予防する効果が示さ. れているが、集団免疫効果はこれまで実証されていない。 8. Page 9. 予防接種による不可避な副反応. ○ ...
副作用と副反応と有害事象の違いとは
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000739054.pdf
第51回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和2年度第11回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催) 資料3
2021(令和3)年2月15日
ワクチンの副反応に対する考え方及び評価について
https://www2.ninjal.ac.jp/byoin/teian/ruikeibetu/teiango/teiango-ruikei-b/hukusayo.html
>
44.副作用(ふくさよう)
(類型B-(2))もう一歩踏み込んで明確に説明する
[関連] 有害事象(ゆうがいじしょう)(類型B) 副反応(ふくはんのう)(類型A) ステロイド(類型B)
抗(こう)がん剤(ざい)(類型B) 糖尿病(とうにょうびょう)(類型B)
まずこれだけは
病気を治すために使った薬による,望んでいない作用
少し詳しく
「どんな薬にも目的に合った働きと目的に合っていない働きとがあります。例えば風邪薬を飲むと,風邪の症状を抑える反面,眠くなることがありますが,眠くなるのは,副作用です。副作用には害のあるものもあれば,害のないものもあります。もし有害な反応が出てしまった場合は,すぐに電話などで連絡してください」
時間をかけてじっくりと
「薬による,病気の治療に役立たない働きや,有害な反応のことを広く「副作用」と呼んでいます。副作用は,薬がもたらす光に対する影の部分と言えます。副作用には害のあるものもあれば,害のないものもあります。害のあるものの場合は,特に丁寧に説明しますので,よく聞いてください。どんないい薬にも副作用はあります。からだに害を与えるものを『有害事象』と言うことがあります」
こんな誤解がある
漢方薬には副作用がないと思い込んでいる人が多い(誤解率27.0%)。漢方薬を処方するときにも,副作用が起きることがあることを言い添えるなど,どんな薬にも副作用があることを理解してもらうように努めることが必要である。
反対に,ステロイド(→24)や抗がん剤(→33.化学療法[関連語])など,ある種の薬には強い副作用があって危険だ,と思い込んでいる人も多い。副作用が怖いからといって,服用をやめたり,量を減らしたりしてよいと思っている人も多い(誤解率26.1%)。副作用があるからといって過度に怖がることはないことを伝えることも重要である。
糖尿病(→40)で血糖値を下げる薬を飲んでいるときに食事が遅れると低血糖になる場合がある。これを副作用と誤解する人がいるが,これは薬そのものの作用である。
不安を和らげる
すべての薬に副作用があるということを述べた上で,それでもこの薬を使う理由は,副作用より好ましい作用が大きいからだ,ということを納得してもらうとよい。医師がその薬の副作用のことをきちんと理解した上で,選んでいるということを説明するだけで,患者の不安はかなり減る。
患者にとって副作用の可能性が大きい薬を飲むことには不安がつきまとう。[言葉遣いのポイント]を参考に副作用が出たときの対処方法をきちんと説明し,何かあったときはすぐに(次の診療まで待つのではなく)医師の指示を仰ぐように言っておけば,患者の不安は軽減する。
言葉遣いのポイント
薬を処方する際にはいつも,「どんな薬にも必ず副作用が出ることがあります。副作用が出るかどうかは処方する医師でも完全に予測することはできません。もし薬を飲んで具合の悪いことがあったら,薬を飲むのをやめて,すぐに電話で連絡してください」と話しておくことが大切である。
ここに注意
薬で副作用が出ると「悪い薬」を出されたと患者は思ってしまい,同時にそれを出した医師を「悪い医者」と思ったりもする。薬剤一つ一つの副作用の説明を「各論」とすれば,日ごろから「薬には必ず副作用がある」ことをいつも説明しておく「総論」がより大切である。
関連語
副反応(類型A)
[説 明]
「ワクチンの予防接種によって起こる,望んでいない反応です。薬の副作用と同じことが,ワクチンについて起こる場合『副反応』と言います。どんなワクチンにも副反応があり,からだにとって害のあるものもあれば,害のないものもあります」
[注意点]
副作用の場合と同じく,過度に不安に感じる人がいるので,不安を軽減する言葉遣いの工夫が望まれる。
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提案
「病院の言葉」を分かりやすくする提案
まえがき
Ⅰ.「病院の言葉」を分かりやすくする提案を行う目的
Ⅱ.「病院の言葉」を分かりやすくする工夫の類型
Ⅲ.類型別の工夫例
Ⅳ.検討の経過
Ⅴ.中間報告に寄せられた意見
Ⅵ.資料
提案に取り上げた語の一覧(複合語・関連語を含む索引)
提案(最終報告)印刷用PDF
書籍
書籍「病院の言葉を分かりやすく-工夫の提案-」
調査
「病院の言葉」にかかわる調査
医師に対する
問題語記述調査
医療者に対する
用語意識調査
非医療者に対する
理解度等の調査
参考:言葉の頻度調査
(コーパス調査)
委員会
国立国語研究所「病院の言葉」委員会
設立趣意書
委員名簿
議事要旨
活動の記録
関連組織
もちろん、副作用が患者さんにとって悪影響を及ぼすケースもあるわけですが。
「副反応」というのは、ほとんどの場合「アレルギー」「アナフィラキシー・ショック」といった免疫系の問題なのですが、「ワクチン」(語源は「種痘」だそうです。牛痘由来と云われていましたが、「ワクシニアウイルス」は馬由来だそうです)の場合、アレルギー以外のケースで後遺症があったりします。
「副反応」という用語について、もうちょっと掘り下げてもいいかと思います。