成年式と成人式は同じか。それは違う。その淵源を求めるなら、語の起源によって、ちがいを知ることになる。中日新聞がトップ記事に見出しにした。記事には、見出しが、成人式は名古屋が発祥? 定説の埼玉・蕨に先駆け と見えて、名古屋市の成年式としてそれを報じた1934年、昭和9年の日本青年新聞の記事を掲げる。ただこの記事は研究論文の発表前の情報によってスクープとするもので、いまから述べる真偽のほどは、3月以降のこととなるが、どうも、名古屋市が行ったというところで、名古屋市連合青年団主催とあるが、それをもって名古屋市主催であるかどうかのところで、記事に齟齬がありそうである。成年となれば、またこの語には、元服式の意味あいがあって、元服精神の復活 名古屋市連合青年団主催の青年団成年式 と見える通りのことである。どうも、名古屋で成年式が行われた、というのと、名古屋市発祥で、名古屋市が成年式を行ったというのは、この記事を読む限り、同一には見えない。記事の解説につけた青年団の意味にも、時代が影響している。成年と言わず、成人というようになった時代の変遷があることを、この新聞論調らしくないところでなかろうか。
成人式は名古屋が発祥? 定説の埼玉・蕨に先駆け
2018/1/8 朝刊
>
名古屋市の「成年式」を報じた1934(昭和9)年の日本青年新聞の記事
八日の成人の日にあわせ全国で開かれている成人式は、これまで埼玉県蕨(わらび)市(旧蕨町)が一九四六(昭和二十一)年に開催した「成年式」が始まりとされてきたが、名古屋市ではこれより十年以上前の三三(同八)年に成年式が開かれていたことが、民俗学者らの研究で明らかになった。
新成人123万人、総務省推計 戌年生まれ976万人
2017/12/31 17:00
>総務省の人口推計
2018年1月1日 123万人
1億2660万人に占める割合は0・97%
戌年生まれの年男、年女 76万人。
新成人は、男性63万人、女性60万人。
統計がある1968年以降でピークだった70年の246万人の半数に落ち込んだ。
平成に入り初めて1月1日を迎え他90年は188万人だった。
第2次ベビーブーム世代が成人した後の90年代半ばから減少傾向が続いており、国立社会保障・人口問題研究所は25年に108万人になると推計している。
(共同)
日本国語大辞典より
せいねん‐しき 【成年式】
解説・用例〔名〕
(1)天皇または皇族が、成年に達したときに行なう儀式。
*皇室成年式令(明治四二年)〔1909〕一条「天皇成年に達したるときは其の当日成年式を行ふ」
(2)「せいじんしき(成人式)(2)」に同じ。
*風俗画報‐二〇〇号〔1899〕成年式「成年式(セイネムシキ)は、昔時の元服式に同じく、始て一人独立の身となり、爰に人生の権利を取得するの祝賀式をいふ」
*地の群れ〔1963〕〈井上光晴〉一一「自分の店で使っている今年成年式をあげた夜間高校生の店員と」
せいじん‐しき 【成人式】
解説・用例〔名〕
(1)成人の日に、国または地方自治体、企業などが中心になって行なう新成人のための祝典。
(2)ある年齢に達した子どもを一人前の成人として認めるために行なう種々の儀式。日本の元服などもこれに類する。成年式。→イニシエーション。
せいねん‐だん 【青年団】
解説・用例〔名〕
一定地域に住む青年によって組織された自治団体。地域青年団。修養・親睦・社会奉仕を目的とし、若者組以来の伝統を持ち、明治中期頃から各地に結成されたが、大正期頃から内務・文部両省により官製青年団として再編成され、次第に軍国主義的になっていった。第二次世界大戦後は自主的な団体として学習活動、レクリエーション、社会活動に取り組んでいる。昭和三五年(一九六〇)以降は農村青年の都市流出に伴い、その活動は低調化している。青年会。
*風俗画報‐二八八号〔1904〕征露雑観「面白き趣向をして練出でたる青年団の張子の大砲を曳き甲冑武者を出したる抔」
*二人の友〔1915〕〈森鴎外〉「F君は先月青年団(セイネンダン)から貰った金で前払をしたのである」
*生活の探求〔1937〜38〕〈島木健作〉一・六「村の青年団の幹事」
*雪国〔1935〜47〕〈川端康成〉「除雪人夫延人員五千名に加へて消防組青年団の延人員二千名の」
じょし‐せいねんだん[ヂョシ‥] 【女子青年団】
解説・用例〔名〕
一定地域に住む女子で組織された自治団体。修養、親睦、社会奉仕を目的とするもの。男子だけで構成された青年団に対する。
*モダン用語辞典〔1930〕〈喜多壮一郎〉「女子青年会、女子青年団(ジョシセイネンカイ、ジョシセイネンダン) 義務教育終了後結婚までの女子をもって組織する社会教育団体」
だいにほん‐せいねんだん 【大日本青年団】
解説・用例
大正、昭和初期の青年団の文部省、内務省、軍部による全国的統一組織。大正一四年(一九二五)大日本連合青年団として発足し、昭和一四年(一九三九)大日本青年団に改編。同一六年大日本青少年団となり、翼賛体制の一翼を担った。
成人式は名古屋が発祥? 定説の埼玉・蕨に先駆け
2018/1/8 朝刊
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名古屋市の「成年式」を報じた1934(昭和9)年の日本青年新聞の記事
八日の成人の日にあわせ全国で開かれている成人式は、これまで埼玉県蕨(わらび)市(旧蕨町)が一九四六(昭和二十一)年に開催した「成年式」が始まりとされてきたが、名古屋市ではこれより十年以上前の三三(同八)年に成年式が開かれていたことが、民俗学者らの研究で明らかになった。
新成人123万人、総務省推計 戌年生まれ976万人
2017/12/31 17:00
>総務省の人口推計
2018年1月1日 123万人
1億2660万人に占める割合は0・97%
戌年生まれの年男、年女 76万人。
新成人は、男性63万人、女性60万人。
統計がある1968年以降でピークだった70年の246万人の半数に落ち込んだ。
平成に入り初めて1月1日を迎え他90年は188万人だった。
第2次ベビーブーム世代が成人した後の90年代半ばから減少傾向が続いており、国立社会保障・人口問題研究所は25年に108万人になると推計している。
(共同)
日本国語大辞典より
せいねん‐しき 【成年式】
解説・用例〔名〕
(1)天皇または皇族が、成年に達したときに行なう儀式。
*皇室成年式令(明治四二年)〔1909〕一条「天皇成年に達したるときは其の当日成年式を行ふ」
(2)「せいじんしき(成人式)(2)」に同じ。
*風俗画報‐二〇〇号〔1899〕成年式「成年式(セイネムシキ)は、昔時の元服式に同じく、始て一人独立の身となり、爰に人生の権利を取得するの祝賀式をいふ」
*地の群れ〔1963〕〈井上光晴〉一一「自分の店で使っている今年成年式をあげた夜間高校生の店員と」
せいじん‐しき 【成人式】
解説・用例〔名〕
(1)成人の日に、国または地方自治体、企業などが中心になって行なう新成人のための祝典。
(2)ある年齢に達した子どもを一人前の成人として認めるために行なう種々の儀式。日本の元服などもこれに類する。成年式。→イニシエーション。
せいねん‐だん 【青年団】
解説・用例〔名〕
一定地域に住む青年によって組織された自治団体。地域青年団。修養・親睦・社会奉仕を目的とし、若者組以来の伝統を持ち、明治中期頃から各地に結成されたが、大正期頃から内務・文部両省により官製青年団として再編成され、次第に軍国主義的になっていった。第二次世界大戦後は自主的な団体として学習活動、レクリエーション、社会活動に取り組んでいる。昭和三五年(一九六〇)以降は農村青年の都市流出に伴い、その活動は低調化している。青年会。
*風俗画報‐二八八号〔1904〕征露雑観「面白き趣向をして練出でたる青年団の張子の大砲を曳き甲冑武者を出したる抔」
*二人の友〔1915〕〈森鴎外〉「F君は先月青年団(セイネンダン)から貰った金で前払をしたのである」
*生活の探求〔1937〜38〕〈島木健作〉一・六「村の青年団の幹事」
*雪国〔1935〜47〕〈川端康成〉「除雪人夫延人員五千名に加へて消防組青年団の延人員二千名の」
じょし‐せいねんだん[ヂョシ‥] 【女子青年団】
解説・用例〔名〕
一定地域に住む女子で組織された自治団体。修養、親睦、社会奉仕を目的とするもの。男子だけで構成された青年団に対する。
*モダン用語辞典〔1930〕〈喜多壮一郎〉「女子青年会、女子青年団(ジョシセイネンカイ、ジョシセイネンダン) 義務教育終了後結婚までの女子をもって組織する社会教育団体」
だいにほん‐せいねんだん 【大日本青年団】
解説・用例
大正、昭和初期の青年団の文部省、内務省、軍部による全国的統一組織。大正一四年(一九二五)大日本連合青年団として発足し、昭和一四年(一九三九)大日本青年団に改編。同一六年大日本青少年団となり、翼賛体制の一翼を担った。