文章論は文法論におけるシンタクスになる。統辞論また統語論がその分野を担うが、すでにその捉え方においてそうであるように、言語のシンタグマとパラディグマを日本語文法で分析すると、文法機能辞によって語と語との意味が明らかである。シンタグマの関係は時間的な順序に配列すると縦の系列で表れる。しかもそれは、イメージのように言うと、下から上へと、古い時間から新しい時間へと上がってきて、それ自体は不可逆であるのが時間であり、言語はその線に沿って展開すると考える。これを日本語の表記法による縦書きでとらえればわかりよくなるが、右から、そして上から下へと時間順序をとるので、そのままのイメージになってしまうことが多い。文章はまさに。その縦書きによっていた。しかし、日本語に横書きの時間的継起の捉え方が、とくに欧文の移入によって行われるようになり、シンタグマの系列は横であるとの観念がある、それは縦と横の関係を、目に見える表記法で意識してしまうからであるが、多くの誤解を生んでいるようである。表記において日本語の縦書きと欧文の横書きと、それが文法の捉え方となってしまうので、観念では縦横が入り組むことになる。それで、こんがらがっている、時空の軸の捉え方ではもとより、クロスする縦の系列がシンタグマであり、ヨコの系列がパラディグマであって、それが、日本語で表記されたときに、欧文の横に倣ってしまって見ているので、縦と横との見方が逆転していることになる。わたしたちが文章で縦に見るのは、その時空の観念にあっているが、その発想を欧文の書き方に倣って理解しょうとして、文字系列の並びで、シンタグマがヨコの関係であり、パラディグマがそこに起こる縦の関係のように捉えてしまっているというような説明があることになる。シンタグマを語順とみる、パラディグマを活用表とみる、それが時間の系列と空間の系列に配される、ということである。わたしたちの時間の記憶にも、古い方から新しい方へと、時間としては過去から現在へとさかのぼってくるので、それが下からくるか、右からくるか、そういう違いをみると、言語の表記はそのいずれでもないことになるので、そこが理解されていないと、説明のとり方にややこしいということになる。空間の水平に対しては、感覚的には、クロスを逆転させることはない。
次はすでに、引用してきたものを再掲する。
http://retpagxo.xxxxxxxx.jp/linguistics.html
Lingvistiko
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シンタグマティックな関係 syntagmatic relations :連辞関係。隣り合う要素同士の関係。他と置き換えられない関係。「緑の」「黒髪」は「青の」「黒髪」と置き換えられない。→パラディグマティックな関係 →構造
パラディグマティックな関係paradigmatic relations :範列関係。置き換え可能な要素の関係。「赤い」「花」は「青い」「花」でも、「赤い」「鼻」で可能。そんな関係→シンタグマティックな関係 →体系
http://d.hatena.ne.jp/mitzubishi/20110216
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2011-02-16 シンタグマとパラディグマAdd Star
◎シンタグマ(syntagma, pl. sytagmata)
これの派生語はシンタックス(統語論)なので、シンタグマと聞いた時には、ただしい統語すなわち、正しい語順などを想起すればよい。つまり、時間系列により語があらわれるのが語順であり、語順の論理構造を統御しているのがシンタックスだからだ。
言い換えれば、シンタグムは、「換喩の系列」でもある。つまり、構文という全体を構成する要素の集まりが、単語である。また、構文は、あるメッセージを正確に伝える「機能」をもつので、陳述的(predicative)である。
この語は、きちんと並べるというギリシャ語 syntassein に由来する。
シンタグマ=統語論=換喩の正しい系列
パラディグマ=パラダイム(paradigm)
トマス・クーンの『科学革命の構造』で一躍有名になった言葉だが、パラダイムは科学史・科学社会学の専門用語ではなく、たんなる文法用語で、【語の活用表】のことである。
パラダイムにおいては、同じ意味(素)を共有する語の、活用(たとえば人称と接頭辞・接尾辞・語形変化などなど)にしたがって変化するものだが、それらは、どれとして同じではないが、共通の語根・語幹や意味(素)をもつ。つまり、それらは全体で全体を表現する(=隠喩)、ことなった表象形態なのである。
パラディグムはその意味で、隠喩の系列である。これは、時系列によって換喩的要素が現れるシンタグマ的構造とは、根本的にことなる構造をとる。また、同時系列のなかで、同じものが存在せず、代置的 (substitutive)配列をとることで、人称の異なった意味を派生させる。
パラディグマ=パラダイム(活用表)=代置的配列
1184 「シンタグマティック」と「パラディグマティック」
これは 1183 [Re^3:現代ギリシャ語] への返信です
http://ijustat.com/gaikokugo/lycosclub/
http://ijustat.com/gaikokugo/lycosclub/1184.html
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慣れてしまえば何かと便利なこの概念(つまり、考えるときの道具)も、初めは使い慣れなくて、不便するものです。
シンタグマティック(syntagmatic)というのは、日本語の先生たちは、“横の関係”と呼んでいます。そして、パラディグマティック(paradigmatic)を、“縦の関係”と呼んでいます。何でそう呼ぶかというと、シンタグマティックというのは、文章が横にずらずらと並んでいる、その並びかたを言うからで、パラディグマティックは、その並んでいる文章のある単語が他の単語と入れ替えられる選択肢を書くと、どうしても、その横に並ぶ文章の上下に、縦に単語を並べることになるからです。
で、シンタグマティックという語を分析すると、“シン(syn)”というのは“いっしょ”の意味で、“タグマ(tagma)”は“並べる”と言う意味で、二つを合成すると、秩序よく並べるという意味になるのです。秩序よく並んでいるから、“シンタクス(syntax)”を“構文”とか“統語(構造)”というわけです。もともとは軍隊の整列にこの語を用いたようです。そういう風にきちんと並んでいるから、文章でいえば“横の関係”になるわけです。だから、文字をでたらめに並べただけだったら、シンタックスとは言わないかもしれませんね。『日本語表現活用辞典』(明治書院)のような辞書は、この関係において、作文を助けるものです。コリンズの英英辞典も、この関係の説明が、ぴか一です。
それから、パラディグマティックという語を分析すると、“パラ(para)”というのは“並行して”という意味で、“ディグマ(digma)”は“見せる”という意味で、二つを合成すると、並べて比較するというような意味になります。“パラダイム(paradigm)”は、“変化表”ですよね。変化表は、ある語の変化形を並べて比較するから、“変化表”になるわけです。そして、横組みの文章の途中で、ある語と関係のある語を並べて比較するときは、その語の上下に並べるので、“縦の関係”というわけです。類義語辞典のたぐいは、この関係において、作文を助けるものです。
ちなみに、古典ギリシャ語の“パラデイグマ(paradeigma)”を辞書で見ると、“範例、モデル、原形、(建造物の)設計;実例、見本;手本、前例;教訓、見せしめ;実例による証明”と、幅広い意味があるようです。これも、“並べて比較する”という意味から派生したたくさんの意味なのでしょう。
参考までに、“タグマ”の原形は“タットー(tatto)”で、“ディグマ”の原形は“デイクニュミ(deiknymi)”です。ちょっと変化が激しすぎますよね。
おさらいすると、文章が横に並んでいるということを前提として、横の関係か、縦の関係か、ということが、この二つの用語の概念なのです。
次はすでに、引用してきたものを再掲する。
http://retpagxo.xxxxxxxx.jp/linguistics.html
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シンタグマティックな関係 syntagmatic relations :連辞関係。隣り合う要素同士の関係。他と置き換えられない関係。「緑の」「黒髪」は「青の」「黒髪」と置き換えられない。→パラディグマティックな関係 →構造
パラディグマティックな関係paradigmatic relations :範列関係。置き換え可能な要素の関係。「赤い」「花」は「青い」「花」でも、「赤い」「鼻」で可能。そんな関係→シンタグマティックな関係 →体系
http://d.hatena.ne.jp/mitzubishi/20110216
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2011-02-16 シンタグマとパラディグマAdd Star
◎シンタグマ(syntagma, pl. sytagmata)
これの派生語はシンタックス(統語論)なので、シンタグマと聞いた時には、ただしい統語すなわち、正しい語順などを想起すればよい。つまり、時間系列により語があらわれるのが語順であり、語順の論理構造を統御しているのがシンタックスだからだ。
言い換えれば、シンタグムは、「換喩の系列」でもある。つまり、構文という全体を構成する要素の集まりが、単語である。また、構文は、あるメッセージを正確に伝える「機能」をもつので、陳述的(predicative)である。
この語は、きちんと並べるというギリシャ語 syntassein に由来する。
シンタグマ=統語論=換喩の正しい系列
パラディグマ=パラダイム(paradigm)
トマス・クーンの『科学革命の構造』で一躍有名になった言葉だが、パラダイムは科学史・科学社会学の専門用語ではなく、たんなる文法用語で、【語の活用表】のことである。
パラダイムにおいては、同じ意味(素)を共有する語の、活用(たとえば人称と接頭辞・接尾辞・語形変化などなど)にしたがって変化するものだが、それらは、どれとして同じではないが、共通の語根・語幹や意味(素)をもつ。つまり、それらは全体で全体を表現する(=隠喩)、ことなった表象形態なのである。
パラディグムはその意味で、隠喩の系列である。これは、時系列によって換喩的要素が現れるシンタグマ的構造とは、根本的にことなる構造をとる。また、同時系列のなかで、同じものが存在せず、代置的 (substitutive)配列をとることで、人称の異なった意味を派生させる。
パラディグマ=パラダイム(活用表)=代置的配列
1184 「シンタグマティック」と「パラディグマティック」
これは 1183 [Re^3:現代ギリシャ語] への返信です
http://ijustat.com/gaikokugo/lycosclub/
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慣れてしまえば何かと便利なこの概念(つまり、考えるときの道具)も、初めは使い慣れなくて、不便するものです。
シンタグマティック(syntagmatic)というのは、日本語の先生たちは、“横の関係”と呼んでいます。そして、パラディグマティック(paradigmatic)を、“縦の関係”と呼んでいます。何でそう呼ぶかというと、シンタグマティックというのは、文章が横にずらずらと並んでいる、その並びかたを言うからで、パラディグマティックは、その並んでいる文章のある単語が他の単語と入れ替えられる選択肢を書くと、どうしても、その横に並ぶ文章の上下に、縦に単語を並べることになるからです。
で、シンタグマティックという語を分析すると、“シン(syn)”というのは“いっしょ”の意味で、“タグマ(tagma)”は“並べる”と言う意味で、二つを合成すると、秩序よく並べるという意味になるのです。秩序よく並んでいるから、“シンタクス(syntax)”を“構文”とか“統語(構造)”というわけです。もともとは軍隊の整列にこの語を用いたようです。そういう風にきちんと並んでいるから、文章でいえば“横の関係”になるわけです。だから、文字をでたらめに並べただけだったら、シンタックスとは言わないかもしれませんね。『日本語表現活用辞典』(明治書院)のような辞書は、この関係において、作文を助けるものです。コリンズの英英辞典も、この関係の説明が、ぴか一です。
それから、パラディグマティックという語を分析すると、“パラ(para)”というのは“並行して”という意味で、“ディグマ(digma)”は“見せる”という意味で、二つを合成すると、並べて比較するというような意味になります。“パラダイム(paradigm)”は、“変化表”ですよね。変化表は、ある語の変化形を並べて比較するから、“変化表”になるわけです。そして、横組みの文章の途中で、ある語と関係のある語を並べて比較するときは、その語の上下に並べるので、“縦の関係”というわけです。類義語辞典のたぐいは、この関係において、作文を助けるものです。
ちなみに、古典ギリシャ語の“パラデイグマ(paradeigma)”を辞書で見ると、“範例、モデル、原形、(建造物の)設計;実例、見本;手本、前例;教訓、見せしめ;実例による証明”と、幅広い意味があるようです。これも、“並べて比較する”という意味から派生したたくさんの意味なのでしょう。
参考までに、“タグマ”の原形は“タットー(tatto)”で、“ディグマ”の原形は“デイクニュミ(deiknymi)”です。ちょっと変化が激しすぎますよね。
おさらいすると、文章が横に並んでいるということを前提として、横の関係か、縦の関係か、ということが、この二つの用語の概念なのです。