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日本文法文章論 児を抱けば

2014-04-11 | 日本語文法文章論
日本語文章の特徴に、天声人語のようなコラムで、引用句を用いた話題の展開がある。

~とは、というふうに引用するはその措定であるとしたことがあるが、なかには、~は、そのものをさす説明があったりする。
この語法は、引用に加えて、~はという話題の提示に用いられるが、引詞、引句として考えると、~というのは、~とあるのは、など、その用法の表現法を文法的に解釈するとどうであろうか。

子を抱けば男にものがいひやすし、という川柳を、このコラムでは文章にいれて、川柳の妙味である意味内容を子どもの擁護論、迷惑論へと変える。
子供を厄介がるところにその解釈が見えるが、はて、受け手が異なるではないか。

文章の流れは子育てになって、児は母にはぐくまれているから育つのであって、児を護る母はそれでいて評価を受けている、子育てへの感謝がある


天声人語
2014年4月11日(金)付

 〈子を抱けば男にものがいひやすし〉と江戸川柳にある。ものが言いやすいとは、注文をつけやすいことだろう。子育ては手がかかる。だから世の中全体に、幼子(おさなご)を持つ女性への協力を惜しまぬ心意気があったに違いない。さすがは江戸だ、と思ってきた

あとで知ると、意味合いはいささか違っていたらしい。が、子どもを厄介がるたぐいの話を聞くたびに思い出す。泣き声、はしゃぐ声などに加えて、昨今はベビーカーをめぐる擁護論と迷惑論が渡り合っている

2年前、首都圏の鉄道会社などが、車内での利用に理解を求めるポスターを作った。すると批判の声が多く届いた。黙ってうなずいた賛成派も少なくなかっただろうが、「とげとげした社会」がじんわりと加速している印象を受けたものだ

とはいえ場所をふさぐのは事実で、マナーを欠く親も時にいる。そうした中で国交省が先月末、電車やバスでは折りたたまなくていいという共通のルールを決めた。いうなれば役所のお墨付きである

芥川賞作家の金原(かねはら)ひとみさんが本紙に語っていた。「育児の方が執筆の100倍きついのに、だれも評価してくれないですよね」。むろんお墨付きは「そこのけ、そこのけ」の印籠(いんろう)ではない。ただ子育てという大仕事、もっと敬意を払われていいと思う

「社会で育てる」といわれて久しい。物心両面の支えのうち、心の領域に元手はいらない。おたがい様を大事にしたいものだ。役所の裁定など不要な世の中が、本当は望ましい。

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