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万葉語り18

2014-02-20 | 万葉語り
万葉集は国民の歌集である。

その時代に国民がいたのだろうかとか、おもいながら。

次のエピソードを思いだすが、これも時代を経て受け止め方が変わったかもしれない。。

戦争中に一冊の本を持つならば、名だたる文学作品ではない、それは万葉集である、と。

背嚢の底にしのばせることのできるのは手ごろにも文庫本であった。

どのような状況ににあってその書を取出し万葉歌に心を寄せたのであろう。

またひところの新書本の中に変わらぬベストセラーとするものは、万葉秀歌であった。

その愛誦する歌は、次のようであったのである。

なかつすめらみこと、きいのゆに 出でますときの歌、と題詞にある。

第10番歌から第12番歌まで。

 きみがよも わがよもしるや いはしろの おかのくさねを いざむすびてな

 わがせこは かりいほつくらす かやなくは こまつがしたの くさをからさね

 わがほりし のじまはみせつ そこふかき あごねのうらの たまぞひりはぬ




歌の引用は国歌大観番号、角川日本古典文庫を用いる。
    この書の注釈と解説による。

    伊藤博校注 万葉集 上下巻 角川書店



 



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