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ものはかなし

2013-08-23 | 日本語百科
ものはかなし 物果無し を、宛てる。はかなし に、もの 接頭語がついた。はかなし について、頼りないようすを、さらに、どことなく、なんとなく、という意味を加える。古典語で、もの を語に付けて形容詞、形容動詞をなどを作る。ある調査では、合計122語、形容詞63語、形容動詞59語のようである。



デジタル大辞泉の解説
もの‐はかな・し 【物▽果無し】
[形ク]どことなく頼りない。「忘れねどなにぞもしるし夢の中に―・くてやみにし物を」〈古今六帖・四〉

大辞林 第三版の解説
ものはかなし【物果無し】
( 形ク )
なんとなくたよりない。 「わが身はか弱く-・き有様にて/源氏 桐壺」


学研全訳古語辞典

もの-はかな・し 【物はかなし】
形容詞ク活用
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①なんとなく頼りない。
出典蜻蛉日記 上
「世の中にいとものはかなく、とにもかくにもつかで、世に経(ふ)る人ありけり」
[訳] この世の中にたいそう頼りなく、どうにもこうにも態度を決めかねて、夫婦生活を続けている人があった。
②とりとめがない。たわいない。
出典和泉式部 
「その夜おはしまして、例のものはかなき御物語せさせ給(たま)ひても」
[訳] その夜いらっしゃって、いつものとりとめのない物語をおさせになっても。◆「もの」は接頭語。


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