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熟字 熟字訓 4

2015-10-16 | 日本語表記
熟字は、2字以上の漢字を合わせて一つのまとまった意味を表すものと、辞書にある。
また、それに用いる字であるとも。
デジタル大辞泉の解説。

一方で、大辞林 第三版の解説では、 熟語に同じ、と見えるので、それを見ると、熟語に、

>①二つ以上の単語が結合してできた語。合成語。複合語。「山鳩」「酒樽」「草分け」の類。②二つ以上の漢字の結合してできた語。「登山」「思想」の類。熟字。成語。 

というふうに、単語と、漢字との語構成で分けている。
これについて、熟字訓という語があるので、それを引くと、

>じゅくじくん【熟字訓】2字以上の漢字からなる熟字を訓読みすること。 

と、大辞泉に見える。

例語に、

>「昨日(きのう)」「大人(おとな)」「五月雨(さみだれ)」など。 

がある。
また、大辞林は、

>漢字二字以上の熟字全体に,日本語の訓をあてて読むこと。また,その読み。「昨日(きのう)」「紅葉(もみじ)」「杜鵑(ほととぎす)」「羊歯(しだ)」の類。本辞典では常用漢字表付表記載の熟字訓は「《昨日》」「《紅葉》」,それ以外のものは「〈杜鵑〉」「〈羊歯〉」のように,《 》と〈 〉を使って表記欄に指示してある。  

と見える。
熟字訓には、熟語、熟字と異なって、日本語としての読みがある。

ウイキペディアには次のようである。
>日本語において漢字の単字単位ではなく熟字単位で訓読み(訓)を当てたもの。単字に分解してもそれぞれに熟字訓の要素は現れない。また、読みの方でも分節不可能なものが多い。

熟字訓は宛て読みである。
当用漢字表に熟字訓の一覧を付けて示してきたので、それには付表として語を決めたことになった。

当て字と宛て読みと、いずれも日本語の表記に係わる。

世界大百科事典内の熟字訓の言及
【当て字】より

…また言葉(ことば),出来(でき)などを,それぞれの文字の正当な意義用法によらぬとして,当て字にふくめることがある。さらに,土産(みやげ),銀杏(いちよう),今日(きよう),三和土(たたき),煙草(たばこ),麦酒(ビール),天鵞絨(ビロード)など,漢字2,3字の結合を一々の字の音訓によらずに,全体として一つの単語にあてる(熟字訓という)場合をも,当て字という人が近来はある。常用漢字表および同音訓表の適用にあたってはこれらの当て字は一括して排斥されつつあるが,一方,常用漢字表以外の漢字を使わないようにするために行われる,銓衡→選考,落伍→落後,繃帯→包帯のような書きかえは,主として漢語についてであって,当て字とはよばれていないが,新たに作られつつある当て字といえよう。

さきの、ウイキペディアは次を説明として分ける。
 二字まとめて一訓を当てたものである
 熟字訓と音読みで意味が異なる場合
 二三字で特殊な読みをするものは熟字訓とは限らない個人的な使用、義訓から生じ、それが慣用的なものとして定着したもの

熟語と熟字が違うものとすれば、その語を音読みと、その字を訓読みと、それぞれみることで、語構成に区別を与えようとする。
さらに熟語は熟合する語である、そのはずであるが、そうすると熟字としては熟合する文字となるので、熟語も熟字も同じである。

それぞれが違うとなれば、その熟合をあいまいにしてきている。




夏目漱石 門 四の九より。
芭蕉(ばしょう)の葉
二枚剪(き)って
座敷の縁(えん)に
料簡(りょうけん)
団扇(うちわ)
頸(くび)、
庇(ひさし)と
崖(がけ)
己(おれ)
愛想(あいそ)よく
厭(いや)
溜(た)めて
固(もと)より
邸宅(やしき)
慥(たしか)には
見傚(みな)して
差支(さしつかえ)ない
儲(もう)
廃嫡(はいちゃく)
賑(にぎ)やかな
諦(あき)らめて
尤(もっと)も
家(うち)
外(ほか)の

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