中日新聞記事より、トップには選挙の争点、かどうか、分配について、例のバラマキ公約に触れる。経済成長が焦点のことにならない、国の資金源には目をつぶったままのような、アジェンダにも程遠い議員の運動に触れる。あと二日で公示、投票まで2週間の騒がしさである。未来準備資金とか支援とか、党首の選挙演説になるみじかな説明をニュースのひとこまで見ているだけで、これは何を言っているのだろうかと、財源は支出をこうしてこっちで何とかやりくりをすればなりますといっているから、与党にまたなる算段でコバンザメのような政党に不安が見えることこの上ない。
その見出しの横に、3世紀の戦い支えた漆塗り織物として、彦根稲部遺跡の出土を伝える。文物のニュース、特種扱いはタイミングをみての新聞社の編集局による記せて事であるから、これまた、選挙の観測とあわせて、のんびり世相を見せている。日曜日の新聞は書くことがないのだろうかと、関連社会面のページに記事を求めると、それはそれとして、社会面コラムは囲み連載の、細る経済基盤人材流出 と見えて、5回目は学問、自由の現在地権力との摩擦 が目にうつった。タイトルの捉えるところと、その内容はずれてしまっているが、中国の学者招聘千人計画を話題にする。
学者の人事に政府が権力をふるったと前政権の失態のように騒いだ事件、だろう、それにも関連する。研究者の生命は何か、そしてまたその社会的使命においてはどうか、学問の倫理とされることである。さわぎようは結果におけることがらになるので、政治の及ぶところではない。千人計画にかかわらず、奨学金ならぬ研究奨励費をもらっての留学、招聘研究、そして学術貢献となると研究者には純粋に知的好奇心のことになる、と記事でも、その末尾に談話を載せる。たしかにそのとおりであるから、学術会議はご用を受けることになるのは致し方ないところ、ただ言えば、その範囲で、経験的に許される中国の場合には資金の出所が国家イデオロギーのもとにあるのでその業績は国家のものになる。
微妙なことであって、日本人研究者の名誉とはならない。ノーベル賞、自由主義社会の褒章とは異なる。卑近なことで奨学金は個人の研究に資する、そのためにまた奨励研究もあるが、中国についてはそうはならないということである。受けてみればわかることに、記事に出る研究者の思いには公募の褒章制が身に染みてしまっているようなことである。あくまで国家に吸収されている。近頃は日本に滞在する外国人研究者が増えてきて近隣国の研究者が日本の研究機関で名をはせているようになってきた。これは故国にとってはどう受け止められるかがこれからのありようにかかわる。
中国の出先に見える孔子学院で学ぶ機会を与えられた中国研究、中国語の域から出て、その研究成果はどこに吸収されているだろう。推して知るべしである。
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自由の現在地 権力との摩擦>(5)学問 細る経済基盤、人材流出. 2021年10月17日 05時00分 (10月17日 05時01分更新). 高畑亨氏がかつて在籍した基礎生物学研究所= ...
>中国浙江省杭州市。
この古都にある浙江大の研究所で、神戸出身の高畑亨(とおる)(44)は教授をしている。サルなどの脳科学が専門。
七年前まで研究員として米国の大学にいた。当時、隣の研究室にいた教授が、浙江大の研究所長に就くことになり、誘われた。
所長は中国系米国人。中国を拠点とする外国人研究者らを資金援助する中国政府の「千人計画」の対象でもある。高畑も中国に来てから、浙江省独自の千人計画に応募して認められた。
日本ではネット上で「千人計画の研究者は中国のスパイ」などと書かれている。その真偽を高畑に尋ねたら、「とんでもない勘違い」と笑われた。
千人計画には外国人の研究成果を軍事利用する狙いがあるとの懸念は、自民党議員らの間にある。現幹事長の甘利明(72)は昨年八月、ブログで、国内科学者の代表機関・日本学術会議が千人計画に協力していると、批判した。同十月、当時の首相菅義偉(72)による学術会議会員候補の任命拒否が発覚。「学問の自由への介入」と問題視されたが、一部ネット世論は甘利のブログを根拠に「中国に協力する学術会議こそ問題」と反発した。学術会議は協力を否定した。