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ーはーが構文

2023-08-04 | 日本語文法論議23





日本語文法議論2384  
      
日本語の文例を抽出し分析する。その場合に、文章は次のようである。日本語文章の文単位に見る文法は、その文例を形式に捉え、意味内容を情報の単位にする。その文の構造には係り受けのまとまりが繰り返し現れているので、単純化する例文の引用には注意がいるだろう。たとえれば組木細工を分解するようである。

>1930〜40年代ごろの日本では、親しみやすい管弦楽曲がたくさん生まれた。戦後難しい前衛音楽に押されたこともあり、長らく日の目を見ていない作品は多い。オーケストラで長年コントラバスを弾いてきた私は、管弦楽曲を中心に埋もれた楽譜を発掘、浄書してパート譜を作り、蘇演する手助けをしている。  2023 0804付け日経新聞文化面より 戦前の管弦楽曲に光を 埋もれた楽譜を発掘し蘇演へ

区切り符号で3つの文がある。冒頭の段落で次を述べている。
 管弦楽曲が 生まれた  1930〜40年代ごろの日本
 前衛音楽に押された  戦後
 作品は多い  日の目を見ていない
 コントラバスを弾いてきた  オーケストラで長年
 私は 
  楽譜を発掘 浄書し 譜を作り 
  蘇演する手助けをしている
蘇演という語はよみがえらせる演奏を意味する用語である。タイトルに文章の内容があらわされている。

引用した文章の中に、-は―が構文の形をとるパターンが見える。

さて、文例に創作があってそれを議論することが行われる。用例を採取して文例を帰納するという方法と、こういう文例があるだろうと資料から捜索して文例をつくり出す。議論はその先にあるのでその文例の妥当性が議論内容を左右する。とくに例文として採用するときには論者の思惑が働く。そのうえで論理が作られている。

例文をあげてみる。
 象は  動物である
  ←長い鼻が特徴である
  ←鼻が長いのである
 象は鼻が長い動物である
この例文を操作すれば、次の文が産出する。
 象は鼻が長いのである ということができる
 象は 鼻が長い
形容詞で言い切る文は感動の用法で、言い話す、言い放つことはできなかったのであるから、
 象は鼻が長いのよ 
 象は鼻が長いこと
この言葉を聞けば、文末に感嘆をつけるか、体言止めのように表現することになる。
 象は鼻が長いです
という言い方は、
 象は鼻が長いのです
となるべきで、口頭語での、ですます調に合わせた言い方は1952年に注意されている。
文化庁、これからの敬語において、パンフレットで表現法を認めている。

象は鼻が長い といえば、これはこと足らずであった。
 この部屋は暑いよ (なぜ、どう、なに)
 このラーメンはおいしいよ  (なぜ、どう、なに)
 この象は長いよ (なぜ どう、なに)
というような表現法である。
 この部屋が暑い
 このラーメンがおいしい  
 *この象が長い

象さん象さん お鼻が長いのね と、歌っていれば、そうよ かあさんも長いのよと聞こえて、そこからもし、象は鼻が長い と言ってしまえば、1950年代で漸く、象は鼻が長いですね というような言い方が時代の推移で一般的なのである。



 
   
      




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