夏目漱石、夢十夜、1908年の7月から8月にかけて朝日新聞紙上で10回連載されたそうだ。それを、現代によみがえらせる、小説本文は現代仮名遣いの岩波文庫版に準拠ということである。
夏目漱石
夢十夜 第三夜
負(おぶ)ってる
慥(たしか)に
何時(いつ)の間にか
潰(つぶ)れ
御前(おまえ)
路(みち)
鷺(さぎ)
闇(やみ)
田圃(たんぼ)
掛(かか)った
脊中(せなか)
解(わか)る
果(はた)して
二声(ふたこえ)
我子(わがこ)
脊負(しょ)って
打遣(うっち)ゃる
御父(おとっ)さん
目標(めじるし)
二股(ふたまた)
八寸角(すんかく)
表(おもて)
左(ひだ)り
日ケ窪(ひがくぼ)
右堀田原(ほったはら)
明(あきら)
井守(いもり)
好(い)いだろう
最先(さっき)
抛(な)げかけ
躊躇(ちゅうちょ)
盲目(めくら)
一筋道(ひとすじみち)
不可(いけな)い
負(おぶ)って
可(い)いじゃないか
馬鹿(ばか)
何(なん)だか
厭(いや)に
独言(ひとりごと)
際(きわ)どい
嘲(あざ)ける
何(なん)だか
判然(はっきり)
益(ますます)
殆(ほと)んど
食付(くっつ)いて
悉(ことごと)く
照(てら)し
洩(も)らさない
堪(たま)らなく
此処(ここ)だ
留(とま)った
何時(いつ)しか
一間(けん)
慥(たしか)に
文化(ぶんか)五年
辰年(たつどし)
忽然(こつぜん)として
人殺(ひとごろし)
石地蔵(いしじぞう)
夏目漱石
夢十夜 第三夜
負(おぶ)ってる
慥(たしか)に
何時(いつ)の間にか
潰(つぶ)れ
御前(おまえ)
路(みち)
鷺(さぎ)
闇(やみ)
田圃(たんぼ)
掛(かか)った
脊中(せなか)
解(わか)る
果(はた)して
二声(ふたこえ)
我子(わがこ)
脊負(しょ)って
打遣(うっち)ゃる
御父(おとっ)さん
目標(めじるし)
二股(ふたまた)
八寸角(すんかく)
表(おもて)
左(ひだ)り
日ケ窪(ひがくぼ)
右堀田原(ほったはら)
明(あきら)
井守(いもり)
好(い)いだろう
最先(さっき)
抛(な)げかけ
躊躇(ちゅうちょ)
盲目(めくら)
一筋道(ひとすじみち)
不可(いけな)い
負(おぶ)って
可(い)いじゃないか
馬鹿(ばか)
何(なん)だか
厭(いや)に
独言(ひとりごと)
際(きわ)どい
嘲(あざ)ける
何(なん)だか
判然(はっきり)
益(ますます)
殆(ほと)んど
食付(くっつ)いて
悉(ことごと)く
照(てら)し
洩(も)らさない
堪(たま)らなく
此処(ここ)だ
留(とま)った
何時(いつ)しか
一間(けん)
慥(たしか)に
文化(ぶんか)五年
辰年(たつどし)
忽然(こつぜん)として
人殺(ひとごろし)
石地蔵(いしじぞう)