日本語という呼称に対置されるのは国語である。
歴史的な推移で言えば国語がまず作られた。
作られたというのは近代化を遂げるうちに中央語、国家語としての必要性から国語を調査したことによる。
国語に関する調査機関として、1902年からに1913年まで国語調査委員会が存続し、廃止された。
文字、言文一致、音韻組織、方言など調査として掲げられ、国語国字問題の解決にあった。
次いで、国語審議会が1934年に設置され、さきの国語調査委員会、1902‐13年、臨時国語調査会1921‐34年 のあとをうけている。
これは文部大臣の諮問機関であった。
この国家による調査および施策推進は、国語施策百年史として、ぎょうせい 2005年3月 文化庁編・共著として刊行され、本文編6章、記述内容は原則として明治以降から平成17年3月まで、資料編は年表を除き、明治20年以降のものを中心に収録している。
大辞林 第三版の解説
にほんご【日本語】
古来日本民族が用いてきた言語で,日本国の公用語。北海道から沖縄までの島々にわたり,一億余の人々に使用されている。音韻面では,一つの子音と一つの母音との結合音節を基調とし,母音で終わる開音節を特徴とする。「ガ・ッ・コ・オ(学校)」という発音にも見られるような等時的なリズム上の単位,すなわち拍(モーラ)をもち,高低アクセントを伴う。文法面では膠着語(こうちやくご)に属し,助詞・助動詞が文の成立について大きな役割を果たしており,また,述語が文の最後にくるという文法構造をもつ。複雑な敬語法が発達していることもその特徴の一つに数えられる。中国語から借用した漢字と,漢字を母胎として成立した仮名との併用で表記されるのが普通である。語彙(ごい)には日本固有の語である和語のほかに,漢字音に基づく漢語も多い。近年は,西欧語からはいってきた外来語も多く用いられる。国土の面積の割には,方言による違いも著しく,男女や職業などの別による用語差も大きい。系統はアルタイ諸語の一つに属するものか,などとも言われるが,いまだに定説とはなっていない。
大辞林 第三版の解説
こくごちょうさいいんかい【国語調査委員会】
1902年(明治35),国語に関する調査を行うために設けられた国の機関。13年(大正2)廃止。「送仮名法」「疑問仮名遣」「口語法」「口語法別記」など,多くの業績を残した。
デジタル大辞泉の解説
にほん‐ご【日本語】
日本の国語。万葉仮名で書かれた古代日本語からの文献をもつ。敬語、男女の言葉の違いの発達などの複雑な面に比して、音体系の変化は比較的少なく保守的である。アルタイ諸語との同系説、南方の諸言語との同系説があるが、結論は得られていない。
百科事典マイペディアの解説
日本語【にほんご】
日本列島において1億2000万の住民によって話されている言語。ほぼ日本国の単一言語として使用されている。日本語の系統については,朝鮮語との同系説,アルタイ語族との親近性の主張など,さまざまな説はあるが,なお確定的な説はない。
世界大百科事典 第2版の解説
にほんご【日本語 Japanese】
日本語はユーラシア大陸の東の端に浮かぶ日本列島(北海道,本州,四国,九州などからなる〈本土列島〉と琉球列島)において,1億2000万の住民により話されている言語である。話し手の数の点からだけ言えば,世界における〈有力な言語〉の一つであると言うこともできるが,これらの島の中で,他民族の言語と境を接することがなく,ほぼ日本国の単一言語として使用されているので,日本語は主としてその分布のあり方の面で〈島国の言語〉という特殊性をもっている。
世界の主要言語がわかる事典の解説
にほんご【日本語】
おもに日本人により日本列島を中心に話される言語。本土方言と琉球方言(琉球語)に大別される。話者数は1億2500万人。音韻では、ほとんどの音節が母音で終わり(開音節)、アクセントは音の高低による、文法的には、助詞や助動詞を駆使した膠着語である、敬語法が発達している、語順では述語が文末にくる、構文上主語は不可欠ではない、などの特徴がある。語彙(ごい)は、和語と漢語(中国語からの借用)と外来語(おもにヨーロッパ語からの借用)からなるが、日常の基礎的な語彙の大半は和語である。表記には漢字の表音的用法から発達した平仮名(ひらがな)、片仮名(かたかな)(表音文字)と、漢字(表意文字)とを併用する。1つの漢字に2種類の読み方(中国語音にもとづく「音」と漢字の意味を日本語に翻訳した「訓」)をあて、それを使い分けているのも、日本語独特の方法である。日本語の系統については、北方のアルタイ諸語、南方のアウストロネシア語族やドラビダ語族などとの関係が論じられているが、確実なことはわかっていない。
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
日本語
にほんご
主として日本民族により、日本列島において使用され、発達してきた言語の名。日本人は国語とも称する。その系統・起源としては、北方の言語である「ウラル・アルタイ語族」とする説、南方の言語である「マライ・ポリネシア語族」とする説、その両者が重なり合ったとする説、英語、ペルシア語、インドの言語などを起源とする説など多数あるが、いずれも学界全体の合意を得たものはない。周辺の言語の古代語の資料が乏しいから、この面の研究の進展は非常に困難であろう。[築島 裕]
分布目次を見る
本州・四国・九州・北海道・沖縄およびその属島、すなわち日本国の領土全般に広く行われており、しかも他の言語と競合併存することがない。ただし、明治末期から第二次世界大戦の終わりまでは、台湾・樺太(からふと)(サハリン)・朝鮮半島にも、住民全体に日本語教育が行われた時期があった。海外に移住した日本人の間でも行われるが、三世以下に伝えられることは少ないとみられる。また、外国人に対する日本語の教育・普及は貧弱である。1998年(平成10)現在、日本語を話す人口は約1億2500万人で、英語、中国語、ロシア語、スペイン語と並んで世界の大言語の一つに数えられるが、国際性はかならずしも豊かでなく、今後の対策が要請される。[築島 裕]
日本語を記述説明する。フリー百科事典の項目で、次のようである。
日本語
にほんご、にっぽんご
発音 IPA: [nʲiho̞ŋŋo] ([nʲip̚poŋŋo])
話される国 日本の旗 日本など(詳細は「分布」を参照) .
地域 東アジアなど
話者数 約1億3,000万人(日本の人口を基にした場合の概数)
話者数の順位 9
言語系統
孤立した言語
アルタイ系説、南島系説など論争あり
琉球語と併せて「日本語族」とすることもある(詳細は「系統」を参照)
表記体系 平仮名、片仮名、漢字
公的地位
公用語 日本の旗 日本(事実上。詳細は「分布」を参照)
統制機関 (特になし)
日本の旗 日本:文化庁文化審議会国語分科会(事実上)
ニコニコ大百科には次の記述がある。
http://dic.nicovideo.jp/a/日本語
>日本語は日本の国語 (National language) であり、日本列島内において広く通用しているが、日本国においては日本語を公用語 (Official language) とする法律は無い。ただし、裁判所では日本語を用いることが定められている。
世界において唯一、日本語の公用語としての地位を明文化している国 (State) は、パラオ共和国内にあるアンガウル州である。パラオは国民の4人に1人が日系人の国であるが、日本語はもはや通用しておらず、単に象徴的役割しか果たしていない。
>明治時代、東京の山の手で使われていた「山の手言葉」が成熟していた。明治中ごろになると政府はこの山の手言葉を核として「標準語」を成立させようとする動きを見せるようになる。標準語そのものは男子の言語として製造された向きがあったが、元となった山の手言葉は今日ではお嬢様言葉としての役割語の位置に落ち着いている。
日本が戦争に負けると、言語統一政策自体がタブー視されるようになり、政府主導による「国を挙げて一つの言語を!」というのは無くなった。しかしマスメディアや交通網の発達により、図らずとも日本語の均一化が進むようになる。
現在日本語の中心に位置するのは、共通語 (戦前のいわゆる標準語そのもの、またはそれに幾分かの方言が混交したもの) や、それから発展した首都圏方言 (首都圏で使われている共通語に、さらに関東や各地方の方言が流入したもの) である。特に首都圏方言は在京民放を中心としたマスメディアに用いられ、全国的に蔓延している。地域によって方言の根強いところもあるが、先述の「お嬢様言葉」化した山の手言葉や、キャラクターとしての関西弁などのように、いわゆる役割語として用いられる傾向の方が目立っている。
歴史的な推移で言えば国語がまず作られた。
作られたというのは近代化を遂げるうちに中央語、国家語としての必要性から国語を調査したことによる。
国語に関する調査機関として、1902年からに1913年まで国語調査委員会が存続し、廃止された。
文字、言文一致、音韻組織、方言など調査として掲げられ、国語国字問題の解決にあった。
次いで、国語審議会が1934年に設置され、さきの国語調査委員会、1902‐13年、臨時国語調査会1921‐34年 のあとをうけている。
これは文部大臣の諮問機関であった。
この国家による調査および施策推進は、国語施策百年史として、ぎょうせい 2005年3月 文化庁編・共著として刊行され、本文編6章、記述内容は原則として明治以降から平成17年3月まで、資料編は年表を除き、明治20年以降のものを中心に収録している。
大辞林 第三版の解説
にほんご【日本語】
古来日本民族が用いてきた言語で,日本国の公用語。北海道から沖縄までの島々にわたり,一億余の人々に使用されている。音韻面では,一つの子音と一つの母音との結合音節を基調とし,母音で終わる開音節を特徴とする。「ガ・ッ・コ・オ(学校)」という発音にも見られるような等時的なリズム上の単位,すなわち拍(モーラ)をもち,高低アクセントを伴う。文法面では膠着語(こうちやくご)に属し,助詞・助動詞が文の成立について大きな役割を果たしており,また,述語が文の最後にくるという文法構造をもつ。複雑な敬語法が発達していることもその特徴の一つに数えられる。中国語から借用した漢字と,漢字を母胎として成立した仮名との併用で表記されるのが普通である。語彙(ごい)には日本固有の語である和語のほかに,漢字音に基づく漢語も多い。近年は,西欧語からはいってきた外来語も多く用いられる。国土の面積の割には,方言による違いも著しく,男女や職業などの別による用語差も大きい。系統はアルタイ諸語の一つに属するものか,などとも言われるが,いまだに定説とはなっていない。
大辞林 第三版の解説
こくごちょうさいいんかい【国語調査委員会】
1902年(明治35),国語に関する調査を行うために設けられた国の機関。13年(大正2)廃止。「送仮名法」「疑問仮名遣」「口語法」「口語法別記」など,多くの業績を残した。
デジタル大辞泉の解説
にほん‐ご【日本語】
日本の国語。万葉仮名で書かれた古代日本語からの文献をもつ。敬語、男女の言葉の違いの発達などの複雑な面に比して、音体系の変化は比較的少なく保守的である。アルタイ諸語との同系説、南方の諸言語との同系説があるが、結論は得られていない。
百科事典マイペディアの解説
日本語【にほんご】
日本列島において1億2000万の住民によって話されている言語。ほぼ日本国の単一言語として使用されている。日本語の系統については,朝鮮語との同系説,アルタイ語族との親近性の主張など,さまざまな説はあるが,なお確定的な説はない。
世界大百科事典 第2版の解説
にほんご【日本語 Japanese】
日本語はユーラシア大陸の東の端に浮かぶ日本列島(北海道,本州,四国,九州などからなる〈本土列島〉と琉球列島)において,1億2000万の住民により話されている言語である。話し手の数の点からだけ言えば,世界における〈有力な言語〉の一つであると言うこともできるが,これらの島の中で,他民族の言語と境を接することがなく,ほぼ日本国の単一言語として使用されているので,日本語は主としてその分布のあり方の面で〈島国の言語〉という特殊性をもっている。
世界の主要言語がわかる事典の解説
にほんご【日本語】
おもに日本人により日本列島を中心に話される言語。本土方言と琉球方言(琉球語)に大別される。話者数は1億2500万人。音韻では、ほとんどの音節が母音で終わり(開音節)、アクセントは音の高低による、文法的には、助詞や助動詞を駆使した膠着語である、敬語法が発達している、語順では述語が文末にくる、構文上主語は不可欠ではない、などの特徴がある。語彙(ごい)は、和語と漢語(中国語からの借用)と外来語(おもにヨーロッパ語からの借用)からなるが、日常の基礎的な語彙の大半は和語である。表記には漢字の表音的用法から発達した平仮名(ひらがな)、片仮名(かたかな)(表音文字)と、漢字(表意文字)とを併用する。1つの漢字に2種類の読み方(中国語音にもとづく「音」と漢字の意味を日本語に翻訳した「訓」)をあて、それを使い分けているのも、日本語独特の方法である。日本語の系統については、北方のアルタイ諸語、南方のアウストロネシア語族やドラビダ語族などとの関係が論じられているが、確実なことはわかっていない。
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
日本語
にほんご
主として日本民族により、日本列島において使用され、発達してきた言語の名。日本人は国語とも称する。その系統・起源としては、北方の言語である「ウラル・アルタイ語族」とする説、南方の言語である「マライ・ポリネシア語族」とする説、その両者が重なり合ったとする説、英語、ペルシア語、インドの言語などを起源とする説など多数あるが、いずれも学界全体の合意を得たものはない。周辺の言語の古代語の資料が乏しいから、この面の研究の進展は非常に困難であろう。[築島 裕]
分布目次を見る
本州・四国・九州・北海道・沖縄およびその属島、すなわち日本国の領土全般に広く行われており、しかも他の言語と競合併存することがない。ただし、明治末期から第二次世界大戦の終わりまでは、台湾・樺太(からふと)(サハリン)・朝鮮半島にも、住民全体に日本語教育が行われた時期があった。海外に移住した日本人の間でも行われるが、三世以下に伝えられることは少ないとみられる。また、外国人に対する日本語の教育・普及は貧弱である。1998年(平成10)現在、日本語を話す人口は約1億2500万人で、英語、中国語、ロシア語、スペイン語と並んで世界の大言語の一つに数えられるが、国際性はかならずしも豊かでなく、今後の対策が要請される。[築島 裕]
日本語を記述説明する。フリー百科事典の項目で、次のようである。
日本語
にほんご、にっぽんご
発音 IPA: [nʲiho̞ŋŋo] ([nʲip̚poŋŋo])
話される国 日本の旗 日本など(詳細は「分布」を参照) .
地域 東アジアなど
話者数 約1億3,000万人(日本の人口を基にした場合の概数)
話者数の順位 9
言語系統
孤立した言語
アルタイ系説、南島系説など論争あり
琉球語と併せて「日本語族」とすることもある(詳細は「系統」を参照)
表記体系 平仮名、片仮名、漢字
公的地位
公用語 日本の旗 日本(事実上。詳細は「分布」を参照)
統制機関 (特になし)
日本の旗 日本:文化庁文化審議会国語分科会(事実上)
ニコニコ大百科には次の記述がある。
http://dic.nicovideo.jp/a/日本語
>日本語は日本の国語 (National language) であり、日本列島内において広く通用しているが、日本国においては日本語を公用語 (Official language) とする法律は無い。ただし、裁判所では日本語を用いることが定められている。
世界において唯一、日本語の公用語としての地位を明文化している国 (State) は、パラオ共和国内にあるアンガウル州である。パラオは国民の4人に1人が日系人の国であるが、日本語はもはや通用しておらず、単に象徴的役割しか果たしていない。
>明治時代、東京の山の手で使われていた「山の手言葉」が成熟していた。明治中ごろになると政府はこの山の手言葉を核として「標準語」を成立させようとする動きを見せるようになる。標準語そのものは男子の言語として製造された向きがあったが、元となった山の手言葉は今日ではお嬢様言葉としての役割語の位置に落ち着いている。
日本が戦争に負けると、言語統一政策自体がタブー視されるようになり、政府主導による「国を挙げて一つの言語を!」というのは無くなった。しかしマスメディアや交通網の発達により、図らずとも日本語の均一化が進むようになる。
現在日本語の中心に位置するのは、共通語 (戦前のいわゆる標準語そのもの、またはそれに幾分かの方言が混交したもの) や、それから発展した首都圏方言 (首都圏で使われている共通語に、さらに関東や各地方の方言が流入したもの) である。特に首都圏方言は在京民放を中心としたマスメディアに用いられ、全国的に蔓延している。地域によって方言の根強いところもあるが、先述の「お嬢様言葉」化した山の手言葉や、キャラクターとしての関西弁などのように、いわゆる役割語として用いられる傾向の方が目立っている。