漢字には語義がある。漢字は文字であり詞であるから、字音と字形にある字義として捉えている。それに対して、意味はとなるとどうか。日本国語大辞典で17世紀から用例を載せている、それには、含蓄を指す、また言外の意味という用法である。
>楊載‐敗裘詩「意味存鶏肋、寒涼視馬毛」
元代中国の詩人の例を載せている。これはコトバンクでの精選版のサイトを見ていると、日本国語大辞典の解説の用例の出し方は、引用がないのでわかりにくい。
字通で検索していると、熟語の項に、
>【意味】いみ おもむき。宋・朱熹〔論語序説〕子曰く、頤(い)、十七より論語を讀む。~之れを讀むこと(いよいよ)久しくして、意味の深長なるを覺ゆ。
と、見える。
日本国語大辞典用例
>
(─する)物事の、深みのある趣。含蓄のある味。また、それを味わうこと。
*艸山集〔1674〕二一・遊向陽寮以戸庭無塵雑虚室有余閑賦詩得閑字・四「半畝荒園疎野菜、只無意味敵清閑」
*俳諧・常盤屋の句合〔1680〕一七番「しょぼしょぼと降暮山の雨にぬれて、松茸のすごすごとたてるけしき、言葉の外に意味ふかし」
*俳諧・宇陀法師〔1702〕巻頭并俳諧一巻沙汰「脇の事、発句は言外の意味をふくむをよしとす。脇は発句に残したる言外の意味を請て継也」
デジタル大辞泉
い‐み 【意味】
[名](スル)
1 言葉が示す内容。また、言葉がある物事を示すこと。「単語の―を調べる」「愛を―するギリシャ語」
2 ある表現・行為によって示され、あるいはそこに含み隠されている内容。また、表現・行為がある内容を示すこと。「慰労の―で一席設ける」「―ありげな行動」「沈黙は賛成を―する」
3 価値。重要性。「―のある集会」「全員が参加しなければ―がない」
日本語教育の語彙30 語彙論の成果
2018-09-10 | 日本語教育
日本語教育の語彙は語彙目録を挙げることで、その語彙の範囲を示すことになる。それは日本語教育のステップにおける語彙を日常用、会話用、文章用、専門研究用と、くくることで可能である。現行の級別による語彙はすでに成果を上げているものであるから、それを語彙のステップのひとつにして、語彙そのものはさらに分野により、ひとくくりを入れたものとして明確にしていくことが重要である。日本語の興味を持つ、日本語の入門に動機を問えば、例えば、アニメ、劇画、コミックと聞くことがある。わたしたちの日本語から考えると創作された言葉遣いにあるところがあるので、その漫画と呼ばれる語彙をひとくくりにして示すことができるはずであるから、それを語彙の論として展開すればその効果は計り知れない。言ってみれば、クールジャパンの日本語である。日本語の学習のポイントとなるのは漢字語彙と、敬語であったから、それに俗語、卑罵、位相、方言などを加えた言葉遣いもあることを知ることは日本語学習の動機によっては重要なことである。